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英傑物語  作者: しろ組


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一六、夜明けの林道

一六、夜明けの林道


 ゴルト達は、目を覚ますと、身支度(みじたく)を整えて、ズニの隠れ家を出発した。

「ここは、あんまり、夜と変わらないんだなあ〜」と、ゴルトは、口にした。夕暮れから、時が()まっているような感覚だからだ。

「ホッホッホ。慣れてない者からすれば、そういう風に思うんじゃろうな」と、ズニが、目を細めた。

「確かに…」と、ゴルトは、すんなり聞き入れた。まだ、二日目だからだ。

「で、昨夜(ゆうべ)言ってた所へ、向かって居るんだろうな?」と、バートンが、口を挟んだ。

「うむ。心配せんでも良い」と、ズニが、返答した。

「俺らは、あんたらが、頼りなんだがらよ。当てにしているぜ」と、バートンが、(ゆだ)ねた。

「ホッホッホ。任せんしゃい!」と、ズニが、胸を張った。そして、「で、何処を歩いて居るのかのう?」と、左隣のブーヤンへ、問い掛けた。

「私にも、さっぱり」と、ブーヤンも、頭を振った。

「おいおい…」と、バートンが、ドン引きした。

「御日様も、この様子じゃあ見えないから、方角も、判らないな」と、ゴルトも、表情を曇らせた。まさかの迷子状態だからだ。

「ふむ。こうなれば、わしが飛んで、周囲を見て来るとしようかのう」と、ズニが、口にした。

「確かに、その方が、手っ取り早いですね」と、ブーヤンが、賛同した。

「大丈夫か?」と、バートンが、訝しがった。

「確かに」と、ゴルトも、冴えない表情で、頷いた。不安でしかないからだ。

「ホッホッホ。まあ、ここで待って()れ。ちょっくら、見て来る!」と、ズニが、得意満面の笑みを浮かべた。その直後、両方の羽根を広げて、羽ばたき出した。そして、上昇を始めた。間も無く、枝葉で、見えなくなった。

「ズニ様って、何か、抜けて居る気がするんだよなぁ〜」と、バートンが、ぼやいた。

「そうだな」と、ブーヤンも、相槌を打った。そして、「ズニ様は、昔、ドナ国の王宮に勤めて居たそうだ」と、言葉を続けた。

 その瞬間、「ええ!?」と、ゴルトとバートンは、顔を見合わせた。

「役職は知らんが、偉い地位に居たって、本人が、申していたな」と、ブーヤンが、語った。

「ゴルト、知ってたか?」と、バートンが、眉間に皺を寄せながら、問うた。

「いいや。初耳だ」と、ゴルトも、目を(しばたた)かせた。ホーホー族が、宮仕えしていた話など、聞いた事が無いからだ。

「何かをやらかしたから、無かった事にされてんじゃないのか?」と、バートンが、指摘した。

「かもな」と、ゴルトも、同調した。現時点では、何かをやらかしたとしか思えないからだ。

「ズニ様は、おっちょこちょいなところが有るからな」と、ブーヤンも、ぼやいた。

 突然、「止めんかっ!」と、ズニの怒鳴る声が、降って来た。そして、枝葉の(かす)れる音がした。

「何か、有ったみたいだぜ」と、バートンが、身構えた。

 間も無く、ズニが、滑空して来た。

 少し後れて、黄色い(わし)が、追って来た。

「あれは、黄鷲(イエロー・イーグル)!」と、ブーヤンも、目を見張った。

「黄鷲って、ここいらじゃあ、最強の猛禽(もうきん)類だよな」と、バートンが、口にした。

「伏せろ!」と、ブーヤンが、叫んだ。

「あ、ああ!」と、バートンが、慌てて、頭を下げた。

 間一髪の差で、黄鷲の足が、バートンの頭を掠めた。

「油断も(すき)も無いな!」と、ブーヤンが、吐き捨てるように言った。

「確かに」と、ゴルトも、身を低くしながら、頷いた。少し後れて居れば、黄鷲の餌食になって居ただろうからだ。

「こいつ、そんなに、獰猛(どうもう)なのかよ!」と、バートンが、恐れおののいた。

「ズニ様を仕留めに掛かって居るから、気性は荒そうだな」と、ブーヤンが、見解を述べた。

「じゃあ、このまま、ズニ様に、餌になって貰うとしよう」と、バートンが、あっけらかんと言った。

「おいおい…」と、ゴルトは、苦笑した。笑えない冗談だからだ。そして、「ブーヤン。何か、考えでも有るのか?」と、尋ねた。本当に、餌になってしまうからだ。

「そうだね。射線上に来てくれりゃあ、仕留められるけどな」と、ブーヤンが、渋い表情で、口にした。

「あれだけ動き回られると、狙いにくいだろうな」と、バートンが、顔を顰めながら、同調した。

「確かに」と、ゴルトも、相槌を打った。変則的に、逃げ回るズニを()けて、黄鷲を仕留めるのは、至難(しなん)(わざ)だからだ。

 しばらく、ズニと黄鷲の追い掛けっこが、続いた。

「ホー…ホー…。もう、そろそろ…、勘弁して貰えんかのう…」と、ズニが、弱音を吐いた。そして、ブーヤンの正面で、失速して、垂直落下した。

 そこへ、黄鷲が、両足を突き出しながら、ズニを捕らえようと、速度を落とした。

 その瞬間、「今だっ!」と、ブーヤンが、(つる)を放した。そして、瞬く間に、黄鷲の胸元を射抜いた。

「おおーっ!」と、ゴルトとバートンは、歓声を上げた。

 その間に、ズニが、地面へ()いつくばった。そして、息も()()えに、呼吸を整えるので、精一杯だった。

 しばらくして、「ズニ様、どうでしたか?」と、ブーヤンが、問うた。

「周囲を見る事は、出来んかった…」と、ズニが、冴えない表情で、返答した。

「だろうな」と、バートンが、しれっと頷いた。

「もう一度、お願い出来ませんか?」と、ブーヤンが、要請した。

「無理じゃ!」と、ズニが、間髪容れずに、断った。

「このままじゃ、間違い無く、迷子だな」と、ゴルトは、ぼやいた。周囲を探る手立てが、他に思い付かないからだ。

 突然、「あ!」と、バートンが、声を発した。

「おかしくなったのか?」と、ズニが、冷やかした。

「おかしくなってねえ!」と、バートンが、言い返した。そして、「川を目指せば、良いんじゃないか?」と、提案した。

「そう言えば、ヤッスルの作業小屋も、川沿いに在ったな」と、ブーヤンも、頷いた。

「そうじゃな。ウスロ川が、流れておったのう」と、ズニも、同調した。

「でも、方向が、判らないんでしょ?」と、ゴルトは、指摘した。迷子状態だからだ。

「そうだったな…」と、バートンも、溜め息を吐いた。

「何か、目印みたいな物でも在れば…」と、ゴルトも、眉根を寄せた。方角さえ判れば、何とかなるからだ。

「ズニ様、黄鷲は、どの方向から来ましたか?」と、ブーヤンが、質問した。

「う〜ん」と、ズニが、翼を組みながら、険しい顔をした。少しして、「右の方からかのう」と、自信無さげに、返答した。

「だとすると、集落から、ズニ様の住処(すみか)までは、北東の方向だから、ここまでは、南東へ移動したと仮定して…」と、ブーヤンが、推測を述べた。そして、「ヤッスルの作業小屋は、南西くらいかな?」と、言葉を続けた。

「黄鷲は、上流の花黄岩の岩場に、巣を作るからのう」と、ズニも、補足した。

「つまり、逆の方を行けば、下流という訳だな」と、バートンも、理解を示した。

「俺は、土地勘が無いから、さっぱりだけどな」と、ゴルトは、口を尖らせた。仲間外れにされて居る気分だからだ。

「そう気分を悪くすんなよ。あの二人だって、判って居ないんだからよ」と、バートンが、()り成した。

「そうじゃな…」と、ズニが、苦笑した。

「確かに…」と、ブーヤンも、認めた。

 間も無く、一同は、(わず)かな手掛かりを元に、移動を開始した。しばらくして、鬱蒼(うっそう)とした森林(しんりん)を抜けて、原っぱへ出た。だが、周辺には、特徴の無い同じ木々が立ち並んで居り、目印になるような物は、見当たらなかった。

「ズニ様、ここは?」と、ブーヤンが、問い掛けた。

「う〜む。地面の荒れ具合からして、奇面樹達の(たむろ)ってた場所というところかのう」と、ズニが、見解を述べた。そして、「奇面樹の痕跡(こんせき)を辿れば、何処かに行き着くかも知れんのう」と、語った。

「原っぱが出来るくらい大移動して居るんだから、辿る価値は、有りそうですね」と、ブーヤンも、同調した。

「辿るという事は、奇面樹との戦闘になるんじゃないのか?」と、バートンが、指摘した。

「そうかも知れんのう。けれど、これだけの奇面樹が動くという事は、相当な事じゃろうな」と、ズニが、好奇心を前面に出して、口にした。

「私も、奇面樹達の移動先に、ヤッスルの死体が在ったとしても、行ってみたいな」と、ブーヤンも、補足した。

「ゴルト、下手すると、奇面樹の連中と戦う事になるかも知れないぜ」と、バートンが、表情を曇らせた。

「確かにな」と、ゴルトも、真剣な表情で、頷いた。タコイムを相手にするのがやっとなのに、それ以上の強敵と戦うのは、気が滅入(めい)るからだ。

「ホッホッホ。わしも、奇面樹と戦うのは嫌じゃ。様子見をするだけじゃ」と、ズニが、考えを述べた。

「奴らは、夜行性で、昼間は、日光浴で、動く事は無い」と、ブーヤンが、口添えした。

「なるほど」と、バートンが、納得した。

「だから、昼間は、見かけないんだ」と、ゴルトも、安堵した。夜が明けたばかりだから、戦わずに済みそうだからだ。

「じゃが、油断は禁物じゃぞ。昼間でも、刺激を与えたりすると、襲われる事も有るからのう」と、ズニが、真顔で、告げた。

「それに、昨日の今日だから、気が立って居るかも知れないから、用心するに越した事は無いぞ」と、ブーヤンも、注意を促した。

「つまり、気は抜けないって事だな」と、バートンが、理解を示した。

「確かに…」と、ゴルトも、表情を強張らせた。楽観視(らっかんし)出来そうもないからだ。

「まあ、機嫌を損ねる事さえしなければ、大丈夫って事じゃよ」と、ズニが、飄々(ひょうひょう)と言った。

「そう言う事だ」と、ブーヤンも、相槌を打った。

「機嫌を損ねるって…?」と、ゴルトは、眉間に皺を寄せた。皆目(かいもく)、見当が付かないからだ。

「蹴飛ばしたりせん事かのう」と、ズニが、しれっと告げた。

「まあ、傷め付けるような事さえしなければ、良いって事だよ」と、ブーヤンが、付け足した。

「一応、努力するよ…」と、ゴルトは、自信無さげに言った。旨くやれそうな自信が無いからだ。

「へ、まるで、盗難防止用の罠を通るみたいだぜ」と、バートンが、皮肉った。

「そうだな」と、ゴルトも、同調した。例えとしては、想像し易いからだ。

「中々、旨い事を言うのう」と、ズニも、称賛(しょうさ)した。

「まあ、俺の表現を口にしたまでさ…」と、バートンが、照れ笑いを浮かべた。

「まあ、それくらい慎重に行けば、大丈夫って事なんだろう」と、ブーヤンも、理解を示した。

 少しして、一同は、奇面樹達の痕跡を追った。しばらくして、森林地帯へ突き当たった。

「この先から、奇面樹達の領域だな」と、ブーヤンが、淡々と言った。

「この森を抜けん事には、どうにもならんからのう」と、ズニも、ぼやいた。

「奇面樹の罠に、掛からないように…」と、バートンも、真顔となった。

「ここからが、正念場かもな」と、ゴルトも、気を引き締めた。細心(さいしん)の注意が、必要だからだ。

 間も無く、四人は、奇面樹の領域へ、侵入した。そして、奇面樹の間を慎重な足運びで、歩を進めた。しばらくして、前方を横一直線に差す陽光を視認した。

「この先に、道が、出来て居そうだな」と、ブーヤンが、口にした。

「じゃあ、もうすぐ、出口って事だな?」と、バートンが、口元を綻ばせた。

「だと良いんじゃがのう」と、ズニが、冴えない顔をした。

「どういう事だ?」と、バートンが、眉を顰めた。

「出口とは限らんのじゃよ」と、ズニが、淡々と言った。

「出口じゃないって?」と、バートンが、小首を傾いだ。

「私達を迷わせる迷路になっているか、底無し沼へ誘導しているのか、判らないって事だよ」と、ブーヤンが、語った。

「つまり、俺らは、奇面樹の意のままだって事か?」と、バートンが、口を尖らせた。

「確かに、気に入らないな」と、ゴルトも、頷いた。奇面樹の思惑通りになろうとしているのは、不愉快でしかないからだ。

「とにかく、明るくなっている方向を目指した方が、良いじゃろう」と、ズニが、提言した。

「そうですね。光の差す方向に、出口が在ると考えられますからね」と、ブーヤンも、同意した。

「それが、一番、無難って事だな」と、バートンも、聞き入れた。

「確かに」と、ゴルトも、同調した。奇面樹の領域を無難に抜け出したいからだ。

 少しして、一同は、奇面樹達の作り出した林道へ出た。そして、左を向いて、光の差す方へ向かった。しばらくして、川辺へ辿り着いた。

「やれやれ。こんな所へ出るとはな…」と、ズニが、溜め息を吐いた。

「まあ、良い方じゃないですか?」と、ブーヤンが、淡々と言った。

「抜けられたから、良しとしようじゃないか」と、バートンも、口を挟んだ。

「そうですよ。川沿いに歩いたら、良いんでしょ?」と、ゴルトは、口添えした。奇面樹の領域内を歩くよりも、多少の足場が悪くとも、川沿いを進んだ方が、気楽だからだ。

「そうだな。ここから、下流へ向かったら、作業小屋への道に出られるだろうな」と、ブーヤンも!頷いた。

「ホッホッホ。まあ、結果オーライという事じゃな」と、ズニが、嬉々となった。

 ゴルト達は、川沿いに、下流へ、歩を進めた。

 その間に、曙光(しょこう)が、水面(みなも)を照らし始めた。

 間も無く、通常の木々が、ゴルト達の行く手を阻んで居た。そして、右奥に、林道が在った。

「やっと、まともな道へ出られるな」と、バートンが、口にした。

「そうだな」と、ゴルトも、安堵した。奇面樹から、解放された気分だからだ。

「お前達、気を抜くのは、早いぞ」と、ブーヤンが、厳かに、口を挟んだ。

「そりゃあ、どういう意味だい?」と、バートンが、訝しがった。

「まさか、チャブリンが、潜んで居るとか…?」と、ゴルトは、表情を曇らせた。まだまだ、気が抜けそうもないからだ。

「そうだ」と、ブーヤンが、即答した。そして、「それに、チャブリンだけじゃなく、モヤグモという魔物が、巣を張って居る可能性も、考えられる」と、補足した。

「確かに、モヤグモが、好んで、巣を作って居そうな木の多い林道じゃのう」と、ズニも、口添えした。

「モヤグモって、食した奴の頭蓋骨(ずがいこつ)を被る蜘蛛だったよな?」と、バートンが、尋ねた。

「そうだ。なので、背中への攻撃は、効果が無いと思え」と、ブーヤンが、回答した。

「やれやれ」と、バートンが、溜め息を吐いた。

「まあ、連中も、夜型だから、この時間帯ともなると、眠りに()く時間だろうからな」と、ブーヤンが、淡々と言った。

「脅かすなよ…」と、バートンが、苦笑した。

「確かに…」と、ゴルトも、同調した。ブーヤンの言葉通りならば、大丈夫そうだからだ。

 その間に、四人は、土手を上って、林道の入口へ到達した。

「恐らく、この林道を抜けた先に、ヤッスルの作業小屋が、在る筈だ」と、ブーヤンが、告げた。

「もし居なかったら、どうするんだ?」と、ゴルトは、問うた。先へ進むのか、ヤッスルを待つのか、分からないからだ。

「わしは、一休みしたいのう」と、ズニが、提言した。

「俺も、ズニ様に賛成だ。作業小屋で休んでから動いた方が、長く動けるかもな」と、バートンも、支持した。

「そうだな。急ぐ事でも無いし、十分休憩(きゅうけい)してから動いても、良いだろう。その間に、ヤッスルが、立ち寄るかも知れんからな」と、ブーヤンも、聞き入れた。

「ヤッスルさん次第ってところだな」と、ゴルトも、目を細めた。一先ず、作業小屋で休めそうだからだ。

 少しして、一同は、進入した。だが、すぐに、足を止めた。戦闘の痕跡が、在ったからだ。

「大きな、何者か同士の喧嘩か、何かだな」と、バートンが、眉を顰めた。

「そうじゃのう。地面が、(えぐ)れて居るから、かなり激しかったのかものう」と、ズニも、見解を述べた。

「六つ程、等間隔に、穴が空いて居るから、一方は、虫みたいな奴でしょうかね?」と、ブーヤンが、険しい表情で、推測を語った。

「虫って、まさか…。モヤグモ…」と、ゴルトは、表情を強張らせた。今、思い付く虫と言えば、モヤグモだけだからだ。

「しかし、人の頭蓋骨よりも大きなモヤグモって、居るのかよ?」と、バートンが、異を唱えた。

「私は、見た事無いから、何とも言えんな」と、ブーヤンが、言葉を濁した。

「わしも、見た事無いのう。けれど、居ないとは言えんがのう」と、ズニが、可能性を示唆した。

「まあ、ここに、これだけの痕跡が在る訳だし、何かが居たのは、間違い無いよな」と、バートンが、淡々と言った。

「まさか、ヤッスルが、そいつに襲われたとか…」と、ブーヤンが、息を呑んだ。

「うむ。ひょっとすると、ヤッスルと何者かが、ここで、争ったのかも知れんのう」と、ズニも、同調した。

「ヤッスルが、殺られて居たとしたら、私達だけで、森を抜けるしかないだろう…」と、ブーヤンが、沈痛(ちんつ)な面持ちで、口にした。

「そうじゃのう。これを見る限りでは、最悪の事も考えておかなくてはならんじゃろうのう」と、ズニも、口添えした。

「そうだな。当てが外れた場合の事は、想定しておくべきだろうな」と、バートンも、賛同した。

「だったら、早々に、ここを立ち去りましょう。ヤッスルさんを襲った何者かが、現れるかも知れませんので…」と、ゴルトは、提言した。このような物騒な所を早く立ち去りたいからだ。

「ちげぇねぇ」と、バートンも、同意した。

「そうだな。ここで、議論して居ても、時間の無駄でしかないからな」と、ブーヤンも、快諾した。

「取り敢えず、作業小屋に着いてから、考えるとしよう」と、ズニも、口にした。

 間も無く、ゴルト達は、夜明けの林道を進むのだった。

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