母の告白
病気の話なので、不快に思う方はご遠慮ください。
「大変残念ですが、加賀見 優瑚さんあなたは1型糖尿病です。」
母は小学6年生の時、検尿の検査で1型糖尿病と判断だれたそうです。
私、戸内 美瑚は私の母、戸内 優瑚[旧姓 加賀見]に当時小学4年生の時
「お母さんは、糖尿病っていう病気になってんねん。」
と、夕食時にテレビを見ている時に言われました。
「...今何て??」
「だから、お母さんは糖尿病やねん。」
私はその時すぐには理解できませんでした。
健康そのもののような母が病人だとは見えなかったんです。
「はぁ?冗談やろ?今だってめっちゃ元気やん。」
「今は調子いいだけや。」
母が言うには小学6年生の時、小学5年生の3月頃から急激に体重が減ったそうです。
「毎年恒例の検尿でも『今年も何もないやろなぁ。』って気楽に受けた。
そん時はな、悩みだった体重が減るし、新しいクラスに変わるしって、めっちゃ嬉しかってん。
でもな検尿の結果が健康な人とちゃう(ちがう)かったみたいで、再検査を何回もしてん。
それでもやっぱり結果は同じで、とうとう検査入院することになったんや。」
その時の母は「何も知らない病院で一人で検査を受けることがとても怖かった。」と言いました。
今の母からは想像できませんでした、母が怖がる姿は。
「お母さんが怖がる!?嘘や!!今めっちゃ強いやん、しかもお父さん以上に。」
「しゃあないやん(仕方ない)!!そん時めっちゃ、ちっちゃ(小さい)かったし大人がたくさんいるとこにひとりやで!?」
母は笑いながら話していました。
私にはその時は本当に母が病気だとは信じられませんでした。
言い方は悪いですが、私の病人の印象としては
病院もベッドで寝ていて、点滴を打たれていて、すごく弱っている...というものでした。
そんな印象からかけ離れている母が病気にかかっていると認識するには
とてもの時間が必要でした。
三日間に及ぶ検査入院を終えた母は後日結果を伝えられました。
―個室―〈母 優瑚の話より再現〉
「大変残念ですが、加賀見 優瑚さんあなたは1型糖尿病です。」
母、加賀見 美智代と父、加賀見 圭吾は驚きと悲しみが入り混じった顔をしていた。
告げられた優瑚は驚きでいっぱいだった。
(うちが糖尿病...?なんで?こんなに元気やん、どこもおかしくないやん。)
父は1型という聞き慣れない言葉に疑問を持った。
「あの1型というのはどういうことで...?」
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