陣触れ
父に俺の気功スキルによる気弾で訓練用の人形を破壊した事を報告すると、なんと俺は父より初陣で前線に赴くよう言われた。
「ゴリオン様、ジュン様の初陣にございますか」
「うむ、修行が一段落したらしてもらうつもりであったしな、それにジュンは想像以上にスキルを自分の物としている。初陣の成果も期待ができるな」
「それで父上、初陣では一体何と戦うのですか?」
「アダムの報告によると小規模な魔物の巣が西側に発生しているようだ。アダムに指揮をしてもらい討伐するつもりであったが、この巣にいる魔物の排除をお前の初陣としよう」
兄アダムが発見していた魔物の巣にいる魔物の駆除がどうやら俺にとっての初陣になるらしい、そこにメイルも口を挟む。
「ゴリオン様、私にもご同行を許可していただけますか?ジュン様の才は想像以上ですが、実戦は初めてにございます!補佐が必要かと」
「無論だ、戦場での指揮は不慣れであろうからメイル、お前がしっかりと支えてやるのだ」
「はっ!お任せください」
「早速ではあるがジュン、領内にお前の名で陣触れを行いまずは兵を集めるのだ」
陣触れ、確か領内で戦いがあるからって喧伝して、自分の元に兵を集める儀式というか手順というかそういう行いだったよな。
「はい、兵が集まり次第に出撃いたします」
「分からぬ事はメイルに聞きながら準備を進めろ」
「はっ!」
そう言われ、俺達は執務室をあとにして出撃の準備のためにまずは陣触れをすることになり、早速メイルからアドバイスをもらう。
「まずは館内の兵に出撃する事をご命じください、多くはジュン様の私兵になるでしょうが、今回は私の私兵も加わりますので多くの者が出撃しますでしょう」
「そうだな、それはありがたい」
「それが終われば近隣の村や街にもお触れを出すのです、腕自慢の者が傭兵としてはせ参じますので」
陣触れとは領内にお触れを出して戦いがありますよって喧伝するものであるが、それには兵の動員という重要な役目があるのだ。俺やメイルの兵はすぐに共に出撃できるが、それ以外で俺達の権限で動かせる兵は少ない。当然父や兄達にも私兵はいるが、それらは父達の命なく動きはしないので数不足を街や村の腕自慢で補うのだ。
もっとも今回の戦いは比較的小規模なものになりそうだし、俺達も武具をしっかりと装備をする事とした。俺が自室で装備の準備が完了すると外から扉をノックする音が聞こえてきたので返事をする。
「どうぞ」
扉を開けるとそこにいたのは姉モニカとモニカの侍女であるマリーであった!どうして2人がここに?




