心貫く冷たい風
心貫く冷たい風が私の心を突き刺す。
この思い、誰にも届かない。
そんな時、心を貫く冷酷な過去がよみがえる。
それが私を苦しまし、死ぬことさえも憧れる気持ちに駆られる。
死んでしまえばどれだけ心が楽になるか?
でも私の心の奥底に生きたいという感情が芽生えている。
気が付けば、海を目指していた。
自転車で一時間半の距離を苦しい葛藤を胸に、それを乗り越え海へたどり着く。
広大な海を目にして、残酷な真実を目にする。
私は大切な者を失ってしまっていた事に。
その人の心はもう叫んでも届かない。
そして私は心をやすらげる場所はもはやない。
でも海を前にしていると、前向きな気持ちが芽生えてくる。
じゃあ、その居場所がないなら、探しに行こう。
凄く困難な状況に置かれているけれども、何か方法があるはず。
だから私は暗中模索の中を手探りで、探し続ける。
きっとどこかに私だけの幸せに続く隠れた道があると。
辛くても悲しくてもそう叫んで進むしかない。
もう私は悲しくても辛くても、もう逃げたくはない。
そして明日も心貫く冷たい風が私の心を突き刺すのだろう。
でも私は諦めない。




