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十八回戦【見た目と点数】

〈第十八回廃剣インタビュー〉


はい、始まりました! 毎回恒例廃剣インタビュー♪

今回の司会は俺、外山椿です~

今日は特別ゲストをお呼びしてます!

ではさっそく……



Let's interview!



大「なにが特別ゲストだ! いつも通りじゃねぇか!」


椿「まぁまぁ、今回の特別ゲストは志導大我さんと剣道部の皆さんです~」


大「だから、いつも通りだろうが!」


元「やっぱり椿は面白いなぁ~」


椿「では、インタビューしたいと思います~」


大「無視すんな!?」



『剣道部の皆は剣道以外でなんのスポーツが好きですか?』



椿「おぉ、なんだか珍しい質問が来た。では、大我どうぞ。」


大「剣道以外かぁ~まぁ普通にサッカーかな?」


椿「普通だな……もっと珍回答を期待してたのに。」


大「勝手に期待すんな。はい、次、元。」


元「うぅ~ん、オレはねぇ~鬼ごっこかなぁ~」


大「それ、スポーツっていうの?」


椿「いいねぇ~鬼ごっこ!」


元「だろぉ~はい、次平助ねぇ~」


鷹「俺はバスケだ。元バスケ部だし。」


元椿「……普通か!?」


鷹大「はぁ?」


元「普通なんだよ! 回答が普通なんだよ!」


大「いや、それは……」


椿「なんで面白い回答をしない!」


鷹「なんでわざわざそんな事しなきゃなんないんだよ……」


椿「まったく……君たちはぁ~」


大「なんで俺達怒られてるんだ?」


元「ここは漫画の世界じゃないんだそぉ~」


大「じゃぁ椿は何が好きなんだよ。」


椿「えっ? 読書。」


大鷹「スポーツですらなかった!?」


元「ぶっ、ははははは! 椿、サイコーだわ!」


椿「だろ?」


大「読書って……スポーツはないのかよ!」


椿「だって、無駄に身体動かすの嫌いなんだもん。」


鷹「スポーツ全否定したぞ、こいつ!」


元「ひぃーひぃーおもしれぇ~腹いてぇ~」


大「駄目だこれ……」


椿「では、ここらへんでさようならしましょぉ~」


元「バイバーイ!」


=終了=

「森羅、起きなさい。稽古の時間よ。ご飯食べなきゃ。」


部屋で寝ていると、おかんに起こされた。

部活から帰ってきて、布団の上でゴロゴロしてたら、寝てしまったようやなぁ~


「んあぁ~あぁ、もうそんな時間か……今行くわぁ~」


俺は重たい身体を起こして頭をガリガリ掻いて、欠伸をする。

全く……部活で疲れてるのに、家の道場の手伝いもせなあかんなんて……疲れるわぁ~

ゆっくりと部屋を出て、外の廊下を歩き、そして居間の部屋に入ると胴着姿の人影が四人座っていた。


「新羅、まだ着替えてなかったのか! 全く、ギリギリまで寝ておいてさっさと飯食って着替えてこい!」


胴着姿の親父が俺を怒鳴った。しかし、俺は聞いてなかったかのように無視して、食卓に座り手を合わせて合掌。いただきます。

親父の言葉をいちいち聞いていたら身が保たへんわ。

晩ご飯を無言で食べ進めていると兄貴3人が俺を見つめていた。


「なんや、俺の顔になんか付いてるか?」


ベタな質問をすると長男の慧介兄さん(けいすけ)がキョトンとした顔で聞いてきた。

落ち着いた性格の慧介兄さんは俺のお茶碗と俺を見た。


「いや、お前最近食う量増えな。でも、なんか痩せたな……」


なんや、そんなことか……

そう言えば、去年はほとんど部活に行かなかったからそんなに腹も減らなかった。でも、今は部活も行ってるし道場での練習もあるからたくさん食うようになった。痩せたかどうかは知らない。まぁ、太ったことはないだろう。俺は基本太らない体質だし。


「いや、森羅が真面目に部活出てるなんてびっくりだな。煌希も喜んでるんじゃねぇ?」


おかわりを待ってると三男のそらが笑いながら言った。少しおちゃらけた宙は俺のことを笑う。

いや、一年の時も時々やけど部活行ってたし……それに、俺が行っても煌希は喜ばへんよ。


「別にいいんじゃない? 森羅だってそんなときだってあるよ。それに、荒れられても困るし……」


おっとりした性格の悠星兄ゆうせいは味噌汁をすすりながら呟いた。

いや、そりゃ荒れるよりましなんはわかるけど……でも、悠星兄は無関心過ぎるわぁ~

そんな兄貴3人と親父が俺の話題で言い合っている……いや、俺は全く会話に入ってないからな……

そろそろ兄貴達が五月蠅くなってきたから、さっさと退散しよう……


「ごちそうさま。着替えてくるわぁ~」


食器を重ねて流し台に持って行き、自室に戻る。

俺と入れ替わりで弟のすばるが居間に入ってきた。


「あれ、森羅兄まだ着替えてないの? さっさとしないと遅れるよぉ~」


「分かってるわぁ~お前こそさっさと飯食ってまえ!」


昴の頭を軽く叩いてから自室に戻る為に、廊下を歩いた。

これから厳しい稽古の始まりや……



****



「戸隠! お前はまた……いい加減に真面目に授業を受けろ……」


ただいま俺がいるのは職員室。そして、担任の先生によっての説教中。

授業中に居眠りをしすぎたせいで、こうなっている。しかし、眠たいものは眠たいんやもん……


「いやぁ~すんません……自分では起きてるつもりなんやけど、気が付いたら寝てしまってるんですわぁ~昨日の稽古で疲れてるんですわぁ~いや、ほんまに悪気はないんやで……」


本当のことを言っている。

特に昨日の稽古は長かったからまだ疲れが残っている。親父のやろう、いったい何分間かかり稽古させるつもりなんだよ……


「まぁ、剣道部が忙しいのは分かってるが、学生の本分は勉強だぞ。授業中はしっかりしろ。」


そう言われても、窓際のポカポカ陽気の中で寝るなと言う方が拷問や……


「はぁ……努力しますわ……そろそろ行ってもええですか? 遅れたらまた煌希に怒られるんで……」


俺は後ろ頭を掻きながら先生に言う。職員室の時計を見ると、部活が始まる15分前。頑張ったら5分で着替えられるけど、ギリギリや……また煌希に怒られてまう……


「全く……あいつも大変だな。沖林にあまり迷惑かけるんじゃないぞ。ほら、行ってこい。」


先生はため息をつきながら俺を追い払った。呼び出しといて、追い払うのはどうかと思うで先生……

“失礼しました”と大きな声で言いながら職員室を後にする。扉を静かに閉めた瞬間、俺の肩を誰かが叩いた。叩かれたので、後ろを振り返ると理科の先生が俺の後ろに立って笑っていた。


「戸隠、理科の問題集の未提出者お前だけだぞ。」


しまった……半分ぐらいしかやってないんやった……俺が返答に困っていると先生は黒いにこやかな笑顔で……


「今日中な。待ってるぞ。」


そう言って、職員室に入っていった。

嘘やろ……今から部活やっちゅうのに……

俺は目の前で閉まっていく扉を見つめて項垂れた。完全に煌希に怒られるわ……

あぁぁぁ! 今日は災難や!!



****



先生が入ってきて号令がかかった。

とうとうこの時が来てしまった……


地獄のテスト返し……


あぁぁぁ~絶対悪いじゃねぇか……

俺は基本授業は聞いてないし、テスト一週間中は店の手伝いもしないといけなかったからな……

今回の点数はヤバい事になっているであろう……


「はい、じゃぁ数学のテスト返すぞぉ。皆、初めてのテストで分からないこともあっただろうが、頑張ってたぞ。今回の平均点は61点。じゃぁ、出席番号順取りに来い。」


とうとうきてしまったぁ……

枕に顔を押し当てて少し前を見る。

元が貰って、大我が貰った。

2人共まずまずな顔だ。

それから少しして俺の名前が呼ばれた。渋々取りに行くと、先生は苦笑いをして俺にテストを渡した。


「ゲッ……」


パッとテストを開くと痛々しい点数が目の前にあった。



21点。



これは痛い……

下がったテンションのまま大我と元のところへ行く。


「鷹虎、どうだった? って、聞かなくてもいいか……」


大我は俺のテンションを見て察してくれたようだ。俺は2人にテストの用紙を見せると、2人は大爆笑した。


「ぶはははははぁ! 何この点数ぅ!」


元は涙目になりながら大爆笑。その笑い声で雷が寄ってきて大爆笑しだした。こいつら、笑いすぎだ。


「五月蝿ぇ!? お前らの点数はどうなんだよ! 見せろよ!」


俺はまず大我のテストを奪って開いた。


「72点……って、何でこんな良いんだよぉ!?」


「いや、今回そんな難しくなかったし……」


「うるせぇ!? 21点の俺にそれを言うかぁ!?」


くそぉ……こいつってこんな頭良かったっけ?

次は雷。こいつは頭良いのは知ってるから諦め半分に見る。


「89って……お前たちの頭どうなってんだよ……」


くそぉ……俺が悪すぎるのか?

しかし! 俺にはまだ元がいる! 元は毎日俺と一緒に寝ているから、そんなに良い訳がない。


「あと、元だけだな。元、点数見せてくれないんだよ。見せろよ。」


大我は爆笑している元にそう言うと、元は嫌そうな顔をしたが、渋々見せてくれた。

3人でパッとテスト開くと、俺達は唖然として。


「98点……」


嘘だろ? 何で元がこんな良い点数なんだよ!


「はぁ!? なんで元がこんな点数良いんだよ!?」


大我と雷が同時に叫んだ。

元はニコニコ笑いながら俺たちを見ている。この中で一番頭良いのが元って……なんか屈辱だ。


「なんでって言われてもなぁ~オレ数学好きだし、今回簡単だったからぁ~それに、オレ天才だしぃ~」


元はキリッとどや顔をして笑った。こいつ見た目に寄らずって奴かぁ?

それにしても……


「ムカつくんだよぉ!?」


俺と雷で元の首を腕で絞める。このクソチビに負けたのが一番悔しい!?


「ほら、そこの4人。暴れるな。斉藤もクラストップだからって、浮かれてるなよ。」


数学担当の先生が俺たちを見て笑いながら説教する。

待て待て……元がクラストップ?


「嘘だぁぁぁ!?」


俺と雷と大我は一斉に叫ぶ。元はまたしてもどや顔。このクソチビィ!?



****



「どう思います!?」


鷹虎が俺にそう言ってきた。

大我と椿は静かに着替えている中鷹虎はずっと叫んでおり、元はずっと大爆笑している。


「まぁ、元は昔から頭いいからなぁ~それくらいは当たり前ちゃう?」


森羅は胴着の紐を固く結びつけながら、カカカと笑った。

それにしても、元が数学98点か……確かにびっくりだな。


「煌希はどうやったんやぁ? 元に負けたんかぁ?」


「いや、数学は100だから。今回は得意な分野だったから、簡単だった。」


俺も数学は得意だし、今回は本当に簡単だったから……


「なんなんっすか……剣道部って、頭良い部活なんすか!?」


鷹虎が涙目で叫ぶ。まぁ、21点よりは良いな。


「そんなことないで!? 俺も数学は8点や!」


………はぁ?

8点? こいつ、本当に大丈夫なのか?


「森羅先輩! やっぱり先輩は仲間だと思ってましたよ!」


鷹虎と森羅が手を取り合い、ニコニコ笑っている。こいつらバカだ。

森羅が馬鹿なのは知ってたが、鷹虎がここまで馬鹿だったとはな……


「そんなことより、明日からプチ合宿だから防具を持って帰ってね。森羅はもう一回ご家族に確認とってね。」


葵は騒いでいる元達に向かって言う。明日から約4日間プチ合宿。1日目は掃除で後3日間は練習。

あと二週間で試合だ。ジャストタイミングだと思う。


「俺んちは大丈夫やでぇ~でも客間が二部屋しかないから、女子と男子と一部屋ずつな。」


森羅はそう言いながら靴下を履いた。森羅は“冷え性やねん”と言って待っている間は靴下を履いている。本来、剣道で練習中の靴下は御法度だが、森羅は何度言っても「稽古の時には脱ぐやん」と言って聞かない。


「あぁ、それで構わない。じゃぁ、練習に入るぞ。明日の用意の時間も確保するとなると、体操する時間はないから、各自でちゃんとしろよ。」


俺がそう指示すると皆はアキレスを伸ばしたり、屈伸をしたり各々身体を動かす。

よし、軽くだが体操は出来たな。


「じゃぁ、面着けるぞ。」


皆自分の面の前に座り、俺の号令を待つ。


「面つけ!」


俺が大きな声で号令をかけると、皆“はい!”と大きな声で返事をして面を付け始める。


一番面を付けるのが速いのは森羅だ。やはり、慣れている。一年はまだ付けるのに時間がかかる。だが、着実に速くなりつつある。


皆面を付け終わり、2人組になり向かい合って立つ。

お互いの用意が出来たら、相互同時に礼をし皆が揃うまで蹲踞をして待つ。

そして、皆が蹲踞をしたら立ち上がり構える。


「基本稽古、切り返し、始め!」


俺の号令で皆一斉に声を上げて打ち込む。



面を打ち込み、体当たりをして左右の面を交互に打つ。左右面を9本打ったら一度下がり面を打ち込む。これが切り返し。


剣道では基本中の基本。切り返しに始まり、切り返しで終わるのが練習の基本。



基本中の基本だが、なかなか足捌きと腕の動きが一致しない奴や、踏み込めない奴なんかがいるのが普通。

しかし、うちの一年は皆切り返しは難なくクリア。

足と腕も一致してるし気合いも十分。

今年の一年は優秀だ。



それから、面打ち、小手打ち、胴打ち、引き面、引き小手、引き胴などの練習をして最後に相係りをして基本練習は終わる。


一度面を外し、休憩。


「プハァ~疲れたぁ!」


椿は面を外すなりすぐに後ろに倒れる。

まぁ、こんなクソ重たい防具を着けて練習するのは疲れるだろうな。


「煌希先輩、次何するんですか?」


大我は俺に聞いてきた。

そうだなぁ~次は……


「係り稽古……でもするか?」


俺が少し笑ってそう言うと、一年生全員が決して声には出さないが、一斉にに嫌な顔をした。

だろうな……


「えぇ~煌希、それはないで……きつい! イヤや! やりたない!」


森羅はそう言って駄々をこねる。子供か!


「あぁ~分かった分かった。自稽古にするか。明日から合宿だしな。」


そう言うと森羅はわぁ~いと喜んで水を飲みに行った。

子供か!



その日、俺は森羅と稽古をして負けた。こいつに勝てないのは知ってるが……

無性に腹が立つ!


はい、十八回戦終わりました( ~っ~)/

今回は意外や意外、元は頭が良かった(」゜□゜)」


そこで次回からは合宿編に入るので、ここで成績暴露しちゃおう!



大我


国:58点

数:72点

英:51点

理:81点

社:60点

平均64点。完璧理系だね~



椿


国:90点

数:81点

英:89点

理:85点

社:92点

平均87点。うん。めっちゃいいやん!




国:80点

数:98点

英:82点

理:97点

社:81点

平均87点。なんと!椿と一緒かい!(」゜□゜)」



鷹虎


国:9点

数:21点

英:18点

理:32点

社:82点

平均32点。国語が壊滅的で社会が良いね……



風香


国:58点

数:42点

英:82点

理:51点

社:57点

平均58点。うん、平均ちょい上。



月明


国:81点

数:62点

英:71点

理:68点

社:82点

平均72点。文系タイプだね~




一年生はこんな感じ~

先輩のはまたいつか( ̄∀ ̄)



次回は森羅の家で合宿でごわす!

大掃除、厳しい稽古、美味しい食事。

そして、夜のトークタイム!


どんな会話が聞けるのか”(ノ><)ノ


お楽しみに♪



廃剣インタビューのネタ募集中です\(☆o☆)/

登場人物に聞きたいこと、作者に聞きたいこと、こんなのやってみて~、これのコラボやってなど、何でもOK♪



では、

Have a nice day!


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