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主人公になれない救世主  作者: いろは168
世界:アイン
3/3

始まりの救世主

どうぞ

「う・・・着いたか。」


眩しさが薄れてきたので目を開けると、そこは普通の部屋だった。


木造の建物・・・ベッドと机・・・。荷物・・。ああ!ここは寮か。一つずつしかないけど一人部屋なのか?


「ナナセさーん!もう準備できたー?」


「え!?えっと、も、もう少しですー!」


ゆっくり出来ない!なんか、情報を・・!ん?手紙?


『貴女の名前はナナセです。今年からアインヴェール学院に入学します。今はその前日です。その学院のほとんどは貴族です。あなたは、その学院の学院長の養子です。とりあえず魔法がそこそこ使えます。受かるために頑張って勉強した平民の女の子です。という設定です。御武運を。』


オール様の使いの人かな?ありがとうございました・・。


「もーいーかーい?」


とりあえず平民なら貴族には敬語がいいよな。


「い、今行きまーす!」




女を演じると、すごく、変態に思えます。(体は女の子)


「やっと、出たー。・・ってうん?ナナセさん・・・なんかあったの?」


「え!?えっと、なにがですか?」


「いやー、なんか昨日とは雰囲気が全然違くて・・・。気のせいかな?」


「き、気のせいでは無いでしょうか・・・ハハハ。」


能力、過去視!


>>能力「無制限観察」を獲得


えっと、昨日はこの寮に入って、荷物の整理してたら相部屋の向かいの部屋の人が来て、その人がアイスという名前で・・・。

え、()昨日までは素っ気なかったの?そっちの方が楽だろうからって?

孤立はむしろ目立つから程々に人付き合い出来るようにしとかないと・・・。


「ま、いいや。とりあえず早くお昼ご飯食べに行こ?」


「は、はい。」




「しかしナナセさんもっと楽に喋っていいのにー。私なんかこの学院入るのに精一杯な底辺貴族なんだから。」


え、そうなの?いやでも。


「い、いえ、例えそうであっても、アイスさんは貴族なんですから・・・。」


「もー。じゃあ、貴族として命じるよ。ナナセさんは私に敬語を使わないこと!」


「そ、それは流石に・・・!」


「あれー?平民なのに貴族の言うことが聞けないのかなー?これは不敬罪かなー?」


顔がにやけてるから完全にふざけてるんだろうけど、あながちその罪が適用される範囲だから断れない!権力って嫌いだ!


「わ、わかりました。では、これからアイスさんに対しては敬語は使いません。いえ、使わない。これでいい?」


「よっし!最初のお友達とは気楽に付き合っていきたいからさー。では・・こほん。これからよろしくね!ナナセさん!」


「うん。よろしく、アイスさん。」


「・・・さん も取らない?」


「アイスさんが取るならいいよ。」


「あちゃー、私も気づかないうちに距離を作ってたねー。よろしく、ナナセ。」


「こちらこそ、アイス。」


「なんなら、課題とかも。」


「それは自分でどうにかして。」


「ええー。」


・・・普通の女子学生ってこんな感じでいいのか?なんかちょべりぐ(死語)とか、卍とか、使わなくていいのか?


「ここの食堂美味しいんだよね~」


まあ、特に変な反応も返って来ないし、いいんだろう。ていうか粗暴な行動さえしなければ多少男が混じっても、それこそボーイッシュ的なやつで片付けられるのかも知れないな。


まあ、あまり目立つのは良くないからモブに徹するけど。




ここで、一つ本当のモブを教えておこう。


それは、勉強で言えば平均点から少し離れていて、その分運動能力が上下する。顔が良ければ多少目立つが、それでも平均点付近(平均点ではない)に漂いつつ、皆には優しくしなければ、モブになれる。


よく一緒にいる子に優しくするくらいで他の人には少し冷たく接するくらいが普通と言われるのだ。

皆に優しいのはガチ聖女かガチ悪女のどちらかになる。

勉強と運動を両方高い水準で出来るのは天才と努力家だけである。

平均点ピッタリだけを取り続けると、()()()目を付けられる。

私は生徒だけではなく、先生にも普通の人間であると思わせないといけないのだ。私という主語にもなんか慣れたな。


まあ、細かいところはその場で対応しないといけないが、まず主人公に近づかないが積極的には離れない。そんなことすれば主人公に目を付けられる可能性がある。

場合によってはファンクラブとかに入るのも悪くない。過激派なら入らないけど。


主人公のイケメン度と能力によっては通りすがったら「キャー」くらいは言おう。


逆に主人公が普通だったら・・・、その恋人より少ないくらい接するか、まったく面識を持たないかのどちらかだろう。まあ、これは状況によるかな。


(よし、パターン分析はまずまずだ。あとは、主人公がと思わしきやつを見つけてマークすればいい。)


「おーい、ナナセー。」


「!な、なに!?」


「早くメニュー選びなよ。」


「あ、ああ、そうだね。ごめんね。」


思考に入りすぎてた・・・。反省だな。


「なんか悩み?」


「明日の入学式を考えたらちょっと緊張しちゃって・・・」


「その気持ちは分かるけど今考えなくていいでしょ。」


「そうだね、ハハハ。」


思考分裂スキルとか取ろうかな・・・。


取っとこう。


>>能力「平行思考」を獲得










そして、迎えるは翌日。


「ナナセと同じクラスだといいなー」


「噂では貴族の爵位で分けてるとかあるからもしかしたら一緒かもね。」


興味な・・あります。主人公と同じクラスになったらストレスで死ねる。(死なない)


「そういえば、今年は王族も入るんだって!」


「え?王族・・・。とりあえず平伏すればいいのかしら?」


「そこまではしなくていいんじゃない?学内だし。まあでも、あんまり関わらない方がいいかも知れないね。」


「そうね。」


王族なんて関わったらそれこそ暗躍なんて無理に決まってる。いや、出来るだろうけど分身作ったりとかするはめになるから嫌だ。

出来れば楽に終わらせたい。




「とりあえず後ろの方に座ってようか。」


「そうね。」


前の方は上の方の貴族とその取り巻きばっかりみたいだから進んで混じりたくはない。




この後、入学式が始まり、アイスが言った通り王族もいたらしく新入生代表の挨拶をしていた。

それ以外は特に変な人が現れることもなく入学式も終わり、待望のクラス発表となった。


「ナナセ、見つかった?」


「まだ・・・あ、第二クラスだ。」


「え?本当だ!あ、しかも私も第二クラスだ!やったね!」


「良かった」


一緒で。いざとなったら私はあなたを表に立たせます。慈悲はない。まあ、代わりに命は守ってあげるから。


「そういえば、このクラス分けって主にテストの結果で決まってるみたいだよ?」


「へー・・・。じゃあ、私とアイスは同じくらいだったんだね。」


「そうかもね。」


「じゃあ宿題とか見せる必要ないね。」


「いや、それはちょっと・・・。たぶん私のは実技点数でちょっと稼いだくらいだと思うので・・・、えへへ。」


「実技?魔法?」


「うん。私、氷の魔法が得意なんだ。」


「ふーん。ま、とりあえず見せるかどうかは出たときに決めるから、とりあえずこれで終わりなら帰ろ?」


「そうだね。入学式で気疲れしちゃったよー。」



さっさとご飯食べてお風呂はいろーっと。


・・!・・・この感覚。近くにいる?


何か引っかかるものを感じて、私は振り返る。


・・・・・いた。あの男か。


「ナナセ?」


「ううん。なんでもないよ。」


とりあえず、顔は覚えた。あとは、能力でどうにもなる。


・・・なんで先に主人公を教えてくれないのかなぁ?











「シュヴァルツ様。エイニス様。確認して参りました。第一クラスでございます。」


「まあだろうね。ご苦労様。」


「お言葉、もったいなく。」


「シュヴァルツ様。三年間、お願いしますね?」


「ああ。エイニス。三年間楽しもうな。」


「はい!あ、でもこの三年間は王族として学ぶことも多いんですからね?」


「ハハハ・・、まあ、それも程々にやるよ。」



キャラの名前が多くなりそうで怖い(記憶力)

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