私とワタガシ
幽霊が出ると、噂の墓地。
私とワタガシ、面白そうと早速向かう。
夏の夜、虫すらいない、墓地の中。
足音だけが、響きます。
「ぜんぜんこわく、ないじゃんか」
ワタガシが笑って、私も笑う。
突然聞こえた、笹の音。
こつこつこつこつ。
驚く私。踊るワタガシ。
恐がりながらも進んでく。
もっと奥には、なぜか病院。
「こんなところにあったっけ?」
はてなを浮かべ、ワタガシを見る。
面白そうと、私を急かす。
進め、進め、廃病院へと。
荒れた室内、床にシミ。
倒れた棚に、壊れた机。
びくびくしながら進む私。
スキップスキップるんるんワタガシ。
病室の中に入ったら。
ばらまき包帯、ざくりとメスも。
「なんて恐ろしい場所」
もう帰りたい、わたわた私。
まだまだ居たい、ワタガシ楽し。
喧嘩しちゃってばいばい帰る。
戻る道にはお化けのお墓。
恐さで足が、すくんでる。
そこにとうちゃくワタガシさん!
「やっぱりいないとだめなんだ」
仲直りして、一緒に帰ろ。
墓地を抜けて、いつもの道に。
「ありがと」言って、バイバイじゃあね。
私ワタガシ大好きです。
おなかの中で、ずーっと一緒。
感想くれると、嬉しいな。