姉から父へ
父は騎士団長に俺を任じたいと考えていたが、姉のモニカはどうやら俺にもラオール家の政務に携わってほしいようだが。そのあたりが微妙に食い違っているみたいだし少し聞いてみる。
「あの、もしかして姉上は俺が騎士団長になるのは反対なのですか?」
「いいえ、メイルとの年の差はそこまでないけど、魔力0のあなたに役割を与えるとすれば騎士団長が妥当なのは私も理解しているわ、メイルもあなたが騎士団長になったあかつきには副騎士団長として支えるつもりらしいし」
「そうですか……」
「だけどラオール家に生まれたからには武の面だけを強調するのは私はどうかと思っているのよ、魔力が0なりに文治の面でもラオール家の為になるようなことはしてほしいわ」
姉上、そんなつもりはないんだろうけど魔力0をそんなに連呼しないでくれ、役割が与えられたことには感謝しているけど、意外にその事実に堪えているから。そこまで強調されるとみじめになってしまう。
「ジュン、今日の修行はもう終わり?」
「はい、これは自習でやっていることですから」
「それじゃあ今頃お兄様がお父様に報告をしているころだろうし、あなたの政務への関りについてどの程度考えているか聞いてみましょう」
「ええ、今からですか⁉」
そう言って、姉上は俺の手を引いて父の執務室を目指していく。そのままの勢いであっという間に執務室に到着し扉をノックし、中にいる父に声をかける。
「失礼します、モニカにございます、お話ししたいことがございますのでよろしいでしょうか?」
「モニカか、いまアダムより報告を聞き終えたところであるし、入るがよい」
父に促されて姉は執務室に入っていき、俺もそのまま姉と一緒に入室した。
「ジュンも一緒か?もしやジュンに関することか?」
「はい、お父様のジュンに対するお考えをお聞きしたく、ジュンも同行させた次第です」
「私のジュンに対する考えとな?」
「はい、ジュンは魔力0と鑑定されたことで現在は次期騎士団長になるべく現騎士団長のメイルより剣ならびに気功スキルの修行に励んでおります」
とりあえずまずは現在の俺についての話をして、それで一拍おいてから本題に入る。
「魔力0である以上、剣やそれに伴ったスキルの修行に励んでもらうのは私も理解できますし、異論はございません、ですがジュンもラオール家の一員である以上、政務にも携わってもらう必要があると思いますが、それについてのお父様のお考えを聞きたく参上しました」
父相手でも一気に話を進めてきたな。さあ、父はどう考えているんだろうか?正直ちょっと怖いな。




