表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/107

第105話 神聖の光 ― 終戦の奇跡

使い人を倒した――だが、それで戦いは終わらなかった。

場を埋め尽くす数万の軍勢は、逆に指揮官を失ったことで狂気に駆られ、獣のような咆哮を上げながら押し寄せてくる。

地面は震え、空は暗黒に染まり、もはや世界そのものが終焉を迎えようとしていた。

蓮もセレナも、ふらつきながら立ち上がったが、その身体に残された力はわずかだった。

グランは剣を握りしめ、決意を固める。

「……やはり使うしかないか」

その声に蓮が顔を上げ、青ざめた表情で問いかける。

「……“核魔法”を?」

グランは静かに頷いた。

「もう誰も戦えない。これで全てを終わらせるしかない」

核魔法――。

敵も味方も分け隔てなく焼き尽くす、禁断の究極魔法。

使えば仲間も死ぬ。だが、もはや選んでいる余裕はなかった。

蓮は苦悩の表情を浮かべながらも、やがて頷いた。

「……わかった。共に詠唱しよう」

二人は並び立ち、声を重ねる。

大地が震え、空気が歪み、破滅を呼ぶ詠唱が終わりに近づいたその時――


■天を貫く光

遠く、地平の彼方で。

突如として、天空を貫くほどの巨大な光の柱が立ち昇った。

「……っ!」

その場にいた全員が息を呑む。

圧倒的な神威――。

その魔力の正体を、誰よりも早く蓮は悟った。

「……ひかり」

世界を覆い尽くすほどの光。

それはただの魔法ではなかった。

魔物たちは、その光に触れた途端、悲鳴を上げる間もなく次々と消え去っていく。

人間の兵もまた、戦う気力を奪われ、膝をつき、武器を取り落とした。

剣聖の国も、四季連合国の兵も――その敗北を悟り、混乱のまま退いていく。

やがて戦場に訪れたのは、静寂と、神聖なる光のぬくもりだった。


■奇跡の中心で

皆が導かれるように、その中心――ひかりのもとへと集まった。

そこに立つ彼女は、穏やかな笑みを浮かべ、まるで神そのもののように輝いていた。

「……これが、失われた魔法の真髄」

誰かが震える声で呟いた。

神聖魔法。

聖女が扱う聖魔法が“神の力を借りる”魔法であるならば――

神聖魔法とは、神そのものの力を顕現させる魔法であった。

ひかりは振り返り、仲間たちに告げる。

「……これが、私がここに来た役目。これで――蓮を、そしてみんなを守れる」

その瞳には涙が光っていた。


こうして、長きにわたる最終戦争は、ついに幕を閉じたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ