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令和4年 一月
触れればたちまち眼は獣になり
不機嫌な姿もまた猫なり
「今どこにいるの?」「月」「寂しがりやだった?」「いいえ地球が見てました」
夜明け前 開けっ放しの窓から入った蚊を殺すように ようになんだろう
街よりも怖いのは 塾よりも千円ぴったりの
ハンバーグを待っている学生さん
SEXの不満を 気持ちよかったで誤魔化すカップルの元へ行くなら天国にまだいます
スピーカーから流れるインディーズが飛べと歌って
雲の無い青空をみていた
もう少し生きてくれ 我の血管から染みでる温もりを知った PETキャップよ
宇宙を願い事と一緒に瓶詰めして 意味も無く飾って けらけら笑ってやりたい
明日 この街を灰色が見下して雪が降ったら
泣いている子を慰めに外へでよう
もやもやの中でたんぽぽを見つけた
既に誰かが盗んだ黄色だった




