理想への生贄
俺は雷に撃たれたような衝撃
もとい雷を受けた。
「お…おお姉ちゃん…それは、その、私は、自分で言うって…」
アンヌン…照れ隠しの雷はひどいって…
「アンヌンに言えると思わんから、わらわが言ってやったのだ。わらわの妹の願いを、まさか断るまい?」
「拒否
「当然拒否権は無いがの。」
「拒否する‼」
「…拒否権は無いと今言ったばっかであろう?」
「俺は結婚はしないと5歳の時決めたんだよ!」
「なぜそんなにもはやく…まあ、断るというのなら、わらわにも考えがあるぞ?」
「ああ?そういやさっき結局戦えなかったな?」
「まさかわらわと戦おうと?わらわが何か、おぬしは理解しているのだろう?」
「だから勝てるとわかってんだよ。」
「ならば…鎖縛」
鎖で繋がれていた俺にさらに鎖が伸び、俺を縛っていく。
「シェイハッ‼」
俺はその鎖をもともと縛っていた鎖ごと吹き飛ばす。
「おお、以外と頑張るのだな。だが、牙突」
光の槍先が俺に向かってきて
俺の心臓を貫いた。
「ぐっ…」
「流石に心臓はこたえるかの?どうじゃ、そろそろ認めて楽にならんか?」
「ふっ…ははははは」
「な…なんじゃ、おぬし、まさか…死に場所を探しておったタイプの人間か?」
「ちげえよ、これで本気を出せるんだよ」
ー×× 災厄を呼びし者よ ××ー
ー×× 神に仇なす竜よ ××ー
ー×× 我が身に宿り、力を示せ ××ー
ー×× 生け贄は、我が魂の片 ××ー
ー×× 彼の竜に敬意と嫌悪をはらえ ××ー
ー×× 彼の竜の名は ××ー
ー×× 「赤異竜」ッ‼ ××ー
俺の体に竜が宿り、悪魔の姿へと変貌していく。
「…聖域」
狐がそう唱えると…
おや かつばな の へんか が とまった!
俺は人の姿に戻された。
「なん…だと…?」
「阿呆が。悪魔に魂を売るなど何様のつもりじゃ。」
「様々」
「いってる意味がわからんが…まあよい。これでおぬしがわらわに勝てないとわかっぢろう?」
気がつくと心臓の部分に空いていた穴も塞がっている。
「マスター‼大丈夫ですか!?」
唐突にアアルが俺の側に転移してきた。
「ひさしいのう、アアル。なに、その阿呆がわらわの向かってくるものでな。ちと痛め付けただけだ。」
「イデア姉様…」
「あ…アアルお姉ちゃん…久し振り…だね…」
「アンヌン…マスター、これはどういう…マスター?」
「アアル」
「なんでしょうか、マスター。」
「すまん、もう無理疲れたおやすみ」
そういって俺は深い深い眠りに落ちていった…
堕ちていった…
(*´ω`*)スヤア