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英傑物語  作者: しろ組


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一〇五、緊急着陸

一〇五、緊急着陸


 アマガー達は、キーちゃんに乗って、北を目指して居た。

 突如、北東から、突風が吹いて来た。

 その直後、キーちゃんが、煽られるなり、体勢か悪くなった。

「ひゃあ!」と、アマガーは、咄嗟に、キーちゃんの右足首へ、しがみ付いた。だが、状態は改善されないまま、右へ傾き始めていた。そして、「な、何とかなりませんか!」と、口にした。いつまでも、しがみ付いて居られないからだ。

「このままだと、墜落(ついらく)するわね」と、ウェドネスが、落ち着き払って、回答した。

「こう暗くては、何も見えやしないぜ!」と、強面のブヒヒ族の男が、ぼやいた。

「そう言えば、この先の台地に、茶竜の牧場が在った筈じゃ」と、学長が、口を挟んだ。

「分かったわ。まあ、牧場じゃなくても、広い場所なら、何処だって、構わないわ。キーちゃん、下りられそうな場所へ向かって」と、ウェドネスが、要請した。

「キー!」と、キーちゃんが、即答した。

「教授、もう少しの辛抱ですよ」と、汀雅(ティガ)が、励ますように言った。

「あ、ああ…」と、アマガーは、表情を強張らせた。気休めにしか聞こえないからだ。

「ここで落ちたら、そのまま置いて行くからのう。根性、見せるんじゃな」と、学長が、冷ややかに告げた。

「そうなったら、キーちゃんにも無理させる事になるから、降りて、皆で捜しましょう!」と、ウェドネスが、提言した。

「そうじゃのう。この速度で、捜しながら、墜落すると、わしらも、無事(ただ)では済まんからのう」と、学長も、同意した。

「まあ、この高さから落ちりゃあ、一巻の終わりだけどな」と、強面のブヒヒ族の男が、理解を示した。

「ですね」と、アマガーも、納得した。死体になった自分を捜したところで、意味が無いからだ。そして、「牧場まで、僕の体力が()つかどうか…」と、弱音を吐いた。自分には、周囲を見回す余裕など無いからだ。

「俺も、助けてやりたいが、自分の事で、手一杯だしな…」と、強面のブヒヒ族の男が、口にした。

「下は、真っ暗で、何も見えません!」と、汀雅が、苦言を呈した。

「そうじゃ! 軍から作れと言われておった“試作品”が、有った筈じゃ!」と、学長が、示唆した。

「魔法が使えなくても、照らす事の出来る道具でしたね」と、汀雅が、応えた。

「あ、あれは、まだ開発中の物だし、実験もしていないんだよ!」と、アマガーは、異を唱えた。安全性すら怪しいからだ。

「アマガー。“現物”は、持って居るのか?」と、学長が、問うた。

「一応、内ポケットに、一本だけ差して居ます」と、アマガーは、返答した。ドナ国の王都の郊外で、使うつもりだったからだ。

「そうか。ならば、今、すぐに使え!」と、学長が、急かした。

「ええーっ!」と、アマガーは、素っ頓狂な声を発した。手を放せば、落下は、確定だからだ。

「ほう。じゃあ、お前の所為で、着陸に失敗して、全滅するのは、仕方無いのう」と、学長が、冷ややかに言った。

「…! 分かりました…」と、アマガーは、溜め息を吐いた。やるだけの事は、やっておくべきだからだ。そして、両足で、キーちゃんの右足首に組み付くなり、逆様となった。その間に、上着の左の内ポケットから、試験管くらいの長さの奇面樹を加工した(つつ)を取り出すなり、下へ向けた。その直後、“玉”が、転がり出て、闇に消えた。

「おい、何も起きないぞ…!」と、強面のブヒヒ族の男が、指摘した。

「そりゃあ、そうですよ。打ち上げる事を前提にしているんですからね」と、アマガーは、回答した。一応、打ち上げる火薬の爆発力で、玉が機能する仕組みとなっているからだ。

「こりゃあ、墜落確定だな」と、強面のブヒヒ族の男が、ぼやいた。

「そ、そうですね…」と、アマガーは、自責の念に駆られた。取り返しのつかない失敗(ミス)をしてしまったからだ。その瞬間、両足の力を抜いてしまった。その直後、「わっ!」と、落下を始めた。

「教授!」と、汀雅が、叫んだ。

「あやつの運命も、これまでじゃな…」と、学長が、冷ややかに言った。

「俺らも、あんまり、他人の事を言えないんじゃないのか?」と、強面のブヒヒ族の男が、指摘した。

「そうね。あたいらの状況も、大して変わらないからね」と、ウェドネスも、同調した。

 程無くして、少し後方で、破裂音が、響いた。その刹那、閃光が走るなり、一時的に、周囲が照らされた。

 アマガーは、だんだんと、遠退いて行くキーちゃんを視認するなり、「これで、無事に、皆が着陸出来そうですね…」と、安堵した。全滅は、(まぬが)れられそうだからだ。間も無く、背中が、地面に着くなり、数回ほど転がって、何とか停止した。そして、「あれ?」と、呆けた顔で、星々が瞬き始めた空を仰ぎ見た。着地するには、少々、早い気がするからだ。

 しばらくして、キーちゃんが飛び去った方向のかなり離れた場所で、重たい物の(こす)れる音がして来た。

「痛てて…」と、アマガーは、よろよろと起き上がった。音の聞こえた方向が、気になるからだ。

「お前! そこで、何をしている!」と、何者かに、声を掛けられた。

「ちょっと、黄龍(イエロードラゴン)から、落っこちちゃいまして…」と、アマガーは、事情を述べた。他に、言いようが無いからだ。

 その直後、「嘘つけ! 茶竜(チャイバーン)の卵でも、盗みに来たんじゃないのかっ!」と、何者かに、怒鳴られた。

 その直後、「こ、ここは、茶竜の牧場ですか?」と、アマガーは、問い返した。ならば、着地の到達時間が短いのも、頷けるからだ。

「は? 知ってて、来て居るんじゃないのか?」と、何者かが、訝しがった。

「まさか…」と、アマガーは、頭を振った。ここへ来るのは、初めてだからだ。そして、「この少し先で、私の仲間達が、不時着している筈です」と、補足した。

「なるほど。仲間を売って、自分だけ助かりたいという腹づもりなんだな」と、何者かが、口にした。

「何で、そうなるんです!」と、アマガーは、語気を荒げた。盗っ人だと決め付けられているからだ。そして、「こう暗くては、歩けないから、何か、照らす物が欲しい!」と、要求した。闇雲に歩いて、崖から真っ逆様なのは、御免だからだ。

「ちょっと待て」と、何者かが、告げた。間も無く、空中に、炎が出現した。

「わっ!」と、アマガーは、面食らった。そして、鼻先から、炎を噴出させている腹の(たる)んだブヒヒ族の男の顔を視認した。

「これで、良いか?」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、問うた。

「あ、ああ…」と、アマガーは、頷いた。先刻よりかは、周囲を見回せるからだ。 

「ふん。どうせ、お前の仲間は、“不時着”じゃなくて、“墜落”だろうけどな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、憎まれ口を叩いた。

「…!」と、アマガーは、反論を堪えた。今のところは、言い返せる要素が無いからだ。

「まあ、お仲間の死体くらいは、(おが)ませてやるよ」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、自信満々で、言った。

「あんまり、いい加減な事は、言わない方が宜しいですよ」と、アマガーは、異を唱えた。まだ、事実を確認した訳ではないからだ。

「へ、俺は、茶竜が着地に失敗して死んだのを、何回も見て居るんだぜ。それに、音からしても、駄目なやつだぜ」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、根拠を述べた。

「しかし、まだ、可能性の段階ではないですか! 勝手な事を言わないで下さい!」と、アマガーも、毅然とした態度で、否定した。今回が、当て嵌まるとは限らないからだ。

「ふん! じゃあ、行ってみようぜ!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、息巻いた。

「そうですね」と、アマガーも、気後れせずに応じた。現場へ行くのが、一番だからだ。

 二人は、足早に、音のした方へ向かった。しばらくして、薄ぼんやりと黄色い大きな物が、照らされた。

「おい。あれは、何だ?」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、問うた。

「あれは、黄龍ですよ」と、アマガーは、何食わぬ顔で、回答した。そして、「それが、どうかしたのですか?」と、淡々と尋ねた。黄龍を初めて見るような反応(リアクション)だからだ。

「黄龍だってぇ!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、素っ頓狂な声を発した。その直後、炎も消えた。

「茶竜よりも、凄いんですか?」と、アマガーは、問い掛けた。言動からして、黄龍は、かなり、稀少な種だと見受けられるからだ。

「凄いも何も、あれが本物なら、とんでもない事だぞ!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、上気した。

「ただ、人見知りですので、初対面の方は、気を付けた方が良いですよ」と、アマガーは、忠告した。結構、初対面の者に対しては、攻撃的だからだ。

「へっへっへ。俺は、“竜”に関しちゃあ、専門家だぜ。接し方くらい心得て居るぜ」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、自信満々で、言った。そして、「さあ、急ごうぜ」と、促した。

 間も無く、アマガー達は、キーちゃんの傍へ、辿り着いた。

「誰か、返事をして下さい…」と、アマガーは、恐る恐る声を掛けた。駄目元でも、呼び掛けるしかないからだ。そして、「(あか)りの方を、お願い出来ますか?」と、要請した。状況が、把握出来ないからだ。

「う〜ん。とんでもない物を見る事になるぜ…」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、難色を示した。

「か、覚悟は、出来てます!」と、アマガーは、口にした。どのような光景を目の当たりにしようと、覚悟は出来ているからだ。

「分かったよ…」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、聞き入れた。程無くして、先刻同様、豚鼻から炎を吹き出した。そして、周囲が照らされた。

 その直後、「わしも、あの世へ来たのかのう」と、学長の声が、キーちゃんの上からした。

「そうね。アマガーが、火を吹いているブヒヒ族と一緒に居るからねぇ〜」と、ウェドネスも、同調した。

「どうやら、私達は、墜落してしまったみたいですね」と、汀雅も、溜め息を吐いた。

「勝手に、殺さないで下さい!」と、アマガーは、語気を荒げた。そして、「ここは、あの世じゃありません!」と、否定した。少し高い所から落ちた程度だからだ。

「そうだぜ。俺様だって、地獄の番人じゃねぇぞ!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男も、補足した。

「ちっ! 酷い目に遭ったぜ…」と、強面のブヒヒ族の男が、キーちゃんから離れた前方から、歩み寄って来た。

「ん…? お前は、甥っ子のヤスンクルじゃないか!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、火を吹くのを止めた。

「オジキ。宝探しに出掛けると言ったきり、行方不明になってしまってよ!」と、ヤスンクルが、涙ぐんだ。

「お前が、子供(ガキ)の頃だから、かなり、昔の話になるな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、照れ臭そうに、返答した。

「だって、親父(おやじ)が、茶色い背広の胡散臭い野郎から買ったって話だぜ」と、ヤスンクルが、吐き捨てるように言った。

「ヤスノヴの奴、はしゃいで居たな。でも、あいつは、お前らを食わさなきゃならんし、もしもの事が有ったら、帝国では、生きていけんからな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、語った。そして、「わしは、独り身だから、もしもの事が有ったところで、誰も困らんからのう」と、言葉を続けた。

「確かに、オジキが出て行って、口減らしにはなったけど、親父は、寂しがって居たぜ」と、ヤスンクルが、淡々と言った。

「そうか。で、ヤスノヴは、元気にして居るか?」と、腹の弛んだブヒヒ族の事が、尋ねた。

「いや。オジキが出て行った後、エ・グリン候爵の反逆未遂事件で、大変だったんだぜ」と、ヤスンクルが、ぼやいた。

「エ・グリン候爵か…」と、腹の弛んだブヒヒの男が、言葉を詰まらせた。

「エ・グリン候爵を、ご存じなのですか?」と、アマガーは、口を挟んだ。“インタの鏡”や“根ッコ”といった技術を持ち込んで来た事以外、知らないからだ。

「わしも、詳しい事は知らんよ。まあ、黒い噂の在った人物なのは、間違い無いだろう」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、回答した。

「あのエ・グリンのお陰で、親父は、国外追放にされて、俺とブヒャンヒルデは、肩身の狭い思いをする羽目になったんだ!」と、ヤスンクルが、語気を荒げた。

「お前らの思い出話は、もうええから、早く明るくせえや!」と、学長が、口を挟んだ。

「ヤスンクル。あの偉そうな口を利くオバハンは、何だ?」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、尋ねた。

「オジキ! その方は…」と、ヤスンクルが、告げようとした。

 その直後、「あ痛て!」て、腹の弛んだブヒヒ族の男の頓狂な声がした。

「遅かったか…」と、ヤスンクルが、溜め息を吐いた。

 その間に、「ぐほ!」と、腹の弛んだブヒヒ族の男の苦悶の声が聞こえた。

「学長。それくらいで、勘弁(かんべん)してやって下さい!」と、アマガーは、宥めた。放って置くと、腹の弛んだブヒヒ族の男の命に係わり兼ねないからだ。

「学長。オジキに、ちゃんと言い聞かせますので、手打ちにして下さい!」と、ヤスンクルも、口添えした。

「ふん。今日のところは、お前らに免じて、許してやるわ!」と、学長が、聞き入れた。そして、「さっさと、明るくせえ!」と、怒鳴った。

「は、はい…」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、火を吹いて、周囲を明るくした。間も無く、ウェドネスも、キーちゃんから下りるなり、「キーちゃん、大丈夫かしら?」と、心配した。

「墜落した時の音の感じからすると、骨は大丈夫だと思うぞ」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、口を挟んだ。そして、「旨く制御出来ているみたいだし、深刻な怪我はして居ないと思うぜ」と、語った。

「そうだと良いんだけど…」と、ウェドネスが、表情を曇らせた。

「そうだな。一応、診察はしておくべきだな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、提言した。そして、「急ぐ用事でなければ、一晩、様子見に、休んだら、どうだい?」と、提案した。

「どう?」と、ウェドネスが、アマガーを見やった。

「急いで、急がないから、そうしても良いかもね」と、アマガーは、返答した。一国を争うほど、切迫していないので、キーちゃんに無理をさせる必要も無いからだ。

「そうか。こんなに暗くなってから飛んで居たんだから、余程、急いで居るのかと思ったよ」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、見解を述べた。

「オジキ、ゆっくりと話が出来そうだな」と、ヤスンクルが、目を細めた。

「そうだな。ヤスノヴの事も知りたいしな」と、腹の弛んだブヒヒの男も、同意した。

 その間に、ウェドネスが、キーちゃんの顔の傍へ移動するなり、「キーちゃん。今日は、ここで、お泊まりよ」と、告げた。

「キー…」と、キーちゃんが、弱々しく返事をした。「あたいが、もう少し、旨くやれてたら…」と、ウェドネスが、項垂(うなだ)れた。

「ウェドネスさん。起きてしまった事を悔やんでも、仕方が無いですよ。教授なんか、失敗しても、ケロッとして居ますからね」と、汀雅が、励ました。

「そうじゃのう。わしは、お主の操縦の技量で、この程度で済んだと思って居る。まあ、これも、一つの経験として、受け止めるべきじゃな」と、学長が、淡々と言った。

「仕方が無いじゃないですか! 失敗を繰り返して、成功を導き出すのが、学術なのですから!」と、アマガーは、口を尖らせた。いちいち失敗を気にして居たら、精神が持たないからだ。

「俺の人生も、失敗の連続だなぁ〜」と、ヤスンクルも、しみじみとぼやいた。

「ふん。人生なんて、足し算と引き算みたいなもんだよ」と、学長が、冷ややかに言った。

「そうかも知れんな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男も、相槌を打った。そして、「でも、わしには、何が成功なのか、失敗なのか、定義が判らん。ただ言える事は、自分の好きに生きる事ではないかなぁ〜」と、言葉を続けた。

「そうじゃな。ほとんどの者は、計算通りには生きて居らんからのう」と、学長も、頷いた。

「ですね」と、アマガーも、すかさず同調した。まさに、その通りだからだ。そして、「自分は、引き算ばかりですけどね…」と、自嘲した。成功体験に、乏しいからだ。

「あんたなんか、マシな方だぜ。俺なんか、一気にどん底なんだからよ!」と、ヤスンクルが、ぶっきらぼうに言った。

「わしは、自由で良いと思うんじゃがのう」と、学長が、口にした。

「どん底は、地獄だぞ…。まあ、人生狂わされてないあんたには、分からんだろうがな!」と、ヤスンクルが、憤慨した。

「ヤスンクル。人生、中々、旨く行かない事も有るさ。まあ、気持ち次第で、どうにでもなるからな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、宥めた。

「くっ…!」と、ヤスンクルが、歯嚙みした。

「学長も、悪気が在って、言っているんじゃないんだ。大目に見てやって下さい」と、アマガーも、補足した。学長に、悪意など、毛頭無いからだ。

「ふん! 悪気も、へったくれも無い! あたしには、自由など無い! 地位と名誉(めいよ)に縛られて居るようなもんじゃ!」と、学長が、ぼやいた。

「学長。それは、贅沢(ぜいたく)ってものですよ」と、アマガーは、意見を述べた。帝国大の頂点(トップ)ともなると、それくらいの責務が生じても、当然だからだ。

「とにかく、続きは、見張り小屋でしようぜ。火を吹き続けるのも、しんどくなったからな」と、腹の弛んだブヒヒ族の男が、告げた。

「そうですね。話が、長引きそうですからね」と、アマガーも、賛同した。長引きそうな予感がするからだ。そして、「キーちゃんは、動けそうかな?」と、問うた。キーちゃんの具合いを知っておきたいからだ。

「キーちゃん、どう?」と、ウェドネスが、不安げに、尋ねた。

「キー…」と、キーちゃんが、か細く鳴いた。少しして、体を起こすのだった。

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