第7話 これは私のエゴだ
(え? 邪竜なの?)
(さっきも言ったであろう。我は人里で暴れていたと、そうしていたら人々から邪竜と呼ばれてな、我もカッコよかったから、認めたのである)
カッコいいからって。
まあ、分からなくも無いけど。
(まぁ、それで封印されたわけだが……)
(どんな人達に封印されたの?)
気になるね、邪竜と呼ばれてたくらいだから、この竜は結構強いんだろう。
さっき賢者とか言っていたからそいつなのだろうか。
(確か、あ奴らは勇者パーティ―と言ったか。名前はしらんが、勇者、賢者、神官、騎士、の4人で向かってきたな、凄く連携が取れていて相手するのが難しかったぞ。危うく本気を出す所であった)
ん? 本気出す所であった? つまり本気で相手していなかったのか?
(本気出さなかったの?)
(あほう。本気出したら手加減出来ないではないか、殺してしまうでなないか)
ああ、なるほど。
この竜、していることはアレだけど根は優しいよね。
でも、それで封印されたら元もこも無いね。
それにしてもこの封印解除出来ないのかな。
(ねぇ、リントヴルムその封印解けないの?)
(解けたら、我は今頃ここにはい無いだろうな)
つまり無理と。
(どうやったら解ける?)
(なんだ? 封印を解こうとしているのか?)
(だって、囚われているって可愛そうだし)
(ふふ、我のことを可愛そうか……そんなヤツいままで合った事が無かったな)
リントヴルムが感慨に耽る様に上を見ている。
(……そうだな、この封印を解こうと思ったらまず最低スキルを三つは覚えないといけない)
(どんな?)
(やめておけ。我の説明を聞いたらフラーゼ、お前はそのスキルを覚えようとするだろう。それも直ぐにでも)
確かに私はリントヴルムを直ぐにでも解放してあげたい。
リントヴルムはスキルを覚える事によって私の魂の疲弊を気にしているのだろう。
(大丈夫。その時はその時、私はリントヴルムを解放するよ。教えてくれないと必要そうなスキル10も20も覚えるよ)
(……なぜそこまでする? お前に何かメリットはあるのか?)
何故って言われても。
どうしてだろう。
(……私はリントヴルムが心配なんだよ思う。リントヴルムは私に名前を暮れた。云わば名付け親だ……私は二度と親不孝者にはなりたくない。からだと思う)
私は言いながら院長先生のことを思い出していた。
優しかった院長先生。
もう一度院長先生に会いたいでもその願いは永遠に叶わない。
院長先生に会って謝りたいそれも永遠に叶わない。
全て私のせいだという事は分かってる。
だから、私は親孝行がしたいのかもしれない。
これは私のエゴなのだろう。
でもそれでも構わない。
(生前何あったのだな……深くは聞かん。分かった教えよう、だが、これだけは約束しろ。無理はしないと)
(分かった)
(この封印を解くには三つのスキルが必要だ。一つ、[解析]、これはスキルや魔法を対象にして解析する。ただ解析するだけの能力だ。二つ、[結界支配] [結界解除] [結界操作]、これらのどれでもいいオススメは[結界操作]だな。これは他のことでも大いに役立つ、これで鎖を覆ってある結界をどうにかするのだ。最後に三つ目[封印解除]、これでこの封印を解除する。まあそんなところだ)
なるほど! 分からん。
こうして私はリントヴルムの封印を解く事にした。