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極彩は踊る  作者: ごろー
曉の騒乱編
6/14

灰の帝国

またもや短いorz


その知らせは、飛脚よりも早く国中を駆け巡った。


如何せん話題の少ない時代ではあったが、それでも此の話が王都シェブロンからたったの2日足らずで辺境の村々迄届いたのだから、人々のネットワーク程恐ろしいものは無いのかも知れ無い。何処も彼処も其の噂で持ち切り、国の民であろうが無かろうが、人々は嬉々として此の話を事あるごとに持ち出した。


次の魔帝様は余程強いのか、余程愚かなのか、と。


何故ならば、新たな次期魔帝はその盾となる者を1人しか選ばなかったのだ。これは帝国始まっての異例の事態である。


代々帝国は、魔帝と王の盾(エスカッシャン)という近衛兵と閣僚から成る組織によって支配されてきた。王の盾に入るには、政治、近衛、何れにしても三部会と魔帝の信任が必要に成る。その為、何れ程野心家であっても、国の中枢を握るのはなかなか難しい話であった。


そんな政治体制を、史上主義を貫く貴族たちが良く思う訳が無い。


その為、魔帝は常に誰かから命を狙われている、と言っても過言では無いのだ。先帝公の時分など、一日に5、6度は刺客がやってきた程なのだから。


そんな訳で、どれだけ力の強い魔帝でも、近衛騎士を必ず何人かはつけていたという。国の記録にもはっきりと書かれているので、間違いは無い。第3代は50人、第12代は32人という様に。


然し、今回は些か事情が異なる。前述の通り、新たな次期魔帝は近衛を1人しか取らなかったのだ。しかもまあ、その1人というのも瘦身でひょろりとした、何とも頼り無さそうな男なのである。為政者の顔も知らぬのに、高が一介の近衛兵の風貌ばかりが有名になるのは何とも不思議な事ではあるのだが。


こんな男に、魔帝の盾など勤まる筈が無い。


世間一般の目は何処ぞの貴族やらのそれよりも、此の異例の事態を的確に見据えていた。


筈だった。



用語の元ネタとかそんなもの


エスカッシャン:紋章学において、盾の意

シェブロン:紋章学において、盾の模様(オーディナリー)の一種


はい、まんまです

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