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第81話 イーストランド ― 蓮たちの決戦前夜

イーストランド東部の軍営。

夜の帳が降り、篝火が赤々と燃え盛る中、兵たちの視線はただ一人の男へと注がれていた。

――蓮。

彼は陣頭に立ち、魔道士や戦士たちを前に冷静な声を響かせる。

「俺が前に出る。敵の主力は俺が抑える。こぼれた魔物や兵士たちは、各隊で確実に仕留めろ」

その声音は落ち着いていながらも、揺るぎない意志を帯びていた。

兵たちの緊張に満ちた表情に、確かな安堵が広がっていく。

蓮の作戦は単純にして大胆。

己の“チート級”とも言える戦闘能力を最大限に活かし、敵の中心を叩き、混乱を誘うこと。

超人的な速度、精密な魔力操作、そして圧倒的な破壊力――彼の一撃は、まさに戦局を覆す力を秘めていた。

(……ひかりをこの世界に連れてくると、俺は誓った。

 彼女にとって、この世界が“穏やかに生きられる場所”になるように、と)

静かに目を閉じ、胸の奥に刻まれた誓いを思い返す。

同時に脳裏に浮かぶのは、共に歩んできた仲間たちの姿。

グラン、セレナ、フェンリル、ナツ、こはる――。

(あれだけ共に特訓してきた。俺は誰よりも、彼らの力を知っている。だからこそ信じられる)

夜風が頬を撫でる。

雲が空を覆い、星の光は隠されていたが――蓮の心は揺るがない。

彼は剣を腰に下げ、静かに立ち上がる。

(必ず守り抜く。誰一人、欠けさせない――)

その決意と共に、蓮は歩を進めた。

迫り来る戦場へ、迷いなく。



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