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第48話 再会と旅立ち ―

◆半年後の再会

特訓を終え、半年ぶりにグランたちは再び顔を合わせた。

集落の広場に集まった仲間たちは、それぞれの鍛錬を経て、かつてよりも逞しい姿を見せている。

セレナは魔力制御を極め、ヴァンパイアクイーンとしての戦闘法を習得。姿は変わらずだった。

こはるは加護を持たぬまま剣聖の技術を吸収し、剣士として大きな飛躍を遂げていた。

フェンリルは召喚魔物との死闘を経て、四天王だった頃の力すら超える進化を遂げている。

ナツは母ユエから魔法と精神の扱いを学び、支援役としても、戦士としても自信を深めた。

そしてグラン自身もまた、黒龍の力を鍛え直し、竜族の古代魔法――輪廻転生魔法を手中に収めていた。

「……みんな、よくがんばったな」

仲間たちを誇らしげに見渡し、グランは言葉を続けた。

「これから一度、この地を離れて家に戻ろう。魔王国のためにできることもあるが、まだ世界を見て回る必要がある。

魔族たちがすぐに困らないよう、冒険者として稼いだ資金の一部を置いていく。足りない分は、また俺たちで稼げばいいさ」

仲間たちは異を唱えず、むしろ胸を張って頷いた。

この半年で得た経験と力が、これからの旅をさらに意義深いものにしてくれると信じていた。


◆魔族たちの見送り

一行を見送るために現れたのは、魔族の代表者たちだった。

ユエは柔らかく微笑み、ヴィレは無言で頷いてグランを見送る。

メイは目に涙を浮かべ、ミカは不器用に「達者でな」とだけ告げた。

そして最後に、白龍のシスが軽く手を挙げ、笑みを浮かべながら言った。

「また帰ってこいよ。……俺たちの“魔王”」

その言葉に、グランは静かに頷き返した。

こうして彼らは、半年の修行を終え、魔王国を後にする。

次なる舞台は、広大な世界と、まだ見ぬ未来。

歩み出した背中に、朝の陽光が力強く降り注いでいた。



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