六一、デヘルの力を思い知れ!
六一、デヘルの力を思い知れ!
アフォーリー率いるアフォーリー隊は、茶竜が来るまでの間に、ビ・チャブリンの討伐作戦を開始した。
まず、林道に転がっっていた死体を小間切れにした肉片を餌にして、釣りの得意な兵士達に、ビ・チャブリン達を誘き寄せる任を与えた。
程無くして、ビ・チャブリンが、多数で、水中から、河川敷へ駆け上がって来るなり、勢いそのままに、釣りをしている兵士達へ、襲い掛かった。
アフォーリーは、最後部の土手の上から、戦況見て居た。そして、「槍と弓の部隊に、指示を出せ!」と、左右に居る伝令へ、指示した。近接戦闘よりも、距離を取った戦法の方が、有効だからだ。
その直後、「はっ!」と、左右の伝令が、各々の方向へ駆け出した。
「相手にとって、不足は無いな」と、アフォーリーは、口元を綻ばせた。隊の士気を高めるのには、丁度良い相手だからだ。
次第に、重装兵の部隊が、ビ・チャブリン達の前面へ出て、防衛網を構築し始めた。
「うむ。訓練通りだな」と、アフォーリーは、重装兵の部隊が、ビ・チャブリン達の勢いを止めている事に、にんまりとなった。訓練の成果が、旨く機能しているからだ。
やがて、ビ・チャブリン達の勢いが、完全に削がれた。
そこへ、後方の槍兵の隊が、重装兵の隊列の隙間より、槍を突き出した。
次の瞬間、ビ・チャブリン達が、次々に、串刺しとなった。そして、後続の者達が、踵を返して、川へ向かって、逃げ始めた。
その瞬間、矢の雨が、無情にも、逃走するビ・チャブリン達の頭上へ、降り注いだ。そして、ほとんどの者が、河原で、力尽きた。
しばらくして、兵士達が、勝鬨を上げた。
「まあ、魔物相手では、こんなもんか…」と、アフォーリーは、目を細めた。腕馴らしにしては、上出来だからだ。そして、「しばらくは、手出しをして来ないだろう」と、口にした。恐怖を植え付けたようなものだからだ。
しばらくして、河原が、静まり返った。
アフォーリーは、欠伸をした。そして、「デヘルの力を思い知れ!」と、したり顔をするのだった。




