人生レース!ある過去にいじめに合い集った四人のレース
とある集ったいじめられっ子四人組。
四人は過去にそれぞれいじめに遭っていた。
それで彼らは引き寄せられるように出会った。
青君はいじめられた事で見返してやると意気込み、前向きに勉強をしている。
緑君はただ過去のことは気にせずに何事もなく平凡に生きていければ良いと思っている。
赤君は前向きにそして夢を追いかけて、いつかお金持ちになろうと頑張る。
白君はいじめられた事によってやさぐれてしまい、ギャンブルや非行に走っている。
そんな四人が集いある日バンドを組む。
一番やる気に満ちていたのが白君だった。
仲間と出会い、こうして自分にも出来ることが見つけられて楽器の練習に躍起になる。
それで白君はギャンブルも非行に走る事もやめた。
それに白君は仲間思いで、みんなの事を一人一人慮っていた。
バンドはある程度うまく行き、白君の上達につまらない顔をした者がいる。
それは青君と赤君だ。
青君と赤君は二人で相談して、白君を欺き、去勢され、やる気を失せて何も出来なくなる。
その事で優越になった青君と赤君は楽器を白君以上に上達していった。
そして演奏をする時に、白君は演奏に付いていけなくなり、青君と赤君に蔑まれて何も出来なくなる。
何も出来なくなった白君はまたやさぐれてしまい、ギャンブルと非行に走る日々に戻ってしまった。
バンドは三人になり、青君と赤君が中心にバンドは動いた。
でも青君と赤君の意見の食い違いで、バンドは破綻してしまい、解散になってしまった。
みんなバラバラになってしまったのだ。
それで四人はそれぞれの人生を歩む事になった。
青君は一流企業に就職して順風満帆だ。
緑君は学校を卒業したけれども、就職はせずにフリーターで働いている。
赤君は夢を追い続けて絵を描き続けている。
白君は相も変わらず、親のすねをかじりながら、ギャンブルに明け暮れる毎日。
盟 この時で彼らは二十二を過ぎています。今のところ人生で優位に立っているのは、青君ですね。豊川先生、彼らをどう見ます?
豊川 さあ。人生何が起こるか分からないからね。
盟 あっとここでオッズの発表です。オッズは以下の通りです。
青 二倍 緑 四倍 赤 三倍 白 十五倍
盟 ここで見てみると青が本命で白が大穴ですね。豊川先生、このオッズを見てどう思います?
豊川 まあこれは観客のみんなの集計だから何とも言えないな。
盟 ちなみに豊川先生は誰がこの人生レースの勝敗を手にすると思います?
豊川 それは秘密です。ところで盟さんは誰だと思います。
盟 ここは無難にも青が良いと思いますね。
豊川 ちなみに僕はもう今月の小遣いの大半をかけましたよ。
盟 えっ?誰にです?
豊川 それは秘密です。ちなみに盟さんは青にいくらかけたのですか?
盟 いや予想はしますけれども、私はギャンブルは小さい頃おばあちゃんに「ギャンブル程恐ろしい事はない」と呪文のように言われてきましたので、恐ろしくて出来ないんですよ。
豊川 なるほど、良いおばあちゃんだね。
盟 だから私は白がすごく恐ろしいんですよね。私出来れば白のような人間とは関わりたくないです。
豊川 まあ、とにかく四人の人生レースを僕と盟さんと観客のみなさんと見届けることにしましょう。
盟 はい。実況はこの自称小説家の柴田盟とスクールカウンセラーの豊川先生がお送りします。
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盟 青の様子を見てみると、周りからの人望も厚く、仕事にもプライぺーとにもうまく言っているみたいですね。
豊川 まあ彼が動いているのは今までいじめてきた人間を見返してやろうと言う気持ちで動いているんだと思う。
それに彼はいじめられた事に様々な対処法を学んできたんだと思う。
盟 何か青の様子をモニターで確認してみると、まあ私はこのような陰険な人は友達にしたくないですね。
まあ一応私は青を予想していますけれども。
豊川 この先どうなるか楽しみだね。
盟 緑の様子を見てみると、フリーターをしながら資格の勉強をしているみたいですね。
何か青とは大学を卒業してからも交友があって、その後、青のアドバイスを聞いて、失敗したと嘆いていますがどうなんですか豊川先生。
豊川 青は知っているんですよ。こうした方が良いとかああした方が良いとか、そう言うのを教えれば、余計出来なくなって何も出来なくなるんですよ。青は人を欺き人のつぶし方も知っているんだね。
盟 怖いですね。あっと青は赤に緑の悪い噂を流して入るみたいですよ。
豊川 そうやって、周りに悪い噂を流して徹底的に人のつぶし方を知っているんだね。
盟 それにアホな白にも友達面して、悪い噂を流して入るみたいですね。
豊川 そうする事によって、青は自分の熱にしているんだね。まさに蔑みの熱と言って・・・。
盟 蔑みの熱?
豊川 とにかく続きを見てみましょう。
盟 緑はどうやら資格を取れたようですね。それにもう青とは交友を立つように三人の前から縁を切りました。
豊川 おお。
盟 おっとここで青が仕事に飽きて転職を希望しましたね。それに白も失恋がきっかけでまじめに働こうとバイトを始めました。
豊川 失恋は大きく人を変えますからね。
盟 私も失恋はした事がありますが、まあ失恋とは相手に対する期待を大きく裏切られたかのような気持ちになりますからね。でも自分は裏切られたと思っても、これははっきり言って仕方がないかもしれないですよね。
豊川 まあ理屈では盟さんの言うとおりかもしれないけれども、失恋は理屈では語りきれない深いものですよ。
それで人間は大きく変わる。そして成長する。
盟 まあそれはともかくまた青がバンドをしようと召集をかけて白と赤が集まり三人になりましたね。
三人ともやる気みたいですよ。
豊川 さてどうなるかな?
盟 おっとまた白が上達が早くて、青と赤がつまらなくなったみたいですね。白を見てみると見かけによらず人間的に熱い人なんですね。
あっ白が一人歩きしてそんな二人のもくろみに気が付いて他のバンドの所に行きましたね。
豊川 面白くなってきたね。
盟 青はそんな白について行こうとしたけれども、白は青の連絡に着信拒否していっさい近づけないようにしました。
青と赤の正体を身を持って知ったのでしょうね。
豊川 ほうほう。
盟 あーとここでレース終了です。
青 緑 赤 白 誰がこの人生レースのトップの座を取ったのでしょうか?見てみましょう。
盟 青は周りに誰も居なくなり、再就職したけれども、うまく行かず相談する相手もしくは打ち明ける人も居なくなり、自宅に引きこもってしまいました。
豊川 彼の蔑みの熱が自分自身を陥れたと言っても良いでしょうね。
盟 その蔑みの熱とは何ですか?
豊川 人を陥れることで得る熱のこと。その熱にあやかれば自己を見失い人ではなくなってしまう熱の事。それを僕は蔑みの熱と呼んでいる。
盟 恐ろしいですね。どうやら私の予想は外したみたいですね。青は敗退。
では次に緑の結果を見てみましょう。
緑はどうやら我が道を行き、無事に就職もして苦労して自分のポジションを得ることが出来たみたいですね。
豊川 まあ人間の生き方に自分一人で立って生きるすべを緑は得たのでしょう。
盟 さて赤は・・・どうやら自分の才能がない事に自棄を起こしてギャンブルで借金まみれになって、借金を返済しながら毎日過剰に働く羽目になりましたね。よって赤は敗退。
豊川先生、赤の敗因は?
豊川 彼も青と同じように人を蔑み熱にしていた事と、失敗した時に誰かに相談する相手がいなかったことだね。
盟 では最後に白は。
白はバンドを趣味で続けながら、今実家を離れて田舎で農業を営んで幸せな毎日を送って入るみたいですね。
それに綺麗な奥さんにかわいいお子さんが二人。
これは意外な結果になりましたね。まさか大穴の白がレースの勝敗を手にするなんて。豊川先生どう思いますか?
豊川 白の勝因は変わったこと。
チャールズ・ダーウィンの言葉である。
最も強い者が生き残るのではない。
最も賢い者が生き残るのでもない。
唯一生き残るのは変化するものである。
これが決め手だね。
盟 ちなみに豊川先生は誰にかけていたのですか?
豊川 白。
盟 じゃあ相当もうけたのではないのですか?
豊川 まあね。盟さん。良かったら夕飯ご馳走するよ。
盟 やったー。
豊川 でもまだ彼らは二十五歳だ。これから何が起こるか分からない。
人生レースはこれからだ。
僕が人生で勝つか負けるではなく、幸せになりたいなら、ぜひチャールズダーウィンの言葉を胸に生きる事をおすすめするね。
盟 私も参考にさせていただきます。
ちなみに緑にお掛けになった人は料金をお返しするとの連絡が入りました。