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二十.

 4日、次の日からは仕事のため、昼間に家に戻ることはなく面会時間終了まで過ごした。

 酸素マスクの母は、あれ以降は言葉を発することはなかったが、少しでも私たちの声が届けば良いと思って補聴器を着けた。

 看護師が来ておしめを変えるときには席を外したが、それ以外はトイレ、そして私が喫煙所に行くのと、近所のコンビニに食事を買いに行く以外に病室から離れることは無かった。

 面会終了の午後7時前になってナーステーションに寄って当直の看護師に挨拶した。

 母のお気に入りの男性看護師も当直だと言う、朝にはあの若い女性の看護師も出勤するという。

「年末から色々ありがとうございました、また週末には顔を出しますので、師長さんにもよろしくお伝えください」

 そういってもう一度病室に戻り、返答のない母を見て声をかけた。

「また来るね、おやすみ」

 車に乗る前に喫煙所に行ってタバコに火をつけた、酸素マスクの件もそうだが、体内の酸素濃度がわずかだが年明けから減ってきていることは感じていたので、タバコを吸い終えると車に乗り込んで、待っていた君枝にすぐ声をかけた。

「年は越したけど、もしかしたらそろそろかもな」

 君枝は返事に困ったのだろうか、少し間をおいて答えた。

「そうだね・・・」

 私もそれ以上は何も言わなかった、それから家に着くまでは母のこと以外の話をした、翌日から仕事だと思うと気が重かったが、それでも年末年始に病院で過ごせたことは有意義だったと思っていた。

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