傷ついた者達に与えられる宿命
大人達は子供に言う。
「勉強しなさい」
「いじめられるのは、あなたがしっかりしないから悪いのよ」
そう言われ続けて、その子供は大人になり、人前で笑うことすら忘れて、誰かを傷つける事でしか、その存在をアピール出来ない大人へとなり、居場所をなくして、誰からも愛される事もなくなり、心を真っ黒に染まった人間にたぶらかされて、利用されるだけされて、永遠の闇に葬られ、報われる事のないかわいそうな存在になる。
私の子供の頃、そうだった。
そして心を真っ黒に染まった人間にたぶらかされて、危うく永遠の闇に葬られそうになった。
居場所を探して、私の耳に木霊するのは、子供の頃、大人達に言われた心の悪魔を増長する言葉であるそれは、
「ああしなさい。こうすべきだ」
その言葉に翻弄されて、何も出来なくなり、涙で目の前の未来さえ見つめる気力さえも失った。
私には何もない。何も出来ない。出来損ない。
昼も夜かも分からない低い天井を見つめ続け、私はすべてを壊すほど叫びたい気持ちに翻弄されて、私は外に出て海に行き叫んだ。
声がかれても、叫び続けた。
自分が壊れそうな程の叫んだ。
いや叫ぶしかなかった。
叫んで叫んで叫び疲れても叫び、自分が壊れそうになっても叫んだ。
やがて叫ぶ事さえも出来なくなり、その先に何か見えてきた。
それはマッチのようにほのかな光だった。
それが私を導いた。
その光が示したのは、この世にたった一つしかない私だけの真実だった。
その真実を目の当たりにしたときに・・・私は、いや私達傷ついた者達は・・・何を見るのだろう?
そして何を知り、何に気づき、何を描くのだろう?