模擬戦開始
ダンテ副団長の最大の得物、それは5メートルはある槍だった、確かにそんな槍を扱えて剣より得意と言い切るのはすごいと思うが、ひょっとしてこれで気弾が使える俺に勝つつもりだったのか?単純にリーチを取るというなら俺のほうが有利のはずなのに。
「ジュン様。槍じゃ気功スキルに勝てないだろうってお考えですか?ジュン様、そんな程度の考えで戦いに臨むほど俺は甘くありませんよ」
「そうは言うけどな、その長槍じゃあ取り回しはききにくいだろう、動きやすさなら俺のほうが上なのは紛れもない事実だと思うけどな」
「まあいいです、俺の槍は攻撃だけに使うわけじゃないんでね」
槍を攻撃だけに使うわけじゃない?どういう事だ?まあいい、どんな手を使ってこようが俺は俺を信じてくれたメイルの為にも負けるわけにはいかない。それに父だって推薦してくれたし、何より俺は誰も倒せなかったガーゴイルを倒したんだ。これで負けたら元より資格がなかったって事になってしまうからな。
「それじゃあ2人とも、訓練所の中央まで移動してください」
「ああ」
「分かりました」
メイルがこの模擬戦の立会を務めるようだけど、俺もダンテもこの戦いで剣を使うという考えはないはずだし。どういうルールの模擬戦をさせるつもりなんだ。
「では、これよりジュン様とダンテ副団長の模擬戦を始めます、立会は僭越ながらラオール家騎士団長メイル・ファブが務めさせていただきます」
「団長、ジュン様もダンテ副団長も剣を使う様子はなさそうですがどのような模擬戦にするおつもりで?」
「我ら騎士団長の模擬戦は本来剣を使用するが、今回はお互いの持ち得る武器、もちろん気功スキル等も駆使しても構わないとします。そして勝敗ですが相手を戦闘不能に追い込んだ者の勝ちとします」
「戦闘不能ですか?具体的にどのような状況になったらですか?」
騎士も前例のない模擬戦だからか戸惑っている中、メイルは毅然とした態度でその模擬戦の勝敗ルールについて説明する。
「抵抗できないほどの負傷、戦意の喪失、オーラを発せられなくなる事、そして互いの武器を完全破壊した場合が基本で、それ以外に何か予期せぬことが発生したら私の判断で戦いを止めさせていただきます!お2人ともそれでよろしいですね?」
「そうだな、分かった」
「それで構いませんよ、団長早く始めてください」
「それではこれよりジュン様とダンテ副団長の模擬戦を開始します!両者構えて……始め!」
いよいよ俺とダンテの模擬戦が始まったぞ。さあ、やつはどう来るか?




