第十一章:勇者パーティーのヒーラー運命の人に出会う
今回は新キャラクターのヒーラーのクララちゃんが登場します。
どんなキャラクターか読んでみてください!
あたしは勇者パーティーのヒーラーのクララ……
このパーティーに入ってまだ短いけど、
いい加減うんざりしてる。
アンガス湖には着いていかなくて正解だった。
勇者のやってることは野蛮すぎる。
その仲間たちの行いも……
拠点に戻ってきてニヤニヤしている勇者は、
なぜか小躍りする。
「ねえ」
「その卵どうしたの?」
クララは嫌な予感がして勇者に尋ねる。
「ああ、これか~」
「赤邪竜の卵だ!」
「見たことないだろ!」
勇者は誇らしげに、
卵を掲げる。
「これを王国に持ち帰って、」
「最強の兵器にするんだ!」
「ペットにして連れ歩けば……」
「崇拝されるぞ」
「英雄としてな」
「そうだろお前ら!」
勇者は仲間たちに声をかける。
「ああ!」
「おれたちは神になるんだ」
仲間たちはそれぞれ答える。
「そして君は神に仕える女神になるんだよ」
勇者は何か含みを、
持たせた笑みを浮かべる。
「やめて……」
「あたしは……」
「もう抜けるわ」
クララは今まで言えなかったことを伝える。
「何だって!?」
「ここまで一緒にやってきたじゃないか!」
さすがに動揺する勇者。
「もうあなた達にはついていけないの」
「ヒーラーも必要ないみたいだし」
クララは投げやり気味に話す。
「そ、そんなことないぞ」
「いてくれて助かるよ」
案の定、勇者は図星をつかれて、
微妙な反応になる。
「故郷に帰って……」
「僧侶にでもなるわ」
クララの実家は僧侶の家系なので、
継ごうかと考えている最中だ。
「似合わないぞ!」
本当に空気の読めない勇者だ……
「ここでヒーラーしてるほうが無理……」
クララは勇者の性格に、
うんざりしていた。
「ちっ……」
「わかったよ」
「出て行け」
「お前はもう必要ない」
「今までご苦労だった」
勇者は解雇を宣言する。
どこまでも酷い男である。
「こちらこそ」
「……大して役にも立てなくて」
「申し訳なかったわ」
クララは嫌だが挨拶はしっかりとする。
「そうだな!」
「あばよ」
「クララ」
「一生祈り続けるんだな」
捨て台詞を吐く勇者であった。
「……むかつく」
「じゃあね!」
クララはパーティーを抜けて、
自由になったが……
やることもなく暇なので、
とある街を散策していた。
そしてクララはシアンに出会ってしまう。
場面を変えてクララがシアンと出会う前に戻ろう……
「ドラゴンの卵どこにあるのかしら……」
アリシアはアスタロテの手をつなぎながら、
あたりを見回す。
「恐らく勇者たちのキャンプか……」
「もしくはギルドに行って聞いてみますか?」
シアンも挽回しようと提案する。
「なら私がギルドで話を聞いてくるわね」
ベアトリスは単独行動に慣れている。
情報収集は得意分野だろう。
「さすがベアね!」
「手分けして探しましょう」
ベアトリスに手を振って別れる。
「早く見つけたいの……」
落ち込んで弱気になるアスタロテ……
「大丈夫よ」
「必ず見つかるわ」
アリシアは落ち込んでいるアスタロテを慰める。
「わかったわ」
ベアトリスはギルドに、
向かって歩いていく。
偶然話を近くで聞いていたクララが、
アリシアたちのところへやってきた。
「あ……」
そしてクララはシアンに、
一目惚れしてしまった……
「きれいな人……」
あんな素敵な人は見たことない……
あたしより背も高いし……
運命の人なのかな?
クララは勇気を出して、
シアンに話しかける。
「もしよければ……」
「勇者たちのいる場所まで案内しましょうか?」
辞めたばかりで、裏切り者とか、
言われるかもしれないけど、
そんなこと知らないわ。
でも燃えるような恋を優先したい……
「どういうことでしょうか?」
「スパイですか?」
シアンは警戒する。
「ち、違います!」
「あたしは解雇されたヒーラーなんです……」
嘘はついてないよね……
なんとかなってほしい……
クララは内心、祈り続ける。
「なるほど……」
シアンは納得した表情だが……
赤髪の美少女が絡んでくる。
「おい!ヒーラーよ!」
「余の卵はどこだ!」
アスタロテは今にも掴みかかろうとする。
「アスタロテ落ち着いて……」
アリシアはなんとかなだめる。
「命拾いしたな!」
「アリシアがいなければ……」
「街ごと消滅させておるわ!」
アスタロテは怒り狂って、
今にもドラゴン形態になりそうだ。
「ごめんなさい」
「あたしは止められなかった」
「遅すぎるかもしれないけど……」
クララは後悔と共に謝罪する。
「いいえ」
「今からでも協力してくだされば……」
「挽回できますよ」
シアンは上手くフォローする。
「ありがとうございます」
「あたしはクララと申します」
礼儀正しいのは両親からの教育の賜物だ。
「私はアリシアよ!」
「よろしくね!」
アリシアはとびきりの笑顔で挨拶する。
「こちらこそ」
「信用してくださって、」
「ありがとうございます」
クララはすぐに頭を下げて礼をする。
「余は信用しておらんぞ!」
「さっさと案内しろ!」
アスタロテは今にも暴れ出しそうだ。
「この子を傷つけないで!」
「アスタロテ!ダメよ!」
「ぐぬぬ……」
必死に抱きしめてなだめ続ける。
「あとこっちの執事はシアンよ!」
どうにかアスタロテを強引に押さえながら、
アリシアは説明していく。
「よろしくお願いします」
シアンは珍しく手を差し伸べて、
握手を求めた。
「はい……」
「シアン様……」
その手を優しく握り返すが……
クララはすっかり恋する乙女の顔をしている。
「妙な空気じゃな……」
ガランドは四人をみて、
なぜか一人で納得するのであった。
こうして解雇されたヒーラーは、
女執事に一目惚れし、
新しいパーティーに入る。
シアンに一目惚れしてどうなってしまうのか……
次回はついに勇者たちの拠点に突入します!
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