君の美しさは、僕だけのモノ誰にも渡さないよ!
世界で一番美しいのは、僕の愛する人はロザンナだ!
彼女の美しさに勝るモノはない!
僕の愛する女性、その名はロザンナ!
彼女は、どの国に連れて行っても“美しい女性だ!”
外見の彼女は、宝石を纏っているかのような美しさ!
こんなに美しい女性を今まで、僕は見た事がない!
中身も優れており、勉強も出来て気品もある。
ただ美しいだけの女性ではない。
僕は、この国の国王の息子の特権を使い彼女を次期僕の
王妃として迎える事に決める。
勿論! 彼女を好きな男は山ほどいたし彼女と付き合っている
ハンサムという男もいた。
それを分かっていて、僕は彼女を自分のモノにしようと思ったんだ。
国王の息子の特権でも使わない限り彼女と一緒になれる事は一生ない
と分かっていたからだ。
初めて僕が彼女と会った時、僕の前で彼女が跪き僕の手の甲にキスをする。
彼女が、僕の結婚の申し出を受け入れてくれた証。
・・・その頃、街中がザワついていた。
『おい? 聞いたか、あのバカ息子! ロザンナを自分の次期王妃
に迎えるそうだぞ!』
『アノ美しいロザンナをか?』
『可哀そうに、ロザンナには付き合っている彼氏がいたよな!』
『・・・あぁ、確か? ハンサムという青年だよ!』
『自分勝手というか? ワガママな大人に育ったものだ!』
『ロザンナが可愛そうじゃないか、好きでもない男と結婚させられる
なんて! “美しいは罪深いねぇ~”』
『そうだよ! あの子が美しいから、こんな目に遭うんだ!』
『ウチの娘は、夫に似てブサイクで良かったよ。』
『それなら、なんの心配もないな~!』
『あら? お宅の娘さんだって、そんなに綺麗じゃないわよ!』
『まあ、何しろ! 美しい娘に産まれなくて良かったわ』
『あぁ~そうだな!』
『あぁーそうだ! そうだ!』
強引に、自分のモノにしようとしている国王の息子ロゼヲを
市民はよく思っていなかった。
でも? “美しい女性は罪深い”という昔からのこの国の考え方もあり
ロザンナを可哀そうとは思ってはいても、反対する者は一人もいなかった。
ロザンナの家族も、ロザンナにこう言っていた。
『ロザンナ! 貴女、良かったじゃない! 貴女が美しいから国王の息子
ロゼヲに見初められたのよ! なんて、羨ましいの!』
『・・・お、お母様、』
『ハンサムとは、もう別れなさい! そしてロゼヲと結婚するの!』
『お父様! 何かお母様に言ってくださいな!』
『おまえ、ロザンナが困っているだろう! それにロザンナが好きな
男は、ハンサムなんだ! ロザンナの父親としても、ハンサムとこの先
付き合わせてやりたいんだよ!』
『そんな事言ったって! もう、決まった事じゃない! 私たち市民に
どうする事も出来ないわ』
『・・・・・・』
『私は、ロゼヲと結婚します!』
『ほら! 私に似て、物わかりのいい子だこと!』
『ロザンナ、』
『もういいのよ、お父様! 私がロゼヲと結婚すれば済む話だわ』
『そうそう、それでいいのよ!』
『・・・・・・』
こうやって、僕とロザンナは皆に祝福されながら結婚した。
毎日、僕はロザンナと一緒に居れることが幸せだった。
こんなに美しい女性が僕の隣に何時も一緒に居てくれる。
・・・でも? ロザンナと僕が一緒に馬車で街に出ると?
男どもがロザンナを皆がチラチラと見ている事に僕は気づく。
しかも? ヤラシ目で彼女を見ている。
彼女の胸元や顔やスタイルに興味があるのだ!
僕は、その事に凄く腹が立った。
途中で、馬車を引き返し城に戻る事にした。
『ロゼヲ、どうしたんですか? 街に行きたいと言ったのは
貴方じゃありませんか?』
『確かに、街に出たいと言ったのは、僕だよ! でも気分が
変ったんだ!』
『貴方は、相当な“気分屋さんなんですね!”』
『・・・・・・』
僕は、彼女の事を想って引き返すことにしたというのに、、、。
彼女は僕を【気分屋】と蔑んだ。
僕はそれに、怒りがこみ上げる。
僕は、いつだって! ロザンナ、君の事だけを考えているんだ!。
君は、僕の事を何一つ! 分かっちゃいないじゃないか!
それなら、僕にも1つだけ手があるよ。
彼女に、街に行って買ってきて欲しいモノを頼んで。
そこに、僕の雇った男に、彼女に酸を顔にかけてもらう。
これで! 彼女は僕だけのモノになるはずだ!
*
・・・数日後。
僕は、計画を実行する。
彼女は、一人で買い物に行けると喜んで行ってくれた。
まさか!? あんな事になるとも知らずにね。
彼女が城に戻ってきた時には、彼女の顔は爛れて溶けていた。
顔の原型もなく、あんなに美しかったロザンナの面影もなかった。
城の中でも外でも、ロザンナの話でもちきりになっていた。
『なんて! 酷いことをするんだ!』
『あんなに美しい女性だったロザンナが、、、。』
『あんな顔になるなんてね!』
『酷い話だよ!』
『もう、あの美しいロザンナの顔を見る事ができないのか』
『しかし? 誰の仕業なんだ!』
『早く、犯人を捕まえてほしいわね!』
『そうだな、』
・・・もう、アノ美しいロザンナの顔はない!
その代り、ぼくの隣には“怪物”のようになったロザンナの姿があった。
『ロザンナ! 僕が一生、君を愛し君を支えていくからね』
『ロゼヲ、嬉しいわ!』
『君は、僕だけのモノ! 誰にも渡さないよ!』
『・・・ロゼヲ、』
『僕の愛する女性、ロザンナ!』
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