理想への代償
夕食後。
「それでは行きましょうか、マスター。」
「…あー、なんか言ってたっけ。」
「やっとかっくんの戦う姿が見れるんだね!」
「頑張って、お兄ちゃん!」
「怪我をしないようにしてください、徒花様。」
わっつ?なんのこと?
気がつくと…どこだここ、筋肉質なお兄さん()とか明らかに魔法使いな人がいる…そう、まるでこれから始まる何かの控え室のような
「ここが武闘会の控え室です。」
えー…ちょっと待って、もしかして
「舞踏会じゃなくて武闘会?」
「はい、マスター。」
えええ…だるいな…めんどいな…
「マスターは4番までの魔法しか使ってはいけませんよ?」
「はいはい、わかってるって。」
魔法にはランクみたいのがあって、使っていいのは4番までらしい。ちなみに数字がどこまであるかは知らん。
「「それでは、選手の皆様は入場してください」」
「行きましょうかマスター。」
「そーだな。もう逃げられないんだろ?」
「当然です。」
「ちなみにこれはチームのやつとかいるのか?」
「はい。私達もタッグです。」
そーなんだ。
「っと、行かなきゃな、ほとんどみんなもう入ってるじゃん」
そう言って俺とアアルが入った瞬間ー
「死にやがれえッ!!」
筋肉質な奴がこっちに攻撃してきた。
「滅之風陣」
そう俺が唱えると、その筋肉くんの周りに風が集まり、
全身に浅くない傷をつけた。
「ぐぅっっ!!」
それで攻撃は中断された。ざまあ。
「アアル、これは入った瞬間始まりなのか?」
「その通りですマスター。」
「そういうことは早く言え」
「申し訳ありませんマスター、つい」
「つい、なんだよ!?」
「いえ、何でもありません。」
絶対楽しんでやがるよ…
「で?この場所で殺し会えばいいのか?」
「はい、ですがひとつよろしいですか?」
「なんだ?」
「乱入してきた輩がいるようです。」
ふーん、なるほど。
「放置安定だな。」
「ですがマスター。」
「まだなんかあるのか?」
「残りは合わせて4人です。」
は?
その乱入者が全員倒したってこと?
「あん?まだ生き残りがいたのか。」
その乱入者は男女一組の2人で見た目は
「どう見ても忍者だな。」
「あんたらは殺気がまるでない、迷い混んだのか?だとしても逃がさねえけど。」
そういうなり時速75キロくらいで突っ込んできた。ので、
「小災厄」
「マスター‼」
5番目の闇魔法を唱えてやった。
瞬間、突っ込んできたやつが消える。
「あっぶね、なにすんだてめえ、殺気が全くなかったぞ?」
「生きてるのか、すげえな。流石忍者。」
正直確実に殺したはずなのだが。
「あんた、なにもんだ?」
「忍者なら調べとけ。あと、教える意味もない。」
「あたしたちを殺すから、か?」
「そうだけど。」
そして俺は
「失楽園(ロスト=パラダイス)っ!!」
6番目を唱えた、瞬間右腕に大きな傷が入り、血を吐いて倒れる。
敵忍者は今度こそ倒せたみたいだな。
「おみごと、流石だよ徒花くん。」
誰かの声が聞こえる。
「私の名はルシフェル、以後お見知りおきを。」
「こりゃ丁寧にどう…もっ、グハッ」
また血をはいた、そろそろやばいな
「マスター、だから4番までと…」
だが、聞こえているのだが返せない、意識も消えてきている。
…
「マスター、選択肢です。妖族になりませんか?」
…
「そうすれば、生きることが出来ます。」
…
「どうですか?」
断る。
「そうですか…」
この世界最強の種族は妖族ではない、そうだろ?
「…まさか、マスターは」
なってやるよ、人に殺され、絶滅した種族。
この世界の守護者だったもの。
それは
「「竜族にッ」」
その時、世界は動き始めた。
…ちなみに、「竜族にッ」と言ったのはアアルと俺の二人同時である。




