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パイパイ戦争

作者: 月地

 人類が、自由に胸の大きさを決められるクスリを手にした近未来。当初は、貧乳は絶滅し、世界は巨乳に覆われると、誰しもが夢想した。だが、自由に胸の大きさを決めれる世界になっても、なお、貧乳を選択する女性が存在し、それを支持する男達がいた。

 彼らの組織をライン・パイと呼ぶ。

 ライン・パイは、世界を巨乳で支配しようとする巨乳派組織パイパイの野望を阻止すべく、女子プロレスで彼らに挑む。

 その他に、自由派セブンパイ、Dカップ至上主義のDパイ、美乳派楽天パイ、微乳派メルパイが参戦を表明。人々はこれをパイパイ戦争と呼んだ。

 この物語は、理想のオッパイのために戦う、女性レスラー達の戦いの記録である。

 人類が、自由に胸の大きさを決められるクスリを手にして、数十年。当初は、貧乳は絶滅し、世界は巨乳に覆われると、誰しもが夢想した。だが、自由に胸の大きさを決めれる世界になっても、なお、貧乳を選択する女性が存在し、それを支持する男達がいた。

 彼らの組織をライン・パイと呼ぶ。

 ライン・パイ総帥、平一徹は言う。

「貧乳こそ至高! 巨乳なぞただの脂肪の塊に過ぎない!」

 しかし、彼らの組織はマイノリティーに過ぎなかった。世界は巨乳派が支配していたのだ。

 最大巨乳派組織パイパイ、その総本部に幹部用のドローンが向かっていた。

 出迎えの男達は二千人に及ぶ。その全てが禿頭半裸の筋骨隆々とした男達だった。いや、正確には半裸とは言えないかもしれない。なぜなら、ちゃんと頭にはネクタイを締めているからだ。揃いのネクタイには、「巨乳こそ正義」と刺繍が施されていた。

 二千人の男達が、頭のネクタイを振り回しながら叫ぶ。

「パーイ・パイ、パーイ・パイ。」

「パーイ・パイ、パーイ・パイ。」

 男達の熱気と夏の熱気が混ざり合い、汗と唾が微粒子となって渦を舞い、すえた臭いと加齢臭が立ち込める、まるで地獄のような場所に、一人のスーツ姿の女性が立っていた。彼女はパイパイ総帥秘書、秋山律子、周りの男達を冷ややかな目で眺めていた。

 (あそこにいるのは、人事部長の山本、それに事業部長の金沢。みんな普段は真面目でおとなしいのに、気でも狂ってしまったのかしら。いえ、それより、みんなズラだったの? 総帥がハゲだから、みんな総帥に敬意を表して頭を剃っているとは聞いていたけれど、冗談じゃなく、本当だったなんて。それにしても、臭い。鼻の奥にツンとくる。スーツに臭いが染み込んだら、どうしよう。もう、この仕事、辞めたい)

 秋山の伊達メガネが、男達の湿気に曇る。秋山は舌打ちすると、それを胸ポケットにしまった。そこに救世主のように白い白鳥のようなドローンが上空に現れ、瘴気を断ち払うかのように着陸した。

 男達の歓呼を受けながら、一人の男がドローンから降り立った。少し髪が薄く、体は肥満気味だったが、王者のオーラがあった。彼こそ、パイパイ総帥、ジャステス・グランドチャイルド、その人であった。

 ジャステスが右手を上げると、人々のシュプレヒコールが一斉に止んだ。

 ジャステスが叫ぶ。

「巨乳こそぉ!」

 男たちが答える。

「ジャステース(正義)!」

 ジャステスが問いかける。

「貧乳はぁ?」

 男たちが答える。

「死すべーし!」

 うおおおおお、という男達の雄叫びが、辺りを揺るがす。ジャスティスが再び右手を上げると、歓声はピタリと止んだ。

「我々が、人類が胸の大きさを自由に決められる薬、カノーシスターを発売して、早十年。当初、私は、貧乳を簡単に根絶できると思っていた。だが、しかし、いまだに貧乳を選び、それを支持する男達がいる。なぜだ!」

 ジャスティスの演説は、世界に生中継されていた。それを場末のバーで見ていた平は、こうつぶやいたという。

「坊やだからさ。だから、貧乳の素晴らしさに気付かないのだ。」

「その通りです。」

 黒ずくめの上にサングラスまでかけた男が、平の横に座って、そう答えた。

「巨乳派の奴らは、お腹のすいたベビちゃんのようなもの。ただ、ただ、大きなオッパイにむしゃぶりつくことしか考えていない。嘆かわしいことです。」

 二人は同時に胸に手を当て、それをストンと落とした。

「貧乳こそ」

「至高」

 平は、ふっと笑うと、右手を差し出した。

「アベベ配下の者だな。」

 黒ずくめの男は、驚きながらもその手を取った。

「なぜ、お分かりに?」

「臭い、かな。だが、あなたがここに来たということは、面白いものが見えそうだ。」

 モニター上で、ジャスティスの演説が続く。

「巨乳を選べれるにもかかわらず、貧乳を選ぶのは、もはや神に対する冒涜であり、絶対に許してはいけない愚行である。我々は、優れたおっぱいこそが男を支配するにふさわしいという優性おっぱい生存説に基づき、女性巨乳化義務法を本国会に提出した。本法案可決の暁こそ、巨乳だけの世界の到来である。今こそ、たてよ、国民」

 ジャスティスが聴衆に向かって両手を広げると、男達の割れんばりの歓声が響いた。

「ジャスティース」

「巨乳派に栄光あれ」

 歓声に手を振って応えるジャスティス。そこに小走りに秘書の秋山が近づいた。

「総帥、大変です。国会で、女性巨乳化義務法より先にマイノリティ保護法が可決されました。」

「何ィ! マイノリティ保護法が!」

 驚くジャスティス。しかし、すぐに素に戻ると、真顔でこう聞いた。

「マイノリティ保護法って、何?」

 ガクッと項垂れる秘書。しかし、すぐに気を取り直して答える。

「文字通り、マイノリティを保護する法律です。これによって、女性巨乳化義務法は、マイノリティ、つまり貧乳派の出す条件をクリアしないと廃案になります。」

「なんですってぇ!」

 にわかに騒然とする会場。ジャスティスが手を挙げて、それを鎮めると、秘書に尋ねた。

「貧乳派の出す条件とは?」

「おそらく、いえ間違いなく女子プロレスです。貧乳派の女子プロレスラーに勝利しなければ、法案を成立させないという条件を出すはずです。なぜなら、貧乳派には、霊長類最強という吉田しおりがいるからです」

 再び騒めく会場。ジャスティスは、今度はそれを鎮める余裕もなかった。ジャスティスの脳裏には、アベベ首相がよくやる胸を垂直に撫でる仕草が浮かんだ。

(まさか、あいつも貧乳派だったのか。言われてみれば、アベベ夫人も、どちらかと言えば貧乳!)

「謀ったな! アベベ!」

「大丈夫です。総帥。私が出ます」

「えっ?」

「私が女子プロレスに出て、吉田しおりを倒します」

(えっ? 何言ってるの、この子。相手は霊長類最強だよ。格闘経験も無い秘書が叶うなけ無いじゃん。それに、秘書というより秘所だし。だけど・・・、胸は大きい)

「分かった。頼もう」

「はい!」

 ウオオオという大歓声が辺りを震わした。ジャスティスは、この時の会話を後になって後悔するのだった。

 後日、貧乳派ライン・パイは、女性巨乳化義務法は、マイノリティ保護法に基づき、この法案の修正と可否を、女子プロレストーナメントの優勝者のみが行えるものとする、と発表した。

 直ちに、巨乳派パイパイ、自由派セブンパイ、Dカップ至上主義のDパイ、美乳派楽天パイ、微乳派メルパイがトーナメントの参加を表明した。人々は、これをパイパイ戦争と呼んだ。

 マイノリティである程、シードされるべきというルールから、トーナメント表は下記のようなものになった。

 ーー ライン・パイ

  |ーーメルパイ

   |ーー楽天パイ

    |ーーDパイ

     |ーーセブンパイ

      |ーパイパイ

 女性巨乳化義務法は、風前の灯、パイパイの野望もこれまでかと思われた。パイパイ総帥ジャスティスは、ラインパイに対して公開討論を申し込んだ。貧乳派のlineパイはこれを承諾。会議はライン・パイ事務局で行われ、そこに各会派の代表とレスラーが集った。

 まず、ジャスティスからトーナメント表に対して異議申し立てが行われた。

「いくらマイノリティを優遇するからといって、一度勝利さえすれば優勝とは、シードにも程度があるのではないか」

 ライン・パイ総帥平は余裕の表情でこれを受けた。

「ジャスティスさん、トーナメント表は法律に基づいて組まれたものだ。異議申し立ては受けつられない」

「ならば・・・、ルールの変更を申し入れる。この度の大会は、オッパイの、オッパイによる、オッパイのための大会だ。オッパイへの攻撃は反則負けにして頂きたい」

(なんじゃ、それ、意味分からん。意味分からんが・・・)

 平は、隣に座る、霊長類最強レスラーしおりを、ちらりと見た。しおりは、王者然と腕組みをしたまま、コクリと頷いた。

「いいだろう。その申し出、受けよう」

「それと、もう一つ」

「まだ、あるのか」

「これが一番重要なことだ。試合は、タッグ戦にしてもらいたい」

 平は、ぷっと笑った。他の参加者も笑いを噛み殺している。ジャスティスは、自分の格闘経験も無い秘書を、その場の勢いで選手に任命し、それを全世界に向けて発信してしまった。彼の秘書では試合にならないのは明らか。タッグ戦にして、もう一人で勝負をかけるつもりだろう。だが、そこまで敵失に付きあう義理は無い。

「ジャスティス、かわいそうだが、さすがにそこまではーー」

「私は構わない」

 平の発言を遮って、しおりが答えた。

「私は誰の挑戦でも受ける。だが、ジャスティスさんの秘書相手では試合にもならない。だたの弱い者いじめだ。選手の変更か、タッグ戦にしてもらえると、私も助かる」

「なんですってぇ」

 ジャスティスの秘書は激怒のあまり、ヒステリーを起こしたが、会場からは明らかに笑いの声が漏れた。ジャスティスは、必死に秘書のヒステリーを抑えようとしている。もはや、どっちが雇い主か分からない。

(敵ながら、見るに忍びん。しおりもいいと言っているし)

「分かった。その件も承諾しよう」

 ジャスティスが気色満面の笑顔で振り向いた。

「本当か」

「本当だ」

「絶対だな」

「絶対だ」

 ジャスティスはひとしきり哄笑すると、「勝った」と断じた。

「戦う前から、何を言っているんだ、お前は」

「ふふふ、私は提携関係にある中国のアリパイから、強力な助っ人レスラーを、すでにこの場に呼んでいるのだ。中国四千年の技の前に、恐れ慄くがいい。さあ、どうぞ、リン選手」

 誰も、出てこない。

「さあ、どうぞ、リン選手」

 静まりかえっている。恐る恐る秘書がジャスティスに話しかける。

「あの、総帥、言おう、言おうと思っていたのですが、リン選手はコロナウィルスの検疫に引っかかって、ホテルに2週間隔離されることになっています」

「なんですってぇ」

 平が書類を整え、帰り支度をしながら、呟くように言った。

「試合は丁度2週間後だ。間に合うといいな。ジャスティス」

 ジャスティスが、帰ろうとする平に縋りながら言った。

「試合日時の延期を、延期を」

「それはできない。TV放映権等、大人の事情がある。それくらいわかるだろう。また別のレスラーを探せばいい」

 すがるジャスティスを振り払うと、平は会場を後にした。がくりと項垂れるジャスティスに秘書が駆け寄る。

「大丈夫です。総帥。私一人でも戦います」

(えっ? 何言ってるの、この子。相手はプロのレスラーだよ。格闘経験も無い秘書が叶うわけ無いじゃん。それに、秘書というより秘所だし。だけど・・・、胸は大きい)

「分かった。頼んだぞ」

「はい!」

 平は、ジャスティスの痴態を尻目に歩を進めた。

(ジャスティス・・・、目先の巨乳に目を奪われ、判断を誤るとは、我がライバルながら、情けない奴・・・)

「もはや、我々の勝利は確実だな、しおり」

 平が、そう話しかけると、隣を歩くしおりが立ち止まった。

「そうとは限らない」

 平も、立ち止まると、しおりの視線の先を追った。そこにはセブンパイのレスラー、ジョッキー伊藤が待っていた。

「霊長類最強と言われる吉田しおり、あんたを待っていた」

 ジョッキー伊藤がゆっくりとしおりに近づく。そのただならぬ殺気に、平は思わず後ずさった。ジョッキーはしおりの間合いギリギリで立ち止まると、ズボンからサイン帳とサインペンを取り出した。

「サイン、して頂けないだろうか」

「喜んで」

 しおりがサインすると、ジョッキー伊藤は嬉しそうにそれをしまった。そして、不意に真剣な顔になると、しおりに尋ねた。

「もし、あんたが優勝したら、全世界の女性は貧乳になるのかい」

 しおりは、ふっと笑ってそれに答えた。

「それは無い。私は全世界の女性を巨乳にするという馬鹿な男に鉄槌を喰らわすために、ここにいるだけだ。女性は、自身の胸のサイズは、自身が自由に決めるべきだ」

 平も、頷いて、それを肯定した。

「その通りだ。私は貧乳というカテゴリーが守られればそれでいいだけで、それを全女性に強制するつもりはない」

 ジョッキー伊藤は、ニコリと笑うといった。

「それを聞いて安心したよ。試合ではオッパイなんて邪魔なだけだけど、プライベートでは必要だったりするから、TPOによってオッパイのサイズを変えているんだ。おかげで七つのオッパイを持つ女、セブンパイなんて呼ばれているけど。純粋に試合を楽しめそうで、良かったよ」

「私は、決勝の相手はあなただと思っている」

 しおりが右手を差し出すと、ジャッキー伊藤がそれを握った。

「嬉しいことを言ってくれるねえ。そうなるように頑張るよ」

 ジャッキー伊藤が手を振ってその場を去ると、平がしおりに尋ねた。

「正直な話、女子プロレスラーなんて、君の敵じゃあないだろ」

「そうとも限らない」

「君はレスリングの世界選手権7連覇中で、向こうは台本のあるショープロレスのレスラーだ」

「例えショーであっても、台本があっても、あれだけの試合をするには強さが必要なんだ。まあ、平さんには分からないだろうけど」

「分からないな。それより、ジャスティスの言っていた中国の助っ人が気になる」

「私のことを、世界選手権7連覇中と言っただろう。世界には、中国も含まれる」

「確かに」

 二人は、にっと笑い合うと、会場を後にした。

 2週間後、後楽園ホールで巨乳義務化法案審議トーナメントが開催された。一回戦は、パイパイ対セブンパイ。しかし、まだパイパイの中国人助っ人の姿はなかった。焦るジャスティス。

「なぜ来ない。二度目のPCR検査は陰性だったのだろう」

 それに応える秘書の姿は、いつものスーツ姿ではなく、伊達メガネを外した、プロレス用の派手なコスチュームだ。

「手続きに手間取っているようです。ですが、ご安心ください。私、一人でも戦えます」

(えっ? 何言ってるの、この子。相手はプロのレスラーだよ。(中略)だけど・・・、胸は大きい)

「よし、頼んだぞ」

「はい」

 リング上では、すでにセブンパイのジャッキー伊藤が待っていた。ニヤニヤしながら、秘書に言う。

「そんな脂肪だけの体で、あたしに勝つつもりなのかい」

「もちろん」

 秘書はリングに上がろうとするが、彼女にとって、それだけで一仕事だ。それを見てジャッキー伊藤は、ため息をついた。

「あたしも舐められたもんだねぇ。いいだろう。1分だ。1分で試合が決まらなければ、あたしの負けでいいよ」

「ふざけないで、あんたなんか三分よ。三分でノックアウトしてやるわ」

「いや、あたしの1分で倒すと言う宣言より、逆に時間が伸びているんですけど」

「重要なのは時間の長さじゃないわよ。結果よ」

「それには激しく同意するねぇ」

 簡単にジャッキー伊藤の挑発にのる秘書。頭に血が上って、ジャスティスの「時間を稼いで、リンの到着を待とう」という指示が聞こえない。レフェリーに向かって叫ぶ。

「レフェリー! ゴングを鳴らして!」

 レフェリーの合図でゴングが鳴った。青ざめるジャスティス。その時、会場にいる観客、TV中継を見ている視聴者、すべてが信じられないものを見た。

 なんと、ゴロンとリング中央で横になったのだ。まるでアリ戦の猪木のように。

「さあ、かかってきなさい」

 ジャッキー伊藤にむかって、手でおいでおいでをする。ジャッキー伊藤は、笑った。

「なんだよ、それ、立ち技主体の相手にやる戦法だろう。生憎、私は寝技が得意だ」

 ジャッキー伊藤も応じ、秘書に飛びかかった。再び、観客は信じられないものを見た。とてつもないスピードで、秘書がジャッキー伊藤の胴体を両足で挟むと、自分の胸をジャッキー伊藤の顔を自分の胸に埋めたのだ。

 リングアナウンサーが、解説者に尋ねる。

「あれは一体何という技でしょう」

「あれは、だいしゅきホールドですな」

「えっ、それって、AVの技では?」

「はい、そうです。うらやましいですね。一度、かけてもらいたいです」

「ジャスティスさんはかけられているのでしょうか」

「おそらく」

 ジャスティスが激怒してリングアナウンサーに向かって叫ぶ。

「憶測で勝手なことを言うな! 訴えるぞ!」

 ジャッキー伊藤は、秘書のオッパイをつかんで、顔から外そうとするが、レフェリーのオッパイへの攻撃は反則という警告が出て、外すことができない。

(息が・・・、できない)

「言ったでしょう、3分で倒すって」

 勝ち誇る秘書。リングサイド席の平は驚愕した。

「まさか、このことを計画して、オッパイへの攻撃は無効というルールを追加したのか」

 ニヤリと笑うジャスティス。

「すべて計算通り」

 しかし、実は何も考えていなかった。彼は運の良さだけで一大組織の総帥に上り詰めた男だった。

 2分を超えた所で、レフェリーストップが入った。リングアナウンサーの声が響く。

「何と、勝者はパイパイの総帥秘書、秋山律子選手! ジャッキー伊藤を2分でノックアウト!」

 勝ち誇る秘書。

「何よ、3分も持たなかったじゃない」

 どよめく会場。

「セブンパイが・・・」

「セブンパイが・・・」

「セブンパイが瞬殺!」

 セブンパイ瞬殺のニュースは、驚きを持って世界中に駆け回り、試合への注目を更に増す結果となった。これが後に不幸を呼ぶ。

 平は、衝撃を持って、リングを見つめていた。

「まさか、セブンパイが瞬殺とは」

 しかし、傍のしおりは平然としていた。

「問題ない」

「しかし、君が強さを認めていたセブンパイが瞬殺されたんだぞ」

「確かに初見殺しだった。だが、それだけだ。一度、見てしまえば、何てことはない、絞め技もどきに過ぎない。予言しよう。彼女は2回戦のDパイのレスラーに負ける」

 続けて、2回戦が行われようとしていた。Dパイのレスラー、天海はるなが不敵な笑みを浮かべて、リングに上がる。ジャスティスが、リング上の秘書に声をかける。

「アリパイのリン選手がドローンでこちらに向かっている途中らしい。できるだけ時間を稼ぐんだ」

「総帥、私一人でも、大丈夫です。ベッドの上で特訓したあの技で、軽く連勝して見せます」

 どよめく会場。焦るジャスティス。

「ええ! 何、大声で言っちゃてるのぉ」

 リングアナウンサーが会場の声を代弁する。

「やはり、ジャスティスさんは、あの技を夜な夜な受けていたようですね。いかが思われます。解説の東堂さん」

「けしからんですね。私もかけてもらいたいものです」

 どよめく会場を鎮めるように、天海が人差し指を天に差して宣言する。

「1分だ。1分で、この素人をノックアウトする」

「プロレスラーというのは学習能力の無い方達ばかりなのですか。私は、3分です。3分であなたを倒します」

 天海が嘲るように笑う。

「だから、何で相手より長い時間でKO宣言するよ」

「窒息するには、それなりの時間が必要だからです。それも分からない無能なら、私がそのやかましい口を閉じて見せます。レフェリー、ゴングを」

 秘書は、相手の挑発に簡単に乗り、ゴングを要求する。ジャスティスは、ますます慌てる。

「いや、だから、時間を稼いでって、言っているのにぃ」

「心配ご無用です。総帥」

 ゴングと同時に秘書はリング中央に向かう。しかし、今回は、秘書より先に天海が横になった。

 天海が余裕の表情で挑発する。

「どうした、先に横になられると、あんたは技をかけられないのかい」

「そんな訳ないでしょう」

 飛びかかる秘書。天海は秘書の胴体を両足で挟むと、自分のオッパイに秘書の顔を埋めさせた。

 リングアナウンサーの絶叫が響く。

「おおっと、今度は天海選手だ。天海選手がだいしゅきホールドを仕掛けた。いかがですか、解説の東堂さん」

「はい、私もかけられたいです」

 天海は、窒息状態の秘書に、悪魔のようにささやく。

「あんたにできることが、私にはできないとでも思っていたのかい? お馬鹿さんだねぇ。苦しいかい? 苦しそうだねぇ。ギブアップしてもいいんだよ」

 意識が朦朧としてきた秘書の耳に、ジャスティスの叫び声が届いた。

「リン選手が到着した。手を伸ばせ。タッチだ。タッチして交代するんだ」

(でも、ここはリング中央。手を伸ばしても、届かない・・・)

 それでも秘書は右手を伸ばした。すると右手に温かいものを感じた。レフェリーがタッチを認め、天海に技を解くよう指示する。驚愕する天海。秘書も自分の手が触れたものを見て驚く。

(これは・・・、オッパイ?)

 それは、コーナーポストの上にたった女性から伸びたオッパイだった。巨乳というより、長乳というべきオッパイだった。

 アナウンサーが叫ぶ。

「何という長いオッパイでしょう。こんなオッパイがあり得るのでしょうか。解説の東堂さん」

「セブンパイのジャスティス伊藤はTPOによって、オッパイのサイズを変えていますが、それには時間がかかります。対して、リン選手は瞬時にそれができます。その伸縮自在のオッパイは、オッパイの鞭、オッパイ・ウィップと呼ばれ、一部のものに崇められています」

「一部のものというと?」

「私も実はその一人です。鞭で叩かれるだけでも、ご褒美なのに、それがオッパイなんて、こんな夢のような話があるでしょうか。ああ、私も一度、叩かれたい」

 リン選手がリングに入り、秘書はリングアウトした。秘書が涙を流しながら、ジャスティスに謝罪する。

「すみません、総帥。私は・・・、私より、胸の小さい者に負けてしまいました・・・」

 ジャスティスも、涙を流しながら、それに答える。

「いいんだ、君は、十分にやってくれた。おかげでリン選手も間に合った。君は、もう試合に出なくていい・・・」

「でも、タッグ戦なので、レスラーは二人必要では?」

「大丈夫、君が時間を稼いでくれている間に、もう一人も用意した。君は、もう戦わなくていいんだ」

「それは一体ーー」

 秘書の問いかけは、会場の歓声に打ち消された。リン選手が、オッパイ・ウィップを使用したのだ。

 腕組みをして、不敵に笑うリン選手。その腕組みの上のオッパイが、鞭のように宙を待っていた。

「化け物め!」

 オッパイ・ウィップの射程の外に逃れる天海だが、次第にコーナーポストに追い詰められていく。

(このままでは、オッパイ・ウィップの餌食だ。懐に入りこんで、普通のプロレス技で勝負するしかない)

 懐に飛び込もうとする天海だが、背後に回ったオッパイ・ウィップに首を締められてしまう。

(本当に、化け物かよ)

 首に巻き付いたオッパイ・ウィップを力ずくで引き剥がそうとする天海。その時、リン選手が大袈裟に痛がる。それを見たレフェリーが、天海の行為を反則とみなし、カウントを始める。

(オッパイへの攻撃は反則、しかし、オッパイによる攻撃は許される。このまま、首を締められろと。5カウント以内にオッパイを振り解くしかない)

 レフェリーのカウントの中、オッパイを振りほどこうとする天海だが、振り解けない。カウント4で思わず手を離した天海だが、意識が朦朧としてくる。思わず膝をついたところで、レフェリーストップが入った。

 アナウンサーの絶叫が響く。

「天海選手ノックアウト。ペイペイ2連勝です。解説の東堂さん、リン選手の勝因は何でしょう」

「ズバリ、ルール改正ですね。オッパイへの攻撃は反則なんて、何の意味があるのかと思っていましたが、こういう事だったのですね。これはジャスティスさんの作戦勝ちでしょう」

 ほくそ笑むジャスティス。

「全て計算通り」

 しかし、本当は何も考えてなかった。ただ偶然ルール改正が有利に働いただけだった。ジャスティスは運の良さだけで総帥まで上り詰めた男だった。

 平も、ジャスティスの計算の深さに衝撃を受けていた。

「ジャスティス、恐ろしい男」

 傍のしおりを見て更に衝撃を受けた。人類最強と言われたしおりが震えているのだ。

「平さん、あれは・・・、本当に人間?」

(しおりが震えている。まるで普通の女の子のように。それだけリン選手が規格外という事か)

 平は、ここで最後のカードを切る決意をした。

 3回戦の楽天パイ戦、4回戦のメルパイ戦は、ともにパイパイの不戦勝となった。リン選手のオッパイ・ウィップに恐怖した楽天パイ、メルパイの選手が試合会場から逃げたのだった。

 そして、決勝戦、パイパイ対ラインパイ戦。まだ震えるしおりの頭を、平は優しく撫でた。

「大丈夫だ。しおり、ヤツは私が倒す」

 平は、そう言ってリン選手の待つリングに向った。ネクタイを取り外し、シャツを脱ぐと、そこに寅じま模様のブラが現れた。騒めく会場。最後にズボンを脱ぐと、平は虎じま模様のビキニ姿になって、こう叫んだ。

「チェンジ・ジェンダー!」

 その後、もたつきながら、不格好にリングに上がると、マイクを手にし、リン選手に宣戦布告した。

「リン選手、私が相手だ」

 騒めく会場を、アナウンサーの声が上書きする。

「何という事でしょう。ラインパイ代表の平さんがリングに上がったーー! 解説の東堂さん、これはどういう事でしょう」

「いや、これはあくまで女子プロレスですから、彼がリングに上がる事こそ、反則行為となります。これはラインパイ側の事実上の敗北宣言ではないでしょうか」

「レフェリー、怒り気味に平さんに詰め寄ります。詰め寄られた平さんは、レフェリーを避けつように、コーナーポストによじのぼります。あーー、何と、レフェリーの眼前でパンツを下ろしました。レフェリー、強烈なダメージを受けたようにくず折れます。解説の東堂さん、こちらからは見えませんでしたが、一体、何をレフェリーは見せられたのでしょう」

「何をって? そりゃあナニを見たんじゃないでしょうか」

「お客さんの中には、吐いている人もいるようです。しかし、さすがレフェリー、吐き気を我慢してますね。神聖なリングを汚さないように。立派です」

 再び、マイクを手にした平が叫ぶ。

「私は、すでに、チェンジ・ジェンダー済みだ! それはレフェリーが証明してくれる! そうだなレフェリー」

 気分の悪そうなレフェリーが何も答えないでいると、平がもう一度パンツを下ろそうとする。慌ててレフェリーが叫んだ。

「平選手が性転換済みなのを確認しました。平選手の参戦を認めます」

 どよめく会場の中、一人リン選手だけが、冷静に薄笑いを浮かべていた。

「格闘経験の無い元男がリングに上がっても、私の敵では無い。すぐに勝負を付ける。レフェリー、ゴングを!」

 ゴングと同時にオッパイ・ウィップが平目がけて飛んだ。平はなすすべもなく、オッパイ・ウィップに首を締められてします。

「万事休すか、平選手、オッパイ・ウィップに手をかけます。力づくで外そうというのでしょうか。しかし、レフェリー、反則を取りませんね。どうしてでしょう。解説の東堂さん」

「それは、あれがオッパイへの攻撃ではなく、愛撫だからです。よく見てください。オッパイを掴んでいるのではなく、揉んでいます」

「そうですね、よく見ると、舐めてもいますね」

「うらやましい限りです」

「ああっと、リン選手、たまらずオッパイ・ウィップを元の大きさに戻した」

「ご褒美を与えているようなものですからね。当然でしょう」

 リン選手は、元に戻ったオッパイを両手で庇うようにすると、赤面して叫んだ。

「何なんだーー、お前は!」

 平は、ゆらりとリン選手に近づくと、こう叫んだ。

「もっと揉ませろーー! もっと舐めさせろーー! レロレロレローっと」

「へ、変態だーー!」

 当初の目的を忘れたかのように、実際に忘れているが、平は血眼になってリンを追いかけた。変態が心底苦手なリンは、ただ逃げるだけだった。観客達は呆然とそれを見ていた。

(女子プロレスを見に来たはずだったのに、俺は一体何を見ているんだ・・・)

 そこにジャスティスの凛とした声が響いた。

「リン、タッチだ」

 リンとタッチをすると、ジャスティスはリングポストによじ登った。そして、背広を脱ぎ捨てると、こう叫んだ。

「せーい、てん、かん!」

 そこには、貝殻ビキニ姿のジャスティスがあった。

「私の覚悟を見るがいい!」

 ジャスティスが自分のパンツをずり下ろした。今度は角度がよく、レフェリーと解説者もそれを見た。

「げええ! 何でしょう、この吐き気は。美女についていれば、あんなに舐めたいと思う物なのに、この吐き気は一体何なのでしょう、解説の東堂さん」

「げええ! 汚いおっさんに付いていれば、そりゃあ気持ち悪いですよ。これ放送できているんですかね」

「何とか直前にしばらくお待ちください画面にできたようです」

「それは、ディレクター、有能ですね」

 いつの間にか、平も対面のコーナーポストによじ登っていた。見つめ合う二人。世界広しと言えど、オッパイのために自分のアレを切断できるのは、この二人しかいないであろう。二人は、巨乳派と貧乳派という敵同士だったが、ある種のシンパシーも感じていた。

(もし、ヤツが巨乳派(貧乳派)だったなら、良い酒が飲めただろうに・・・、だが、奴は貧乳派(巨乳派)!)

 二人は手の平を見ると、グッと握って、こう言った。

「所詮、血塗られた道か・・・」

 アナウンサーが解説者に問いかける。

「所詮、血塗られた道とは、どういう事でしょう、東堂さん」

「アレを切断した時の出血の事でしょう。恐れくグッと握った手の隙間は、ありし日のアレの姿の追憶です」

「となると、ジャステスさんの手の隙間はあまりありませんね。短小という事ですか」

「おそらく」

 激怒したジャスティスがコーナーポストの上から叫ぶ。

「憶測で適当な事を言うな! 後で訴えるぞ!」

 平が、落ち着いた声でジャスティスを諫めた。

「ジャスティス、外野の声など気にするな! リング上には俺達だけ。長年の闘争に、俺達の手で、オスメスを決する時が来たのだ!」

「・・・オスメス? 雌雄では? まあ、ここにはメスしかいないけど。雌雌を決すじゃあ、おかしいし・・・」

「細かい事を気にするな、だからハゲるんだ」

「私はハゲてなどいない。額より前進しているだけだ」

「そんな、理屈はいい。これを見ろ」

 平はパンツから取り出したソレを宙にかざした。

「お前も持っているはずだ。これを」

 どよめく会場。アナウンサーが解説者に問いかける。

「東堂さん、あれは、まさか、まさかーー」

「そうです。あれは、まさにあれです。平氏は自分の切り取ったアレを剥製にして残しておいたのです。何と言う未練、未練な男でしょうか!」

 ジャスティスはニヤリと笑うと、同じようにパンツからソレを取り出して宙にかざした。

「もちろんだ!」

 うわああと、更にどよめく観客。正視に耐えず吐きだす観客も出た。それも眼中に入らず、平は、この世に二人しかいないように、ジャスティスに話しかけた。

「お前にチンコ・デスマッチを申し込む。先にコレを相手のケツに刺した者の勝ち。どうだ」

「よかろう」

 レフェリーの怒声が響いた。

「良いわけなかろう!」

 レフェリーは、二人にそれをしまわせると、リング中央に二人を呼んで注意した。レフェリーから小学生のように怒られる40代の元男二人。その姿は、さすがに哀愁を誘った。

「二人とも、いい年をした大人なんだから、テレビ放送の事も、スポンサーの事も分かりますよね。いいですね。ちゃんとプロレスをやる事。分かりましたか。返事は!」

 二人が「はい」と大人しく返事をすると、レフェリーは試合を再開させた。だが、それは試合と呼べたものではなかった。何しろ、二人ともズブの素人、相手の背中をリングにつけようと、ゴロゴロ、ゴロゴロ揉み合いながらリングの上を回転しているだけだった。まさに、小学生の喧嘩。呆れ返る場内。平は、その空気を敏感に察した。

「ジャスティス、このままでは埒が開かない。先ほどは怒られたが、やはり俺達にはチンコ・デスマッチしか無い!」

「私も、そう思っていたところだ」

「やるか」

「やろう」

 それは全くの不意打ちだった。二人はシックス・ナインの体勢になると、お互いのパンツをずり下ろし、それを互いのケツに突き刺したのだ。

 突然の、そのおぞましい光景は、映像を切り替える間もなく、世界中に放送されてしまった。

 全世界が、吐いた。

 人々は、自分の吐瀉物に窒息し、死んだ。生き残ったのは、その光景のおぞましさを理解できない赤ん坊と酔っ払いだけだった。だが、赤ん坊と酔っ払いだけが生き残って、それでどうなると言うのだろうか。間も無くして、人類は滅亡した。人々の吐瀉物が、雨に流され、海に届き、その有機物から、また新たな人類が生まれるまで、また気が遠くなる時間を要した。

 そして、西暦2030年。歴史は繰り返すように、巨乳派組織パイパイと貧乳派組織ライン・パイの長きに渡る対立は、女子プロレスによって決着を付ける事となった。

 試合会場に向かう、ライン・パイの平としおり。しおりは何か浮かない顔をしていた。

「どうした、しおり、浮かない顔をして」

「何だか、昔、これと同じ事があったような気がして・・・」

「デジャブか、俺もだよ。二人が同じデジャブを持つなんて、これは吉兆だよ。俺達が、きっと勝つ」

「だと、いいけど・・・」

 爆音が空に響き、二人が見上げた視線の先に、金色のドローンが浮かんでいた。見間違えの無い派手なドローンは、巨乳派パイパイ総帥ジャスティスが所有するドローンだった。これから試合会場のヘリポートに着陸するのだろう。

「なあ、しおり、あのドローンを落とせるか?」

「は? 何言ってんですか」

「だよね、冗談だよ」

「いや、でも、投げ槍の要領で、あなたをぶん投げれば、あるいは・・・」

「ハハハ、えっ! 何するの。冗談だよね。今の冗談だよね。えっ、えっ、えっ、ちょっと、待って、ちょと、待ってぇーーー」

 ジャスティスがドローンの窓から地上を見下ろしていると、何かが、自分に向かってくるのが見えた。

「あれは、まさか、ブルーインパルスッ?」

 ちゅどーーん。

 爆発、炎上しながら、墜落するドローン。こうして一人の女性の活躍で、人類2度目の滅亡を回避する事ができた。しかし、安心するにはまだ早い。なぜなら、パイパイもライン・パイも、その代表を失ったに過ぎないからだ。耳をすませば、聞こえてこないだろうか。男達の熱苦しい叫び声が。

「パーイ、パイ」

「パーイ、パイ」

「パーイ、パイ」


                   完


「と、言う夢を見たのだ」

 選手控え室で、ガックリと項垂れるしおり。

「延々と、何の話を聞かされているのかと思っていたら、まさかの夢オチ・・・」

「どうだ! 闘志がわいてくるだろう」

「逆に下がりました・・・。闘志どころか、私のIQも確実に10は下がりました。今の話、試合前の選手に、セコンドがすべきものですか」

「今だからこそ、話すべきものだ。この夢には真実がある。それは、お前がピンチの時は、必ず俺が助けると言う点だ」

 平が、ワイシャツの胸元をはだけると、寅じま模様のビキニが覗いた。

「ははは、何、それ」

 しおりはひとしきり笑うと、リラックスした表情で言った。

「うん、確かに、闘志がわいてきた」

 平が、しおりに手を差し出す。

「行こう、しおり、リングの上でパイパイの連中が待っている」

 しおりが頷いて、それに答えた。

「そうね、私たちの戦いは、これからよ!」

                     終








 この物語を最後まで読んでくれた方に、もし、そんな人がいれば、の話ですが、私から素敵なプレゼントがあります。それは、この物語を読むことによって、確実にあなたのIQが10は下がっていることです。これで、あなたは明日から、前より楽しく愉快に過ごすことができるでしょう。それでは、もしよろしければ、パイパイ戦争(2周目)で、またお会いしましょう。

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