理想への転生
「ここに住む」
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そう言ってから一ヶ月後。
家があって畑があって水道も通っていて完璧な住居がそこにあった。ちなみに3LDKである。
これを建てるのにかかった時間は1日、しかも全て手作りである。
どうやらこの体はそうとう性能がいいようだ、時速75キロまでなら見てから避けることができるし、丸太を片手で持ったりも出来る。また、魔法も割と使えて万能である。
…正直怖いです。夢落ちとかだと安心するんだけどな…あれ?そしたらどこから夢になるんだろ、俺が死んだとき?それとも「親を見殺しにしたとき」か?
まあどうでもいいか。
「マスター、お茶の時間です。」
「おう」
こいつは何度言っても「マスター」って呼ぶのを止めないからな…
「マスターって呼ばなくていいんだけど」
「いえ、マスターはマスターです。」
この意地?なのかわからないがとりあえずマスターって呼ぶのは止めないらしい。
お茶うまい…(*´ω`*)
「そういえばマスター」
「ん?」
「マスターのご家族は大丈夫なのですか?」
ああ…それか。
「大丈夫だ、だって死んでるからな。」
「…マスター、いつそれを知ったのですか?」
「いつもなにも俺が死ぬ前に両親死んだろ、殺されて。」
「いえ、親御さんの話ではありません。」
「?」
「妹さんの話です。」
「なぜ妹がいるのを知って…ってちょっと待て、それってつまり」
「はい。妹さんは一ヶ月前亡くなりました。」
えええ…マジでか…そしたらもう仲いいやつほぼ生きてねえじゃん…
「幼なじみのお二方もです。」
ボッチ確定、泣けるぜ。
「ん!?まて、一ヶ月前なにがあった!?」
「マスターが死にました。」
「いや、あんときはまだ3人とも生きてただろ?」
「はい、ですがマスターの命はそれだけ重いということです。」
「それはない」
「はい。妹さんと幼なじみの片方の方は殺人鬼に襲われて亡くなりました。」
つくづく殺人鬼に運の無い一家である。
「じゃあもう一人の幼なじみは?」
「自殺です。」
自殺?どういうことだ?
「マスター、あまり考えすぎるのはよくありません。わるいのは全て殺人鬼さんですから。」
「まあ、そう言ってくれるならそう思うことにするよ」
どうせなにも出来ないしな。
「マスター、お茶を」
「あ、ああ、うん。」
俺、動揺してるのかな。
「マスター、お茶菓子です。」
「ああ、ありがとう」
優しさが染み渡るなあ…
「マスター、魔方陣をお願いします。」
「おう」
いつもどおり、俺の訓練だろうな。
「離れてください、マスター」
「」
反応する前に槍が沢山降ってきた。
「殺す気かっ‼」
「マスターなら避けられますよね?」
「長いんだよ!いつまで続く!?」
「10分ほどでしょうか。」
あ、コイツマジで殺す気だ。
「頑張ってください、マスター。」
「壁貼って逃げれなくして言う台詞じゃねえぇぇぇ‼」
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死にかけた。槍少し当たってるし。
「マスター、お疲れ様でした。」
「今回はなんの魔法だ?」
荒い息を吐きながら俺は訪ねた。
「転生です。」
「転生?」
「はい。これによっt」
言い終わる前に俺は何かにぶつかられたような感触と共に意識を失った。最後に聞こえた言葉は
「かっくん!?かっくんなの!?」
俺を心配する、幼なじみの声だった。
…かもしれない。
書き忘れたので追記。
輝井ちゃんとメリーは学生服で、鈴蘭は白ワンピです。
輝井ちゃんは黒髪ショート
メリーは金髪ツインテ
鈴蘭は白髪ロングです。