SOS
私に好意を求めて来た人間に、拒絶すれば、相手は傷つき、その氷のような刃を私に向けてくる。
傷ついた私は気がつけば終わらない雨の中を歩いていた。
死にたいと心で呟く。
そして「死にたい」と自然と声に出していた。
脳裏に好意を求めて迫ってきた人の笑みが脳裏に焼き付き、その死にたい気持ちを増長させる。
「人なんて嫌い」
「人は何でこんなにも身勝手なの?」
「私が何をしたの?」
「どうして私がこんなに傷つかなきゃいけないの?」
「悲しいよ」
「苦しいよ」
「助けてよ」
今までそうだった。
そんな連中に絡まれて、気がつけば私は傷だらけで、すべて私のせいだと言うことにおさまり、歯がゆい気持ちをしてきた。
そして真夜中の土砂降りの雨の中でたどり着いた所は誰もいない海だった。
そこで私は声が張り裂けるぐらいに叫んだ。
叫ぶしかないんだ。
このやるせない気持ちを晴らすためには叫ぶしかなかった。
叫び疲れて出した答えは、『傷ついても良いから誰かにSOSを求める事だった』
生きる事に強さ、賢さなどあまり必要とされない。
生きて幸せを求めるなら、信頼できる人に素直に思いを伝える事。
たとえその答えが傷つく言葉であっても恐れずに、伝える事。
人間は一人では生きていけないのだから。




