一二三、迫る危機
一二三、迫る危機
ゴルト達は、ミンミン族の長老の鳴き声を頼りに、螺旋階段を下りていた。
「長老さんよ。これは、木を刳り貫いて造ったのかい?」と、ポットンが、問うた。
「違うミン。五〇〇年の年月が、このような形状にしたんだミン。五〇〇年前の物は、この螺旋階段だけミン」と、ミンミン族の長老が、回答した。
「外から見たら、大木にしか見えなかったもんな」と、ゴルトは、見解を述べた。洞穴が現れるまでは、大木だと思っていたからだ。
「あっちも、木の中が、こうなっているとは思わなかった」と、ティカも、口添えした。
「大自然の為せる業じゃのう」と、ズニも、感心した。
「お陰で、すっかり忘れて居ったミン」と、ミンミン族の長老が、ぼやいた。
「五〇〇年も、放置されているんだから、外と同じように、この奥も、密林と違いまっか?」と、ポットンが、皮肉った。
「そうかも知れないミン。わしも、奥へは行っないから、密林のように、根が蔓延こっているかも知れないミン」と、ミンミン族の長老が、すんなりと肯定した。
「まあ、着いてみてのお楽しみかのう」と、ズニが、溜め息を吐いた。
「確かに」と、ポットンも、相槌を打った。
「これも、“神魔大戦”縁の遺跡かな?」と、ゴルトは、口にした。今のところは、普通に下りられて居るからだ。
「そうミン。わしの家は、見張り小屋だったミン。けれど、長い年月で、あのような佇まいになったミン」と、ミンミン族の長老が、語った。その直後、「ミン!」と、歩を止めた。
ゴルト達も、つられて、立ち止まった。
「デヘゴンが、茶司教に倒されたミン!」と、ミンミン族の長老が、告げた。
「長老! 本当かっ!」と、ティカが、動揺した。
「うむ。そして、二つ近付く気配を感知したミン」と、ミンミン族の長老が、状況を述べた。
「ここで、迎え撃つしかないな…」と、ゴルトは、表情を曇らせた。ここで、戦うべきだと思ったからだ。
「ゴルトよ。ここは、狭過ぎる。もう少し先で、戦うべきじゃ」と、ズニが、意見した。
「そうでっせ。ここでは、厳しい戦いを強いられまっせ。わいも、ズニはんに、一票でっせ」と、ポットンも、口添えした。
「まだ、距離が有るから、出来る限り、最下層へ向かうのが、賢明だとミン」と、ミンミン族の長老も、助言した。
「最下層って、どれくらいだ?」と、ゴルトは、尋ねた。まだまだ、先のような気がするからだ。
「そうミンねぇ〜。まだ、数十回は、回らなきゃならないミン」と、ミンミン族の長老が、大まかな数を口にした。
「こうしている間にも、距離を詰められて居そうじゃから、先を急ぐとしよう」と、ズニが、提言した。
「そうだな」と、ゴルトも、頷いた。駄弁って居る間にも、距離が縮まって居るのは、間違い無いからだ。
「追い付かれたら、追い付かれた時じゃ。その時に、考えれば良いじゃろう」と、ズニが、淡々と言った。
「そうミンね。まだ、こっちの方が、先を行って居るミン。とにかく、前進だミン」と、ミンミン族の長老が、再び、歩き始めた。
少し後れて、ゴルト達も、続くのだった。




