争う事も時には大事
傷つけられて、死ぬほどの苦難に立たされた時、まるで私は誘われるように海へ行き、ぼんやりと眺めて、次第に心の傷がふさがっていく感覚になる。
ただこうして海を眺めているだけで、心の傷がふさがっていくのはなぜだろう?
そして最大の謎が、どうして人は傷つけ合わなくてはいけないのだろう?
その思いを激しく吹きすさぶ波風に乗せて、帰ってきた答えは、人間同士傷つけ合わない事などあり得ない。
どんなに深い関係であっても、それでも傷つけ合う事はある。でないと深い関係にはなれないから。
どんなに大切な伴侶でも、その人と争わない事は決してない。
どんな人間にも大好きな人と深い関係になりたければ、傷つけ合う事は免れない。
でないとお互いの事を知ることが出来ずに、なあなあな関係になり、その人とは親密な関係にはなれない。
逆にどんなに憎い相手でも、争い傷つけあい、それから何かしらの友情が芽生える時がある。
誰もが争いは嫌いだし、出来れば避けたいと思っている。
でも時には争う事も、大事だと言う事に気づかされる。
そうやって小さな争いを互いにしていく事でお互いの新たな一面を知りうる事が出来、絆が深まる。
逆に何の争いもなく、なあなあな関係のまま歩んでしまっていたら、お互いの衝突が生じてその縁は破壊される事もある。




