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八.

 翌朝、いつものように目覚めたが会社に行く気分にはなれなかった、それでも仕事は待ってくれないし顧客との打ち合わせもあるからと、用意されていた朝食をとっていると台所のカウンター越しに君枝は言った。

「今日もお義母さんのところに行ってくるね、バイトが無い日は出来るだけ病院に行くようにする、様子みてくるからね」

 朝食を食べながら涙が出そうになった。

「そうか、大変だろうけど頼む」

「お父さんの様子は見に行けないかもしれないけど・・・」

 ケアマネージャさんが手配してくれた昼食の宅配で父親の様子を見てくれているはずなので、父のことはそっちに任せることにした、車の運転をしない君枝にとって病院と実家の両方に行くのは大変だし、わずかだが痴呆の兆候の見える父のことまで気にしていては、君枝の体がもたないとも思っていた。

その夜、夕食時に君枝から母の様子を聞いて、食後に落ち着いたところで兄に電話をした。

「担当の先生に呼ばれたから話をしてきた、はっきり言われた、余命約3か月だって」

「えっ?」

 兄は声を詰まらせた、というかその後、泣いてるかもしれないと思った。

「入院費用は兄貴が預かってんだろ、これからの親父のこともあるし、一度ちゃんと話をしておいた方がいいと思うんだけど、いつこっちに来られる?」

「週末に行くよ、金曜日の夜には行くから、土曜日に病院で会えるか?」

「わかった」

 別に兄が預かっている親の金のことなんてどうでも良かった、それに兄に話したところで義姉が来て病院に付き添うはずなどないとも思っていたが、母のことだけでなく、痴呆の兆候の見られる父をどうするかについては話し合っておく必要があると思っていた。

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