異世界転生したら、復讐心に燃える亡国のお姫様に見初められて復讐に振り回されて困ってます

『ドラマタぶっ潰す』
子供でも分かるヤバい発言をする少女がいた。
泣く子も黙る超軍事国家ドラマタ。その大国を滅ぼしたいとその少女は言った。
ドラマタに祖国を滅ぼされすべてを失った王女アテナ。
異世界転生して、右も左も分からない謎の少年ロシュ。
二人は運命的な出逢いを遂げ、海上都市ポセイドンにやって来て、様々な人と出会い、クエストや人の困りごとを解決しながら、二人はどんどん成長していく。
そんな賑やかで楽しい時間を過ごす間に、着々と、アテナに忍び寄る魔の手は近づいていてーーー。


ーーー自分じゃない誰かのために。

人々は、いつも誰かを想って、空を仰ぎ、いつの時代も祈ってきた。

この物語はそんなちっぽけな無数の愛の物語。

亡国のお姫様は、不意に流星が流れるものだから、大切な人たちと過ごすこの日常がいつまでも続いてくれたらと、祈った。


或いは、頼りない神様は、隣で手を繋ぐ獅子族の少年の未来が、幸福に満ちたものであってほしいと流星の舞う夜空に誓った。


神々の黄昏。終焉。カタストロフィ。
言葉は違えど、歴史は形を変え、韻を踏むように、繰り返されていく。


だけど、きっと、人々は、世界を覆う闇に絶望するたびに、それに負けないくらいの愛の物語を紡いできたはずだから。


この物語はそんな愛の物語。


　「ロシュ。私、最後だから言うね。あなたと出会った時間は短かったけど。ううん。時間なんて関係ないわ。私は、あなたを愛してます」