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漫才「校長と教頭」

作者: 沢山書世

笑ってもらえるとうれしいです。文化祭、学園祭、会社の余興などで使ってもらえたら、なおうれしいです。

 登場人物 二人

 校長(58歳、男) 穏やかな性格。あつかましい。

 教頭(55歳、男)  穏やかな性格。あつかましい。



「小さいころなりたかったものってなにかあった?」

「教頭先生だね」

「僕は校長先生だ。ちょっと体験してみようか」

「うん、いいね」


 〇校長室(午後)

 校長と教頭が、お茶を飲みながらくつろいでいる。


 校長「教頭先生、今年の修学旅行はどこに行くのかな?」

 教頭「校長、今年もついてくるつもりなんですか?」

 校長「うん、去年すごく楽しかったからね。ハワイはよかったなー」

 教頭「今年は海外には行けませんから」

 校長「え? なんで?」

 教頭「お金です。去年行ったハワイで、今年の積立金を使い込んじゃいましたから」

 校長「来年の積立金があるだろう」

 教頭「それは忘年会で使っちゃいました」

 校長「そうか、だったら国内で仕方ないな。京都あたりかな?」

 教頭「そこまで行く交通費が出せません」

 校長「そんなに金欠なのか。キセル乗車は校則で禁止だしなあ・・・」

 教頭「神奈川あたりまでがやっとですね。京都に行くならヒッチハイクで行くか、一日一食になります」

 校長「育ち盛りの生徒たちなんだ。四食か、せめて三食は食べさせてあげたいなあ」

 教頭「千葉、埼玉、神奈川だったら三食いけます」

 校長「住んでる生徒がいっぱいいるぞ。ガイドだらけの修学旅行になっちまう」

 教頭「意表をついて東京っていうのはどうです? 徒歩で回れば交通費はかかりませんから食事は贅沢できます」

 校長「四食いけちゃう?」

 教頭「ええ、大盛で」

 校長「東京にしよう。見どころは沢山あるし、いいんじゃないかな。ただ、私みたいな年寄りに徒歩での観光はきついなあ」

 教頭「自転車を許可しますよ」

 校長「おお、それは助かる。あと心配なのは、修学旅行先が地元っていうの、ありなのかなあ」

 教頭「もちろん。新しいじゃないですか」

 校長「説明に困るとなんでも、新しい、で済ます風潮はちょっと気になっているんだが」

 教頭「重宝する言葉なんですよ。なぜか説得力があるんでね」

 校長「たしかに。あと気になるのは宿泊料だな、都内は高いんじゃないか?」

 教頭「学校に寝泊りしますから、タダです」

 校長「まるで合宿だな。教育委員会の許可は得られるのか?」

 教頭「無理でしょうね。今年は中止にしたと報告しておきます」

 校長「頼むよ。来年は二回行くからと付け加えておいてくれ」

 教頭「わかりました」

 校長「あとは保護者と生徒だが、東京旅行で納得するかな?」

 教頭「ミステリーツアーだからといって、詳細は秘密にしておきましょう」

 校長「でも、当日バレちゃうんだよね」

 教頭「ええ。朝礼で校長の口から発表してもらいますので」

 校長「怒られそうだなあ。やっぱり、今年は欠席しようかな」

 教頭「大丈夫ですって。新しい、って言えばいいんです。なんでもありになりますから」


読んでくださり、ありがとうございました。

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