理想への誘拐
目が覚めるとそこは
「マスター、こちらです。」
「かっくん、はやくはやくー‼」
「はやくしてよお兄ちゃん。」
「徒花様、急いでください。」
…
「どうされましたかマスター?」
「…俺は、妖族の長に呼ばれたんだよな?」
「はい。そうですが。」
「大きい町なのはわかるが…これは…」
「かっくーんまーだー?」
「先にいってるねーお兄ちゃーん」
「ほら鈴蘭さん、走るとあぶないですよ、それでは徒花様、なるべくはやくお願い致します。」
鈴蘭、輝井ちゃん、メリーが走っていった。
あ、メリー転んでる。
「マスター、私達もはやくいきましょう」
いや、だってここどうみても
「遊園地じゃねえかッ‼」
「マスター、ここは妖族の街です。」
「街なのに国より大きい上に遊園地で人が住む環境じゃねえよ?そもそも家とかそういうのが見つからないんだが。」
「彼らは仕事場が家みたいな物です。」
「ブラックじゃねえか‼」
と、そのとき、マスコット?のゆるーい感じの…狐かなにかのきぐるみがやって来た。
「ブラックじゃないよん?」
シャベッタァァァァ
「アットホームな職場だよん?」
ブラックだぁぁぁ
「実力主義で、若手が大活躍だよん?」
ブラックだぁぁぁ(確信)
「君なら今すぐにでも入れるよん?」
勧誘されたぁぁぁ
「アアル、助け…アアル?」
「さっきの子なら、クマピョンを見つけて走っていったよん?」
クマピョンとは、ここのマスコットで一番可愛いとアアルが言っていたキャラで…
「大丈夫、君ならすぐになれるよん?」
やめろぉぉぉ
「捕縛」
きぐるみが魔法を!?てかこれ…拘束強すぎィ‼
「さあ、いくよん?」
俺はきぐるみの肩に担がれて遊園地の中を…
…そこから先の記憶は無い。
ここは暗ーい部屋。
辺りを照らすのは弱々しい蝋燭のみ
「きゃー‼」
「ぎゃー‼」
「わー‼」
「くぁwせdrftgyふじこ」
おい最後のなんて言った
と、足音が近づいてくる。
「幻影」
おれは魔法を唱え準備を終えた。
足音がすぐそこに迫ったー
「わー」
超棒読みで「わー」といいながら目の前に出てみた。
「きぃやぁぁぁぁぁ‼‼」
これはひどい。
叫んだ…女性?は出口まっしぐら。猫缶見つけた猫みたい。
「やっぱり君はいいよん?」
「何故疑問系…」
幻術をときながら話始める。
「で、あと一人驚かせればいいんだな?」
「うんうん、ここは驚かせた人数がノルマだよん?」
だから何故疑問系
「ほら、次の子が来るよん?」
「…なあ、あれは驚かせなくていいか?」
「どうしてだよん?」
だって…
「ひっく…ひっく…うぅ…おねえちゃぁん…」
「号泣やん」
「まあ、うちもお客様が楽しめないのはいややから…ええよん?」
だからな(
「じゃあ…行ってくる。」
なお先程勧誘されたのはこのお化け屋敷のバイトで、おれはこれを機に逃げ出そうとしてるのである。善意なんてなかった。
「大丈夫?怪我してない?歩ける?」
声色を変化させて、幻術で姿を誤魔化して近づく。
「…うん。」
「なら、いこっか。」
これだけ見れば犯罪である。
その子は12歳くらいの少女だった。
そしてちゃんと外に出た瞬間
「あ…ありが…と…」
と言ってきた。…だけならよかったのだか。
ガブッ
繋いでた手を噛まれた。
…血を吸ってるのか?ってあれ意識が…とおの…い…
(*´ω`*)く スヤア
どこかに運ばれている、そんな気がした。
眠ってるけど。