不器用なパンチを打ち続けて
人生は戦いだ。
それはまさに大きなコロシアムのど真ん中のリングに立って、試合を待ち望んでいる私たちはボクサーなのかも知れない。
歓声が鳴り響き、試合のゴングがなる。
試合が開始され、相手は容赦なく私の弱点めがけてパンチを打ち続ける。
その拳を交わし、時には受けて、それでも私は不器用なパンチを打ち続ける。
でも相手はあまりにも強敵で、まるで私のすべてを知ったかのように動きもその行動パターンも知り尽くして、そして弱点をめがけて容赦なく打ち続けてくる。
逃げることは出来ないだろう。戦うしかない。
そして相手に私の弱点を思い切りカウンターで喰らいノックアウトだ。
レフリーがカウントする。
レフリーがカウントを唱えながら、私は意識が朦朧として、このまま倒されては行けない。立ち上がらなきゃとおぼつかない意識の中、私はゆっくりと立ち上がる。
逃げたい気持ちと逃げたくない気持ちが激しく葛藤して、私は後者の気持ちをとり、立ち上がる。
知っての通り、諦めたらそこで試合は終了だ。
私は諦めたくない。
レフリーがカウントナインを唱えた時、私はおぼつかない意識だが立ち上がり、ファイティングポーズをとって、戦えるとアピールし試合は続行。
そして再びゴングが鳴り、その私の不器用なパンチを目の前の強敵に打ち付ける。
それが生きている証。




