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二十八.

 年始で火葬場の都合などもあり2日後に通夜が行われた、通夜と言っても昼間にしなければならない準備はある、納棺の前に母の身支度を整える昔映画であった“送り人”と言うのだろうか、母の衣服を改めて整えるとともに化粧を施してくれる作業、兄と私だけが立ち会った、母の骨と皮だけにやせ細った体を見た時、兄はハンカチで目を押さえていたが私は歯を食いしばって涙を堪えた、しばらくして冷蔵庫の中で冷え切った顔に化粧を施されて眠っているかのような顔になった時、私も耐えきれなくって涙を流した。

そして無事に納棺が終わると、葬儀の会場へ運ぶため私と兄は歩いて葬儀場へ向かい、通夜に来る人の送迎や、焼香後に休憩していただく際の食事や飲み物の最終確認をしなければならず感傷に浸っている暇などなかった、あっという間に時間は過ぎていき遠方からの親戚も集まってきた、遠方から来てくれたもう一人の母の妹、一度だけ病院に見舞いに来てもらった時にたまたま君枝が病室にいて、その時に母が君枝はとても良くしてくれるとその叔母にも話していたようで、叔母は真っ先に棺の中で眠る母の顔を見て手を合わせると、すぐに君枝のもとへと歩み寄って両手をしっかりと握りしめてありがとうと何度も繰り返した。

 通夜が終わった、兄一家は実家に泊まると言い、私はそのまま母の傍で色々思い出を話したかったが葬儀屋の都合でそれは叶わず、叔父や叔母たちと同じビジネスホテルに泊まることとし、駅近くまで20分ほどかけて叔父や叔母と話をしながら歩いていくと、その間も君枝は叔父や叔母から感謝の言葉を言われていた。

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