理想への悪戯
「到着しましたよ、マスター。」
気がつくとそこは異世界だった。
具体的に言えば異世界の国だった。
ヨーロッパ中世?まあよくあるところだな。
ファンタジーといえばこれって感じ。
「なあアアル、さっきからいろんな人が走り回ってるけど、これから戦争でも始まるのか?」
「はい。」
!?
「人と人ではなく、堕ちと人のですが。」
「堕ちって言うと、堕天使みたいな?」
「はい。欲望に忠実になりすぎた者が悪意を持って犯罪を起こすと、たとえ妖族でも堕ちになります。」
なるほど。
「つまり犯罪者集団か。」
「それならかっくんがいれば瞬殺だね!」
何故喜んでるんですか!?
「前は徒花様の戦いぶりを見られませんでしたから。無論私も見たいとは思っていますが。」
やめて!ほんとに行くことになるからやめて!
「お兄ちゃん!」
「ん?どうした鈴蘭。」
「私もお兄ちゃんの戦ってるとこ見たい!」
「はあ…しゃあないな。」
周りの視線が痛い。妹に優しくして何故悪いんだ。
「マスターはシスk
「それでアアル、堕ちってのは堕天使とかいるのか?」
「…いえ、本来堕天使へこの世界の者ではありません。」
「やっぱりな。」
「やっぱり?かっくん、どういうこと?」
「あー、うん。なんか竜ってこの世界の守護者らしいから、生態系とかそういうのがなんとなく頭に入ってくるんだよ、でも堕天使…てか天使自体この世界にはいないはずなんだよな。」
「では、前に現れた堕天使はどこから来たと徒花様は思うのですか?」
「異世界。」
「…マスターはこの世界とマスターの世界以外にも世界がある、そうお考えなのですか?」
「ああ、そんでその外の世界からそいつh
「ああ!いらっしゃったぞ!」
いつのまにか俺たちは兵士?に囲まれていた。
「英雄様!お助けください!」
「え、俺?」
「白い女神と美しいメイドを連れた英雄様がこの国にいらっしゃると、そうなればあなた様以外ありえません!」
美しいメイド…ww
「マスター」
すみませんなんでもありません
「お兄ちゃん、女神ってもしかして…私?」
だろうな。
「で?見るからに兵士なお前らが俺に頼むのはなんだ?人殺しか?獣狩りか?」
「はい!堕ちを殲滅するお手伝いをしていただきたく思っています!」
「やけにはっきり言うんだな。」
「はい!今この国がそれだけ追い詰められている、と思っていただければ。」
なるほどな。つまりもう俺以外頼れる者がいない、藁にもすがる思いって感じか
「お願い致します!」
「「お願い致します‼」」
兵士揃って言ってきやがった。最初の兵士長っぽいのは涙までながして。
「報酬は?」
「え…?いいのですか?」
「暇潰し程度にならやってやんよ。」
「あ…あ…」
「「ありがとうございます‼」」
「礼はいらん。」
「はい!報酬は…何か希望などありますでしょうか!」
「なら、俺の周りの4人の服、こいつらの要望道理に作れ。それでいいか?」
「えっと…えっと、それだけでよろしいのでしょうか?」
「ああ。だが戦場には来んなよ。巻き添えくらうからな。」
「は、はい!」
「アアル」
「はい。私も付いていきます。」
「鈴蘭達は少し待っててくれ、すぐ戻るから」
「「はーい!」」
うん。いい返事だ。
「じゃ、行くか。」
「はい。マスター。」
そして、俺たちは殲滅を開始する。
その戦いを見たものはおらず、結果だけ残ったことから「神のいたすら」だとか「神降臨ww」と言われるのはもっともっと後の時代の話である。




