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柴田盟の気まぐれポエム集  作者: 柴田盟
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不条理な人間


 人を見た目で判断してはいけないって分かっている。


 優しそうな人、強面な人、見た目では色々な人はいるけれど、本当に怖い人は、人目見ただけで心が凍り付きそうな程の恐怖に駆られる。


 学歴とか肩書きとかそんなのはほとんど関係ない。


 私はある企業で働く前に見学をさせて貰った。


 その時、働いているところを拝見させて貰って、ある人が懸命に働いているようだが、何か一目見て心が凍りつくほどの恐ろしさにさらされた。


 そしていざ働き、その人に仕事を教えて貰った。

 すごく丁寧に教えてくれて、私もスムーズに仕事を覚えることが出来た。

 私の勘違いだと思った。

 その人はチームで取り組んでいる時は、いかにも人をおもんぱかっているように見える。


 でも私と二人切りになったら、嫌らしい笑みを浮かべて、誘いをかけてくる。


 その時は断れたが、その人は仕事が出来て周りから一目を置かれている人であり、何かその人に逆らったら、何をされるか分からないと言って、その人に誰も意見をするものなどいない。


 そしてある日仕事の帰りに、その人は私の仕事が終わるのを待っていたみたいで、仲間を引き連れてにやにやとして誘ってきた。


 私は断る事が出来ずに、言われるがままにされて、居酒屋に誘われた。


 そこで私はその人の酔っぱらった勢いでいびられた。


 私は堪えきれずにその場で泣いてしまった。


 そんな私をその人は「そうやって何でも涙で済むと思うなよ」と仲間と笑っていた。


 私はその仕事を逃げるようにやめてしまった。


 妥協したことに私は大きな傷を負い、自分を追いつめて死んでしまおうと思ったが、すぐに帰って、待っていたのは冷たい言葉だった。


 追いつめられた私は大量の睡眠薬を飲もうとした。


 そこで私の中で激しい葛藤が起きた。


 死んでしまえば、楽になれるし、あの人の恐ろしい笑みに苛むことはない。


 そして思い止まり、時間が私の傷を少しずつ癒えたある日のこと。


 あの人から仲間から電話があり、私は出なかった。


 でも私の恐怖をあおるように毎日一回ずつ連絡が来た。


 だから思い切って、メールで『もう電話しないでください』と送った。


 そうしたらプッツリと来なくなった。


 少し時が経ち、私が勝手に疑心暗鬼にとらわれていただけで、みんな心配していたんじゃないかって。


 本当の事は分からないが、その見ただけで心が凍り付きそうな人は私に関心を持ち、私に距離を縮めてきた。

 それで私が避けたことにより、その人は私を精神的に追いつめて攻撃を仕掛けた。

 その人は頭は切れるが世の中にとって不条理な存在だと思い、世の中はそんな人間で溢れていることにおののいた。

 でも私は一つ強くなれた。

 

 逃げてしまったけれども、私はまた磁石の向きを変えてやり直せるんだと。


 でもあの嫌らしい笑みが強迫観念となり、しばらく私の中で苛んだ。


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