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主人公になれない救世主  作者: いろは168
始まり
2/3

準備の逸般人

ヽ(・∀・)ノわーい

「・・・女になる必要は?」


「ナナセ様のような存在を作ろうとなったときに、オール様が取った統計によりますと、その世界の対抗勢力のトップ・・・まあ、抑止力のトップが男である場合、女であれば大抵疑われることは少ないと出ています。逆に女性の場合は男であると疑われにくいそうです。」


本当か?それ。


「一応それでも疑われる場合はありますが、大抵トップの主人公と逆の性別の美形であれば大丈夫だろうということで、女になれる必要があるのです。」


「オール様は主人公の趣味嗜好によっては同性で行ってねーとも言っておられたようですが。」


傍目から見るだけならいいが、当事者になるのは・・・!!


「というわけで、早く美少女になってください。」


「オール様より既にナナセ様がほぼ万能であることは知らされておりますので、拒否は出来ません。」


・・・なんか態度が少し適当になってきた気がするが、いいか。


ー。能力、性別反転!



そう念じると、体がピカーっと光った。


「・・・問題なく可能なようですね。」


「容姿の方も魂に合わせてかなりお綺麗で。」


「なに?そうなのか?」


ポチが大きな鏡を持ってくる。


「お、おお・・。普通の容姿からここまで変わるのか・・・。」


「たぶんそこから反転すれば男性の姿も美形かと。」


「先程の姿は未だ殻を被った状態でしたから。」


な。戻れないのか?


「別の能力にて元の姿を念じれば戻れるでしょう。それでは、次です。」


「私たちにキスをしてください。」


「は!?」


「私たちは逃げますので、捕らえて無理やりキスしてください。」


「それでは、スタート。」


僕を話題から置き去りにしてそう言った瞬間二人とも消えた。


せめて、この行動の意味を教えてくれ。


「えっと、まず、どこに行ったか分からないから・・・」


能力、サーチ発動!


>>能力「反転」を獲得

>>能力「ターゲット」を獲得


・・・今更反転の告知が来たのもあれだが、なんで名前が違うんだ?


>>天界での類似した能力名で代用しております。


あ、そうですか。


・・・こっから東に・・・500km?いきなり離れすぎじゃありませんか?


えっと、とりあえず跳んでみよう。


能力、転移。


>>能力「無制限転移」を獲得




「!もう、見つかりましたか。更に転移とは。」


「流石はオール様が見初められた方。ですが、まだ捕まりません。」


「事情を説明しろ!」


逃がすか!


思いっきり踏み込むととんでもないスピードが出ているのを実感した。認識力も上がってるから大丈夫だが、これ下手したら音なんかとっくに越えてないか?あの棒殴り地獄な塞の川原的なやつでこんなに力つくんだな。


だけど、二人とも僕より動き方が上手くて全然捕まらない。


「捕縛!」


「なっ!」


ポチ(犬耳)の言葉と共にその場に釘付けされる。


「こ、これは」


「能力、捕縛です。犯罪者とかいたずらした人を捕まえるのに便利な能力です。それでは。」


また逃げられた・・!


こういうときは・・・能力、破壊!


>>能力「能力破壊」を獲得


そして、サーチ!


もう、1000km単位の距離に・・・。でも、転移!


「ここだぁ!」


「それはこちらの台詞です。作動!」


「無限沼!」


「破壊!」


「これは、能力で作り出した沼ではなく能力を用いて作り出した沼なので、沼自体は消えません!」


なにぃ!?


「タマ!」


「こちらの牢をプレゼント致します。」


「ちょ!沈む速度が!」


上がってるぅ!


「きっと死にませんのでご安心を。」


きっとが安心出来なぁい!


「私たちはここらで。」


「失礼します。」


「まてぇ!」


くそ、これどうすれば・・・!そうだ!逆転の発想だ!!


能力、引き寄せ!!


あの二人をこの牢の中に入れればいいんだ!


「!?・・・まさかこの手を使われるとは。」


「もうこの手にきづかれるとは。」


「と、とりあえず、説明してもらうぞ!」


「ではまずキスを。強引に。」


「強引に。大丈夫ですよ。体は女の子同士ですから。」


「くっ・・・ッッッッ!!!」


チュッ・・・


僕は、自分は女の子ぉぉぉ!!!と強い暗示をかけながら二人の唇を奪った。


絶賛飲み込まれてる沼の中の檻の中で。


いや、思い込むとか無理ですやん。めっちゃ柔らかいし、童貞のヘタレにはきついですわぁ・・・・・・



「・・・これで契約はなされました。」


「そして、試練も突破いたしました。」


>>使い「ポチ」と使い「タマ」を獲得


「ナナセ様。失礼ですが三人とも表に転移していただけますか?」


「あ、ああ。」




「今の()()()()に関しての説明を致します。」


「これはナナセ様が能力を使うことに慣れていただくための試練となっていました。」


・・たしかに、二人のお陰で限定的な能力だが能力を扱うということには慣れた気がする。


「そして、キスは私たちのワガママでございます。」


「ナナセ様から自主的にキスしてもらうことで、私たちの存在をナナセ様の所有物としてもらったのです。」


「・・・ん?どういうこと?」


よく分からない。


「私たちの生活の安定のためにナナセ様を騙した・・・ということです。」


「ただの使用人のままですと、捨てられる可能性があったので。一応。ナナセ様はそんなことなさらない方だと信頼はしておりましたよ?」


うそだぁ。


「先程のキスで私たちの魂がナナセ様の魂と繋がったので、ナナセ様は私たちを捨てられなくなったということです。どんな世界に捨てられても私たちはその繋がりを辿って戻れます。」


「逆に言えば、ナナセ様が行った世界に私たちがついていくことも可能です。特に私たちはメイドとしての家事能力とメイドとしての情報収集能力があるのである程度役に立つかと。」


はぁ。ん?


「さっきの捕縛も家事能力なのか?」


「害虫はもちろん近くに怪しい人物がいたとき用です。こちらにも虫はいるので。」


「無視捕まえるのに使うんだ・・・。」





そのあと、家に戻ってきてお茶を飲んで一息ついていた。


「もうその体には慣れましたか?」


「ああ。普通に動く分には慣れたよ。」


まだ胸とかは気になるけど。反転したら下着も反転したようでブラが最初からついてて良かった。



「では、もう大丈夫なようですね。」


「何かあるの?」


「お仕事です。」


「もう!?」



「先程、オール様からの使いが来ました。こちらの手紙に全て書いてあるそうです。」


さっきの一部始終見てたのかな?どれどれ。



『どうやら使用人に一杯食わされたようだね(笑)。この世界でやられるのはいいけど、仕事先ではやらかさないでね。正直な話、無限に世界改編出来る訳じゃないから。それではお仕事の情報だよ。

状況は主人公の魔王化による世界壊滅。

その原因は主人公の好きな人が魔王にさらわれた上に魔王に改造され、自分で殺すはめになり、最後に魔王が悪あがきで魔王になる呪いをかけた。

その結果、主人公は呪いによって増幅された過度の恨みを燃料に世界の全てを滅ぼして自分も朽ちた。という感じだよ。

これのせいで世界がほぼ死にかけだから消すか改編しなきゃいけないんだけど、そうすると僕の仕事が増えすぎるからね。だからとりあえず君に頼むよ。

報酬は・・・この世界のお金でいいよね。この世界のお金は君では作れないから。』


「この世界の金は創造出来ないのか?」


「全てオール様が創造したもののみです。偽造も出来ません。お金としての概念を持ったお金なので。」


『ほかの世界でも使えるから持っていくといいよ。一応君の使用人に渡しておくから。それじゃあ、よろしくね。』


「貰ったのか。」


「はい。このケース内です。」


アタッシュケース?ってやつが机の上に置かれた。いくら入ってるんだろう・・・。


「お、おお。びっしりとお札が・・・。」


「約2億くらいですね。これだけで多少贅沢しても80年は生きれますよ。」


「そういやこの世界の貨幣価値が分からないんだが。」


「元の世界と似たようなものだと思ってください。一般天使の初給は平均20万です。」


元の世界よりは高いような気がする。物価知らないからなんとも言えないけど。


「ナナセ様がお買い物なさりたい時は、私たちに申し付けて下さい。付いていきますので。」


「僕は幼稚園児か何か・・?」


「この世界に来た時間を考えればむしろ赤ちゃんです。」


否定できない。この世界の常識とか何一つ分からないし。


「一応こちらの端末より配達注文も出来るのでそちらでも構いません。」


「はい。」


買い物に外出れないとかネオニートレベルかな?いや、扱いが違うと思いたい。


「さて、ではこの仕事に関するご質問はありますか?」


「この主人公のいる場所とか・・・」


「えー、この主人公は勇者の力を持って生まれた貴族のようです。そして、学校生活を送る途中に魔王が出現し、主人公とその恋人とその他が魔王を倒すパーティーとして討伐に向かうという経緯のようです。」


「とりあえず、恋人がさらわれなければ良かったのかな?」


「そうですね。その恋人が主人公の肉体及び精神のケアをしていたようですから、魔王の呪いもその恋人がいれば消せないまでも封じれるようです。あ、注意として、その恋人をさらわれたあとに主人公がヤケになって強くなったようなので、誘拐を防いだ場合、ここをカバーしないといけないでしょう。だそうです。」


「やること全部書いてあるんだ・・・。」


僕いらなくね?


「いえ、その主人公との関わり方は全てナナセ様任せなので、ナナセ様が下手するとここに書いてあることが全て台無しになるようですね。」


求められるのはコミュニケーション力か・・・。


「とりあえず、ナナセ様は世界名アインに主人公が通ってる学校に転校生として入るようです。もちろん女生徒ですよ。」


「うっ。・・・わかった。」


「では、こちらの部屋のゲートを潜ってください。そうすればもう着いてるので。」


「あ、はい。」


進行が早い。


「あとは向こうの世界で私たちの力が必要になれば、能力を使うように念じてください。」


「わかった。ふぅ」


はじめてのお仕事か・・・。おつかいよりは全然難しいな。


「行ってきます!」


「行ってらっしゃいませ。」

「行ってらっしゃいませ。」


こうして、僕の救世業が始まりましたとさ。

三( ゜∀゜)ながつづきするかなー

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