本当の敵
本当の敵は誰なのか?
対立する相手?悲惨な状況に置かれた環境か?
確かにそれらは考えると怖いが、本当に怖い相手は、死ぬまでつきまとう自分自身だと私は最近になって分かった。
その自分自身は時には天使になり、悪魔となる。
天使がささやく時は、幸せを感じているときだが、そのつかの間に、悪魔がささやく時がある。
その悪魔のささやきとは私はこう思っている。
独りぼっちにさせようとする、甘い誘惑をささやいてくるのだ。
人間は決して一人では生きていけない。
何かしら誰かとのつながりがないと私は生きていけないと思っている。
悪魔はそのつながりを絶たせて、独りぼっちにさせ、夢も希望にも関心が持てなくなり、愛の対義語の無関心な人間へと悪魔は導く。
何もなくなった自分自身はやがて藁を縋ってでも、助けを求めるだろう。
人間は一人では生きてはいけない不安定な生き物だ。
だからたった一人でも良い。
その信頼できる人との繋がりを大切にして生きていくべきだと私は思っている。
それは親でも恋人でも友達でも良い。
誰か一人でもその繋がりがあれば、死ぬまでつきまとう自分という悪魔に孤独に追い込まれる事はないだろう。
そしてどんな事があっても、その繋がりを断ち切ってはいけない。
もし私がその繋がりを断ち切っていたら、私はこうして文章を書く事ができなくなっていただろう。




