月が…
そんなに経つか
もう
いや、まだ5年
さいごにみた俺は笑っていただろうか
ちゃんと笑えていただろうか
さいごのあいつは綺麗だった
まるで猫のようだった
気まぐれで、最後は姿をくらました
またかってみんなで話してたんだ
どうせすぐふらっと帰ってくんだろって
でもなかなか帰ってこなくて
携帯も繋がんない
最初はどうしたんだってみんな心配してたけど
そのうち名前も出なくなって
2年ぐらい経った頃かな
俺入院しちゃって
そしたらいたんだ
あいつが
あいつ驚いた顔してた
言いたいことはたくさんあるのに
なんで、なんでばっかたくさんあったけど
でもなにも言えなかった。
あいつ泣いてた
綺麗だった。
あれから5年
あいつの中で俺は生きてる
突然の事故で脳死状態になった俺が運ばれたのが
あいつのいる病院だった。
あいつ心臓が悪かったみたい。