どうしよう…
はぁ、どこ?ここ。
俺は祠?のような場所にいた。
俺が、なぜここにいるのか。アホらしいが誰かに聞いて欲しい。
あのデカブツは、単純にデカイだけだった。
やっぱりうちのチート持ちには勝てなかったよ。
という幻聴が聞こえてくるレベルであっさりと。
その後、壁に人一人通れそうな穴が開いた。戦える奴らは少しビビりつつも次にの部屋へ進んだ。
それ以外大半の奴らも、その姿に安心したのかついていった。
が、もちろん怖がってついていかない奴らや、能力が戦闘向きでない奴は残った。
俺も、偵察としてついて行こうと考え荷物を取りに行った。その時、俺は見てしまったのだ。
大きさ的に誰にも気づかれていない。
這いつくばってようやく潜り込めるような。
しかも、大柄な男では入れない。
俺のような小柄な男がギリギリで通れるといった程度の小さな穴を。
俺は常に周りの時間を半分程度に遅くすることにしている。
そして、その穴は擬似加速状態でようやく違和感を覚えられる程度の速度で開閉していた。
俺はなぜかそこにたった一人で、それも誰にも知られず行かなければいけないと感じた。
さらに時の流れを遅くし、開いている時を狙って時間を止める。
後は、想像できるだろうが入った瞬間、定番の開かなくなる入り口。
狭いから荷物も何もないまま俺はぼっちになった。
そして、冒頭に至る。
あーっと、何か奥に続いてるから取り敢えず進むか…はぁ。
〜数分後〜
え?おかしくね?さっきまでスッゴい狭いとこを這いずってたよね?何でこんな広い場所あるの?なら最初から荷物持ち込ませて……一応食い物とかも入ってたんだからさ……
(お?そこにいるのは…俺か……)
あれ?もうおかしくなったらしい。幻聴。それも自分で自分に語りかけるレベルで……そんなに腹減ってたっけ?
(おい、無視すんな。)
あ、あそこに美味しそうな肉が………
(おい……はぁ。こりゃ、今回もダメそうだな……)
いただきま…………
(?俺なら、反応くらいは返してくると思ったんだが…)
……………
(……あ、これ気絶してやがる……)
「俺は正気に戻ったァァ。」
(はぁ…ネタはどうでもいいから俺の話を聞け。)
「アッハイ。」
そういえば、学校は飯前だったし昨日は徹夜でラノベ読んでたしな。丸一日何も食わず、自分と瓜二つの外見をしたものが出て来たから、混乱してぶっ倒れた。
さすがに栄養失調とかではなさそうなので、多分こういうことだろう。
(正直この解説も二十回目だからな。どうせ今回もダメそうだから、巻いていくぞ。)
……ウゼェ……
(ハッ、そっちの都合で創られて十年はここに閉じ込められてんだから愚痴位いいだろ。っと、また話が脱線しそうだな。とにかく聞けよ。)
「……あいよ。で、創られたってのはやっぱり時魔法でか?」
(あぁ。まぁ、他の魔法とかとの組み合わせでもあるんだが、俺の話を聞いてくれればその辺分かるから…)
(で、分かったか?)
「要するに擬似的なタイムリープってことでオケ?で、お前はそのタイムリープするために俺たちに創られたと……」
(まぁ、それはそうなんだが……で、何をするべきか分かったか?)
「とにかく、この先のダンジョン?をクリアすりゃいいんだろ?」
(ダンジョンつーよりかは試練部屋?らしいぞ。断片的な記憶しか入ってこないけど。)
「どっちにしろそこを突破すれば、誰も死なずにすむんだろ?」
(苦しむことにはなるがな。)
「もう一度聞くが、なぜ誰も死ななくなるのか……理由はわからないんだよな?」
(全くわからん。なにせ、なにもしなければ俺も必ず死ぬからな……)
はぁ………
「分かったよ行ってくる………」
(あ、これも持ってけ。)
と言って、俺に剣を渡してきた。
「けどさ、俺も剣とか使えないのは分かってるだろ?魔法的にも現代っ子的にも。」
(さぁ?俺を創った時の俺が毎回渡せとさ。)
「…一応、お守り代わりに持ってくよ。他に荷物もないから、持ってくこと自体は問題ないしな。」
おかしい、おかしいぞ?
試練部屋。それも、俺が何度か死んでいるという部屋。
死ぬとき、俺の通信魔法が切れる。
つまり、その時の俺が死ぬ少し前までのことを断片的にわかる言っていた。
が、俺が死ぬ理由はわからないという。
まぁ、前回の記憶はあの俺から貰ったし、この部屋の中では安全だろうがな。
死んでも第三第四の俺が、いるのはわかっていても、死ぬつもりはないから、びびってるのは許してほしい。
「ま、まぁ、とにかく進むしかないわけだし、頑張っていこう。」
そんな考え事をしていたからだろうか?
ビビっていたからなのか?
それとも、何もなかったから、意識では注意しているつもりでも無意識に警戒が緩んでいたのだろうか?
ガコンッ!!
え!?こんな最初のところに俺の知らない落とし穴があったのかよ!?それに、今は時を止めているはずだ!!
少しパニクったがとっさに崖につかまろうとした。
が、俺の伸ばした手は空を切る。
そして、俺は落とし穴の中にあった針山に猛スピードで落ちていき、
血の海を作った。
簡単には死ねなかった。落ちている間にできた傷や、山に突っ込んで針が刺さった場所から流れていく血。
今まで、血とか怖いものだと思ってたけど、意外と綺麗、だな。
そして、俺は死んだ。
「俺に説明なんかしなくても、最初から俺に前回までの俺の記憶を渡していれば話はすぐ終わったんでねぇの?」
と、俺の間抜けさ加減を改めて確認しつつ、
ガコンッッ!!
「っと。少し跳ぶタイミングミスったな。危ない危ない。」
落とし穴を回避。ちなみにさっきのは二回目の俺が死んだ時の記憶である。
俺の次は第二十一の俺とかになるのだろうが、言いにくくて仕方ないな。
あと、あの俺を創る時に、時魔素とでもいうべきものがこの先から根こそぎ奪い取られているようで、時魔法がさらに使えなくなった。
実験をした所、時と目は完全に使えず、加速減速が数十秒できるくらいだった。
え?便利だろって?戦闘中とかに加速とかできるだろって?
残念ながら俺はそんな反射神経持ち合わせていないし、自動発動もできないらしい。…もう嫌。
ちなみに、時間を巻き戻す直前にはヴァンパイアになってたらしい。何だよ血が綺麗とか。そこまで中二臭くはないぞ?
あ、時を巻き戻すのは、あの俺のスキルみたいなもんで、魔素に影響されないらしい。
「それに、死ぬ理由がわからないっていうのが、今の俺が死ぬ理由がわからないっていう意味だったのかよ。死ぬのは確定なのかよ…救いはないんですか…」
イラついてあの俺を殴ってみたものの、実態が存在しないらしく意味はなかった。
「クソ次あったら…ん?」
回避のタイミングをミスったからか、前回までの記憶にはないものが目に入る。
確実に二回目の死の時と比べて、針の数が増えている。
それに、数回前から感じていた本当に少しずつだが、一回死ぬごとに落とし穴が広くなっていくような違和感。
針山には大量の剣が針として追加されていた…




