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【声の届かない場所】

2章目から読みやすいくらいの長さになりまっする!!

二章 神様の操るこの世界は何色だったのだろうか




「…あれは、僕とマジュが幼かった頃の話…」


第2章 【声の届かない場所】


「魔物が誕生するために必要なのはクリスタル…、マジュのクリスタルはとっても大きくて、王族の墓とされていた、クリスタル状態だと、近くに落ちる死体に根を伸ばし、栄養を取るのが普通…、大きいクリスタルだと強いものが生まれるという言い伝えから、国を守る王にするため、王族の死体を埋め、血を捧げるという儀式を行っていた。」



僕は、少し間を開け、静かに目を閉じた。そして続ける。

「僕はマジュのクリスタルとくっ付いていて…まぁ、双子だから…でも、僕のクリスタルはマジュのより少し劣っていた。栄養があまり取れなかったんだ」

さっきと違い、気まずい間が結構続いた。

拘束されながらのシリアスな話はちょとキツイ。

「クリスタルは血の栄養を吸い込むたびにどんどん大きくなり…、やがて血の色に染まったという……、ここまでの話は理由があって兄弟の中で僕しか知らない。」


「そうして、王族の血を受け継いだマジュが生まれた。生まれながらの王族なので城で、暮らす…と思いきや、マジュには色々な血が混ざっていてとても純粋なものではなく、国に住む住人…王…貴族までもが恐れるほどの力を持っていた。それにマジュの魂のクリスタルは桜猫のもので…、桜猫とは史上最強な最少種族だからとっても大切にしたかったのだけど、その気持ちよりもマジョの力を恐れて、このまま野放しにするより捕まえて実験台にした方がいいという声が多かった。」


さっきまで笑みを浮かべていたラクも

真剣な表情で、ゴクリと息を飲んでから、「続けて、」というように、あいずちをした。


僕は続ける。


「それで…生まれたばかりのマジュは要注意S級魔法使い牢獄26番本部の地下の特殊な液体の中で薬物漬けにされていた。激しい拷問もうけた。マジュの体はもうボロボロで死にそうだった…それを知って僕はほんの少しの間だけしか会ったことのない兄弟、マジュを助けに行った。そしたら…」


「そしたら…?」


「マジュの監禁されていた牢獄26番と隣の25と27の半分が崩れていた。S級の牢獄はすごく固く頑丈に作られてるのにマジュは残りの力だけでそれを壊した。そして脱獄…。」


「当たり前だけど、牢獄官たちがマジュを捕まえに走った。マジュはそこで、危ないから、と助けに来た僕に気づいて山奥の小さな小屋に逃がしていなくなった。しばらく走って疲れ果てたマジュはある女の子と出会う。それが神話【桜の木の下、咲夜物語】」


そして続ける。


「マジュは女の子…咲夜姫に助けられたのか僕を逃がした小屋の前で倒れていた。すごく安心した…マジュが生きていたことに…、、」


「ねぇハク、マジュはその神話によると、咲夜の瞳を食べて不死身なんだよね?って事は今熱がでててもすぐ治るはず……、治ったらマジュは小屋から出かけたりするのかい???」

僕は、すっと考えるようにして答えた。

「多分出かけないよ、マジュは外に出れないからね」


「そっか、そうだよね…」

ラクは少しニヤける。少し落ち着いて口を開いた。


「ありがとね、じゃあ僕の弟、ラピトのことを話そう……、と、その前に電話してもいいかい?」

やはり怪しい笑顔だが、なぜかその顔には優しさと切なさと上品さがあった。僕は少し見惚れてしまい返事に遅れた。


「あ、もしもしラクだ、ヘルア第一兵士につないでくれ」

まぁ、予想はしていたが、僕の返事を待たずにラクは電話をし始めていた。

電話をしながら、暗い地下室を出た。


「遅くなってごめんね、」

しばらくして帰ってきた。

「もう話ししたから、この拘束外してくれない??」

うーん、と顎にそっと手をおいてワザとらしく考えるふりをした。

「ごめん、まだ外せなーい」


嬉しそうに微笑みながら残酷な事をサラッと言うこいつに僕は、二度目の恐怖を覚えた。


「約束と違うじゃん…、」

ボソッと言った泣き文句はラクの耳に届いた。

「ちょっと君が必要になるかもしれないからね」

なんでだろうという疑問とちょっとした頼られる嬉しさが何故だか沸き上り鼻をツーンとさせた。


続く…






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