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天使と悪魔
町の雑踏の中、仕事で疲れ切った体でふと思う。
どうして私はこんなに苦しいの?
夢も希望もない。
頭にこびりついた叱責や皮肉と大切な時間を奪われ、私は何の為に生きれば良いのか分からない。
そんな中、また私の中で憎しみの気持ちがわき起こる。
どうしてあの人には輝かしい人生で満ちあふれているの?
私を蔑み、排泄物のように扱ったあの人が。
仕返ししてやりたい!
でもそんな事をする勇気がない。
でも疲れた体をベットに横たえたら、聞こえてくる。
そんな勇気がなくて良いんだよって。
あなたには明日があるよ。
だからその心を憎しみに染めないで。
私の心に天使と悪魔が存在している。
弱った心に悪魔がささやき、安らいだときに天使が私にささやく。
そんな二人がせめぎ合った中で私は生きている。
出来れば悪魔を心から排除したい。
でもそうしたら、天使も居なくなる。
心に何もなくなったらもっと辛い。
そして気がつく、心に天使も悪魔も居て、それが幸せの証なのだと。
その天使と悪魔のせめぎ合いは明日も繰り返す。
でもそれで良いような気がする。