説明
お久しぶりです...
伊藤、寒すぎて凍死しかけです...
「今日から本格的に治療を開始します。」
午前9時頃、とある病室で優瑚のこれからについて説明が始まった。
田中は治療器具を見せながら、優瑚たちに説明する。
「薬は主に血糖値を抑えるもの、養分を補うもの、肝臓の働きを助けるものと、計三種類の薬を点滴とカプセル型の薬で投与します。」
次に田中は病院生活を大まかに説明した。
起床したら、薬を飲み、点滴を打つ。
終了したら朝食。
その後は病院学習。
病院学習の後は注射器の練習を一時間ほど。
そして昼食。
その後再び病院学習。
夕食まで自由、しかし行動範囲は病院内。
夕食を食べる。
そして風呂、遅くて10時に就寝。
このような病院での生活が半月ほど続く。
優瑚の体調が安定すれば予定通り一時帰宅、悪化すれば長くなる。
全ては優瑚次第なのだ、と田中は言った。
優瑚以外の家族が神妙に頷いている中、優瑚だけが顔を青く染めていた。
「...嘘やん。」
「どうしたんや?」
優瑚に気づいた夏輝が首を傾げた。
「...勉強あるん、先生?」
「...ありますねぇ。」
田中は優瑚に苦笑いを零しながら答えた。
圭吾と美智代は溜息を付く。
「心配するとこは、そこなんやね...」
「...優瑚、お父さん悲しい、すごく悲しい。」
「...」
時雨だけは優瑚に同情の視線を送っていた。
夏輝は、ポンポン、と優瑚の肩を叩く。
「分からなかったら、教えてあげるから大丈夫や。
...優瑚、勉強できるほうがいいんやで。」
今度は優瑚が首を傾げた。
「何で?」
「人はな、勉強しないと退化して最終的に...ミジンコ以下になるんや。」
「嫌やぁぁぁ.. 」
「やろ?ってことで頑張るんやで?」
「分かった...」
またもや、夏輝は優瑚にやる気を出させたのだった。
田中は微笑ましい兄妹仲に和みながらも説明を続ける。
「最初にも申しました通り、優瑚さんのご病気糖尿病は今の医学では治せません。」
「「「「「...」」」」」
「今医師ができる最善は病気の進行を止めることです。
...なので、医師が言ったことは絶対に守ってください。」
優瑚は田中の言葉に頷く。
「...分かりました。」
田中は優瑚に微笑むと圭吾たちに頭を下げた。
「ご家族の皆様も辛いでしょうが、ご協力お願いします。」
圭吾たちは目を見開いた。
本当に頭を下げてお願いしなければいけないのは自分たちなのに、と。
「頭を上げてください、先生。
こちらこそ、優瑚をお願いします。」
圭吾は田中に向かって深く、深く頭を下げた。
美智代や夏輝、時雨、優瑚も頭を下げる。
「...はい。全力で優瑚さんをサポートさせていただきます。」
だんだん夏輝がサディスチィックに...
もう少し控えめ目指します...