毒と化け物そして優しさ
見慣れた天井だ。俺は確か…そうだキマイラと…
頭痛がひどい、俺は生物を殺したのか。マナは大丈夫かな?
え?あれ、俺の体は毒になっていたはずなのに普通に戻っている
誰か運んでくれたのかな。
全身の疲労感で立てないなんて初めてだ。
強く、ならなきゃな
マナを当たり前に守れるくらいに強く
そう思っているとドアが開いて母さんが入ってきた
「ルイシュ!体は大丈夫なの!?なんで裏山で倒れてたの!?調子悪いとか無いの!?」
凄い剣幕だ、そりゃそうか、心配させちゃったな。
「ごめんよ、母さん少し魔物と戦って相打ちに近い形で相手が逃げただけだから」
これなら心配をかけないだろう
「嘘をつかないで。見つけた時あなた裸だったの服も焦げたみたいになってて剣が溶けていたわ
それにマナちゃんがキマイラの変異種に襲われたって言ってたのよ」
マナは見ていたのかな、あの姿を
…そうか、俺は集中していて気づかなかったが体から湧き出る毒で服も溶けていたのか、、
でも、なんで裏山にあるって分かったのだろうか
そして、俺は人間と呼べる状態なのだろうか
毒の力を家族に話すべきなのだろうか
頭がこんがらがって来た
でも、全部話そう怖がられたら家を出よう。仕方がない事なのだ
「母さん…真剣に聞いてください。僕…いえ俺は裏山に散歩へ行きキマイラと出会いました
マナと逃げようとしましたが後ろからも現れ逃げられなくなり
マナと死ぬことを覚悟しました
ですが、その時死ぬことへの恐怖とそれへの理不尽で頭が焼けそうなほど憤り
気がつけば体が紫に変色し、毒の体になっていました
この力で俺はキマイラを殺しました。」
全部言ったさ。さあ怖がるのだろう自分の子供が化け物なんて。
「ルイシュ…辛かったでしょう、怖かったでしょう
あなたはマナちゃんを守ったのよ。それは誇るべき事だわ?そうでしょ?
そして、本当の事を打ち明けてくれた。それが母さんはとっても嬉しいのよ、
ルイシュあなたは私に怖がられるとか化け物扱いされると思ったの?
あなたは人間よ。怖くないわ。
愛する息子よ。よく、頑張ったわ。」
「母さん……」
嬉しかった、言って欲しい言葉をもらった
俺はこの人の子供である事が自慢であると再確認した
安堵した事で泣いてしまった
俺は2時間程泣き続け母さんはずっとあやしてくれた
そして父さんは帰ってくるなり母さんと同じように褒めてくれた。本当にいい両親だ。
それから眠りにつき。起きたのは朝だった
しなければいけない事は決まっているあの毒の力をコントロールしなければならない
もし、ふとした拍子に現れれば大切な人を失いかねない
それだけは防がなければならないという思いで何度も挑戦して1ヶ月程経つ頃にはほとんど使いこなせるようになっていた
そして、俺はそれまで以上に鍛錬を重ねた
木剣が折れるほど振り魔力切れまで魔法を使い続けた
マナは怪我ひとつなかったが大事をとって今はベッドで寝ている
彼女を守る為にも強くならねばと思った。
俺が鍛錬や毒の力の調整をしているうちに母さんや、父さんはこの力について調べてくれた
そして、その情報は驚くべきものだった
〜毒の勇者の戦い〜
こんな、タイトルの本が見つかったそれは毒を自在に操ったとされる勇者の伝記だった
そこには俺の力と酷似した力を勇者が使っていた。
この本によると毒の力は8柱の神の中の第3位である
毒と戦いの女神であるネルトナという神が自分ととても波長の合う者に、加護を与えるとき
普通の加護の力ではなくネルトナの力の半分ほどを使えるようになるのだ
これにより毒の勇者は魔王を倒した記されていた
そう。俺はきっとその神に加護を貰っていたのだ。
フィリアの事だから伝え忘れたのだろう天然め!
だが、マナを守れたのも真実なのでネルトナ様に感謝である
そして、いらない情報だが裸で眠る俺は裸の美少女が倒れているかのように見えて
神秘的だったと父さんが言っていた
聞きたくなかったが真実だろうなにせ鏡を見れば
驚くほどの美少女が写るのだ
しかし、それは自分なのである。前世ではあり得ない事だったが個性として受け止めよう。
うん。じゃない悲しいしね!
こうして波乱の4歳後半を終えると平和な日々は続いた
俺はずっと鍛錬を続け父さんに剣を入れるとこを目標に頑張った
そして時はたち俺は7歳の誕生日を迎えた。
作者は今日スタートの覇◯の塔をやらねばならないので
1日1回投稿を目標投稿していきます!
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