第1話プロローグ
初めての投稿になります。
誤字、脱字一通り確認しましたが、あるかもしれません。話の内容も分からないところがあるかもしれませんが、最後まで読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
燃え盛る炎が玉座の間を赤く染めていた。
王城はすでに陥落寸前、瓦礫と血にまみれ、崩れ落ちようとしていた。
玉座の上に立つのは――魔王 グラディオン。
彼の前に立ちはだかるのは、選ばれし英雄たち。
剣聖、大賢者、そして人類最強と謳われた 勇者パーティー。
勇者を中心に、魔導士、聖者、タンク……それぞれが役割を担い、いずれも人間側の希望を背負っていた。
さらに異世界から召喚された転生者も加わり、圧倒的な戦力を誇っていた。
「……なぜ我らはここまで追い詰められねばならぬのだ。竜神漆黒龍が作った魔王国もここまでか」
グラディオンは嗤いながらも、どこか哀しげに呟いた。
かつて魔王国は、民を守るため必死に生きていた。
だが隣国は、魔族を憎み、百パーセントという常軌を逸した関税をかけた。
物資は枯渇し、飢餓が国を襲った。
選べる道は一つ――奪うか、滅びるか。
そうして魔王国は戦争を選んだ。
「民を生かすために戦った……それが罪というならば、我が身すべてで受けよう」
勇者パーティーが剣と魔法を構え、剣聖が殺気を放つ。
大賢者の詠唱が響き、転生者の魔力がうねる。
人類最強の力が一斉に襲い掛かった。
グラディオンは傷つき、血を流しながらもなお笑う。
「――だが、ここで終わらせはせぬ」
その瞬間、彼の周囲に巨大な魔法陣が展開された。
それは誰も知らぬ術――転生魔法。
「次の世で……必ずや、この世界を変えてみせる」
勇者パーティーの刃が振り下ろされる。
大賢者の魔法が炸裂する。
剣聖と転生者の力が重なった刹那――
爆発的な魔力が王城を呑み込んだ。
だが、その光の中で 大賢者だけは何かに気づいていた。
「……なるほど。魔王め……未来に賭けるか」
彼の瞳には、魔法陣に刻まれた転生の痕跡が映っていた。
「だが、記録には残さぬ。……この選択が、やがて何をもたらすのか――」
光が世界を覆い、魔王グラディオンの姿は消え去った。
彼が未来に残したのは、ただひとつ――
次なる時代に繋がる希望だった。