理想への第一歩
いつもと同じ朝だ。
…なんて言うとなにか起こりそうなので、いちおう違いを考えよう。まずは「親がいない」、他には…なにかあったっけ。
まあそんなことはどうでもいい、それよりも、早く朝食を食べなければ学校に遅刻してしまう。
そんなことを考えながら急いで飯を食い、家を出た。
「おっ、いつも人が少ない交差点が大人気だな。」
いつも人が1人いればいいほうのその場所に人が集まっているのがどうしても気になって除いてみる。するとそこにh
「近寄るな‼」
自分のことではないだろうけど、ちょっと傷つく。
「近寄ったらコイツを殺すぞ!」
なんだ、"ただの"殺人鬼か。俺は興味が無くなったので家に帰ろうとした。学校?もう遅刻だしいかなくていいや。
「そこのお前!」
うるさいなあ、家近いんだから静かにしろよ。
「お前だよ、そこの無表情野郎!」
あ、俺か。ちなみに俺は顔の筋肉が少し弱くて表情を作れない体質だから、昔から馬鹿にされたなあ…さて、帰るか。
「この状況でも無表情…こっちこい!」
「お前さっき近づくなって」
「うるせえぞ黙ってこっちこい‼」
近づいてみた。
「無表情とは落ち着いてんなあ…へへ」
俺は無意識に言った。
「キモい」
「殺す」
ナイフで刺された。痛い。
…あ、これ死んだな。
「な…なんでまだ無表情なんだよ…」
「えい」
刺さってたナイフを抜いて刺し返してやった。無茶苦茶痛い。
「がっっ…ぐぅっ…」
苦しんでやがる、ざまあ…ああ、河が見える、俺泳げないのにな…ごぼぼぼ
俺の意識はそこで途切れた。
…
…
…
ー((大丈夫か?))ー
頭に響くような声が聞こえる、女性に近いかな、年は
ー((大丈夫そうだな))ー
思考停止、そして再度思考、結論は
「大丈夫だ」
ー((ならばよかった))ー
この声の人(?)が本気で安心しているのがわかる。
ならば、ここはテンプレどうりでいいか。
「お前は誰だ、ここはどこだ、お腹すいた。」
今さらながら周囲の確認。草原かな。建造物はない。
ー((ここは、終わりの草原だ))ー
…え?終わり?そこは「旅立ちの」とかじゃないの?
ー((私が誰かは、言えない))ー
ふむ。とりあえずそこはどうでもいいや。
ー((空腹を感じるなら、受けとれ))ー
すると目の前に果物(?)が現れた、が受け取らない。
ー((?どうかしたのか))ー
「俺、果物あんまり好きじゃないから。」
嘘である。割りと好きだ。でも不審者の渡したものを食べるのは流石にな…優しいとはいえ信じすぎるのは避けたい。
ー((そうか…配慮が足りなかったな…謝罪する、すまなかった。))ー
やめてください心が痛いです。
ー((そして唐突ではあるが、私の願いを聞いてくれないだろうか。))ー
「いいですよ」
ー((…疑わないのか?))ー
「悪意があるならすでに話をやめて逃げてます。俺は昔から人の感情に気づきやすいので。」
ー((感謝する。))ー
…めっちゃ泣いてそうな声で言われた。そんなに大変なことだったのか?まあもう逃げられないけど。
ー((この絵をそこにある木の棒を使って地面に書いてくれないか?))ー
「おやすいご用です」
------3分後-----
「こんなもんでどうでしょうか」
ー((ありがとう、これなら大丈夫だ。))ー
ー((では、そこから離れたまえ。))ー
え?とりあえず走るか。
その瞬間、草原一体が光に包まれー
光の槍が降ってきた。
「ちょちょちょ、殺す気マンマンじゃねーか‼」
時速60kくらいか?これならまだ目で見て避けれるな。
そして、その光を凌ぎきった時、そこには
「はじめまして、マスター。」
メイド服の1人の銀髪美少女が立っていた。
…そういえば、まだ名前を言ってなかったっけ。
俺の名前は…いや、名前変えてもばれないよな?
よし、今日から俺は「徒花」だ!
「私の名前はアアル、よろしくお願いします、マスター。」
アアル、どっかで聞いた名前だな…
「マスター、これからどうしますか?」
アアルが聞いてきたので、こう答えてやった。
「ここに住む」