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人間性の回復

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リスタート戦記:記憶喪失の俺と少女の手帳 連載中です!

https://ncode.syosetu.com/n7153ko/

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アキラはゲームの世界に没頭していった。

彼は様々なアナログゲームを試し、その奥深さに魅了された。

チェスでは、論理的な思考と先を読む力が養われた。

将棋では、大局観と柔軟な発想が求められた。

囲碁では、全体を見渡す視野と、小さな石一つにも意味を見出す繊細さが培われた。


システムからの警告は日常となり、彼のパフォーマンス評価は最低を記録していた。

しかし、アキラの心は、かつてないほど充実していた。


彼は、ゲームを通して、自分の中に眠っていた「人間性」を取り戻していくのを感じた。

感情が豊かになり、思考が深くなった。

そして、何よりも、「楽しい」という感覚を知った。


ある日、アキラは「タイムワープ堂」で、一人の女性と出会った。

彼女もまた、アナログゲームを買いに来ていた。

彼女は「ユキ」と名乗った。

ユキもまた、最適化された社会に息苦しさを感じている「ナチュラル」だった。


二人はすぐに打ち解けた。

ゲームの話、昔の世界の話、そして、この最適化された世界の不条理な話。

会話は尽きなかった。


ユキは、アキラに「手芸」というものを教えてくれた。

無数の糸と針を使って、美しい模様を編み出す。

それは、予測不可能な偶然性とは違う、しかし、計算だけでは生まれない「創造性」に満ちたものだった。


アキラは、手芸にも夢中になった。

無機質なデータばかり見ていた彼の目に、カラフルな糸の色が鮮やかに映った。

指先で感じる布の質感、針が布を貫く微かな音。

全てが、彼にとって新鮮な驚きだった。


彼らは、時にゲームで勝負し、時に手芸を教え合った。

二人の間には、温かい交流が生まれた。

それは、システムが「非効率」と判断するであろう、しかし、人間にとってかけがえのない時間だった。


アキラは、もう「最適化」された自分に戻りたいとは思わなかった。

彼は、不完全で、無駄が多くても、人間らしく生きることに喜びを感じていた。

彼のパフォーマンス評価は、もはや関係なかった。

彼は、自分自身の価値を、システムではない場所に見出したのだ。


最終話:アナログの輝き

ある日、アキラの元に、システムから最終警告が届いた。

「アキラの遺伝子最適化プログラムは、限界に達しました。強制的な再最適化処置を実施します」


それは、アキラの「人間性」を奪い、再びシステムに組み込むための処置だった。

アキラはユキに連絡した。


「僕、この世界から逃げたい」

ユキは黙って頷いた。


老人が、二人に古い地図を渡してくれた。

「この地図の先に、まだ最適化されていない場所がある。そこには、君たちのような人間が、ひっそりと暮らしている」


二人は地図を頼りに、地下の通路を進んだ。

システムからの追跡をかわしながら、彼らはひたすら歩き続けた。

途中で何度か危機に陥ったが、その度に、ゲームで培った思考力と、ユキの冷静な判断力で切り抜けた。


数日後、彼らは目的の場所に辿り着いた。

そこは、豊かな自然に囲まれた、小さな村だった。

空は青く、木々は緑に輝き、鳥のさえずりが響いている。

かつてアキラが夢で見た、あの風景そのものだった。


村には、多くの「ナチュラル」たちが暮らしていた。

彼らは、畑を耕し、動物を育て、手作りの道具で生活を営んでいた。

効率的ではない。無駄も多いだろう。

しかし、彼らの顔には、満ち足りた笑顔があった。


アキラとユキは、村で暮らし始めた。

アキラは、村の子供たちにアナログゲームを教えた。

子供たちは、サイコロの出目に一喜一憂し、駒の動きに歓声を上げた。

その無邪気な笑顔を見るたびに、アキラの心は温かくなった。


ユキは、村の女性たちに手芸を教えた。

色とりどりの糸で編み出される模様は、村の生活に彩りを与えた。


アキラは、初めて「生きている」という実感を得た。

最適化された世界では得られなかった、不完全な、しかし、輝かしい「人間」としての人生だった。


彼らは、時折、遠く離れたビル群の光を眺めた。

完璧な世界。しかし、そこには、もはや彼の居場所はなかった。

ふう、書き終わった……!

短編はやっぱりサクッと書けていいですね!


あの、「転生したらスライムだった件」ってご存知ですか?

あれも異世界転生なんですけど、現代知識で異世界を攻略していくのが面白いんですよね!

あと、やっぱステータス表示、あれは画期的でしたね!

今回の話も、ちょっとそういう要素を入れたつもりなんですけど、どうでしたかね?


僕もいつか、あんな大作を書きたいですね……

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