試し撃ちのつもりが
俺に剣技と気功スキルの修行の指導をしているメイルは姉モニカの侍女であるマリーと同じ日にラオール家に出仕してきたというのだ、元ルームメイトで仲良くしていたという話をメイルから聞かされると今日もいつものように気功スキルの修行をした。
修行中に俺は何かを感じ取り、メイルに声をかける。
「メイル少しいいか?」
「いかがしましたか?」
「ああ、実はなんていうかいつものように体内にオーラを定着させる修行をしていたんだけど、定着自体はうまくいっているんだけど、なんて言ったらいいのかな、まるで今ならオーラを自由にできそうな気がするんだ」
「オーラを自由に?まさか気を放てるとおっしゃりたいのですか?」
簡単に言うとそういうことだな。もちろん確証があるわけじゃないから一度メイルに許可を取る必要があると思って声をかけさせてもらったんだけどな。
「ああ、剣の修行用のあの人形があるだろう、とりあえずそれに放ってもいいか?」
「ええ、ジュン様が感覚をお試しになりたいならば、とりあえず放ってみるのがよろしいかと」
「ありがとう、それじゃあやってみるよ」
定着させたオーラをどうやって気弾として放つかは気功スキルの本を読んで感覚は分かっている。あとはその方法で本当に放たれるかどうかだ。
そして俺は修行用の人形に対し遂に気弾を放つことに成功する。その気弾は見事に人形の胸を貫いた。
「ジュン様!お見事です!まさかオーラの定着だけでなく気弾までもを習得なさるなんて」
「あ、ああ……」
いや、俺も放てるなという感覚はあったんだよ。だけどまさか木で作った人形を貫けるなんて、それもあの人形は剣の訓練用だから剣でもそう簡単に斬れないように補強されているし、それを貫けるなんて威力も俺が思った以上にあったな。
「早速ですがジュン様、この修行の成果をゴリオン様にご報告しましょう」
「父上にか?そうだな、気弾を習得したからな」
「ええ、それからあの人形を兵士に運んでもらい、ご覧いただきましょう、しばしお待ちを」
そう言ってメイルは俺が気弾で貫いた人形を運んでもらう為に館の兵士を呼んでくる。メイルが兵士を連れてくるとその兵士達は人形を見て驚きをあらわにする。
「こ、これをジュン様が剣ではなく気功スキルで貫いたのですか⁉」
「いや、剣でも切り裂くのが難しいこの人形を気功スキルの気弾というやつで貫くとは」
「私も驚いたわ、これなら私が騎士団長をジュン様にお譲りする日もそう遠くないかもしれないわ」
騎士団長はさすがに経験を積む必要がありそうだが、とりあえず父に修行の成果を報告だな。




