表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

【裏と表】

三章 神様の操るこの世界は何色だったのだろうか



「ちょっと君が必要になるかもしれないからね」

なんでだろうという疑問とちょっとした頼られる嬉しさが何故だか沸き上り鼻をツーンとさせた。


第三章 【裏と表】


「さて、弟の話をしよう」

ニコッとしながら、ラクは一旦、拘束されている僕の目の前にかがんで顔を覗き、話し出す。


「僕の弟はラピト、ヘルア王国の第2王子だ、僕の家は王族で、僕の両親…国王と王女は昔、戦死した。幼い頃の弟は、両親の事を心から愛するとても優しい子だった。」


ラクは少し寂しそうな顔をして俯く。


「僕らの国はもともとみんなが仲良く平等で心優しい人が多く、終戦後も変わらずそのままだった……。

だけど、ラピトは変わってしまった。両親が亡くなったショックで何もかも…。僕もこの話をする直前くらいまで、ラピトに投与された薬で操られていた。さっきまでの僕は全部ラピトの人格だ……。どうして…こうなってしまったのだろう…」


さっきまでの言動とは全く違い、表情も落ち着いていて、別人だった。

この話は本当かもしれない。


すると、ラクはいきなり地下室で薄暗い中見えない壁よりも遠くを見ているかのようなスーっと透き通るような目になる。


ゆっくりと立ち上がると…


「んなっ!?」


ハクのおでこにはラクの手が当てられていた。

すると頭が軽くなる…

何かを抜かれていくような…そんなような感覚。


ラクはハクの方を見つめている…


ハクは気づいた…。ラクが泣いていたことに。


何故かそんなラクの顔がボヤけて消えてゆく。


意識が遠のいている…。


そして確かに、小さな声ではあったが、ラクは「ごめんね…」と言っていた。

それがどういう意味なのか僕はまだわからない。


続く







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ